- Amazon.co.jp ・本 (285ページ)
- / ISBN・EAN: 9784093882866
作品紹介・あらすじ
92歳を迎える著者が世界一わかりやすく『枕草子』を紐解く。
感想・レビュー・書評
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泣けた。枕草紙の一字一句に込められた想いと、その感性の鋭さに感動した。明るさとユーモアと、内に込めた情感。友情と敬愛。
清川妙さんの読みがまた素晴らしい。書かれたことだけではなく、書かれなかったことも重要なのだ。悲劇があり、それでも生きる人びとがある。
素晴らしいふたりの作家の、時を超えた共作と言ってもいいだろう。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
清少納言、好きです。
こんなハキハキした方、横で見ている分には楽しい。
こちらを明るくさせてくれます。
昔、平安時代の女流歌人たちの日記を読んで、そのあまりにもドロドロ加減で読めなくなったことありました。
枕草紙はそんなことない!
さらにさらに、実際に定子がどんな状況だったかを考えながら読むとさらに清少納言の凄さが際立ちます。 -
この本のおかげで、枕草子と清少納言がより好きになった。著者が本当に枕草子が大好きなのがとてもよく伝わる。清少納言の周りを見つめる視点と、人間との関わり方、コミュニケーションのとり方がすごく洒落ていて、洒落ていると感じるのは清少納言の伝え方が上手いからなのかもしれないけど、それも込みでいいなあ、憧れるなあ、と思った。いちいち細かいことで感動したり、思考をめぐらせたり、そういうのって無駄だししょうもないかなぁと思っていたけど、清少納言に肯定してもらった気になった。
著者の言葉選びもすごく繊細で優しくて、人生の大先輩として素晴らしいなあと思った。 -
(2014-06-15)
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古典の人生訓としては徒然が一番多いかも。そのなかで枕を取りあげているのが新鮮だった。
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もうすぐ92才を迎えようとしている作者が、枕草子の言葉を通して、人生を明るく生きるためのヒントを書き記している一冊。
教科書や参考書で読んだ時は、千年前の人は風流だな、としか思わなかったが、こんなに面白く現代にも通じるものだったとは。
自然の色、景色の移ろいなどだけではなく、貴族の衣装や住まいなど、雅で美しい描写も素晴らしい。
そして清少納言や中宮などの登場人物の誰もが理知的で教養がありユーモアに溢れている。
中宮定子の周りには不幸な事がたくさんあるが、清少納言は常に光を見つめていた。この明るさ、聡明さ、見習いたいものだ。