どうせ社会は変えられないなんてだれが言った?: ベーシックサービスという革命

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093888196

作品紹介・あらすじ

貯蓄ゼロでも不安ゼロな社会は実現できる!

著者は、2018年、「医療、介護、教育、障がい者福祉のすべてが無償。貯蓄ゼロでも不安ゼロな社会」
を実現するための方法<ベーシックサービス>を発表。
消費税増税の必要性に切り込み、賛否両論を巻き起こしました。
本書はその入門書にして決定版。
なぜ忌み嫌われる「消費税増税」が「格差なき社会」につながるのかを、
軽やかにひもといていきます。

本書には、「社会」という言葉が294件も出てきます。
著者は本気で、税の使い道を通じ、社会を語ろう、社会を変えよう、身近を革命しよう、
と私たちに迫ります。
「人口減少、高齢化、経済の長期停滞、まさに『縮減の世紀』がはじまりました。
のぞましい社会を語りあうのは、いまです。いまなら間にあいます。
これは、知的遊戯ではありません。僕たちの自由を守るための『静かな闘い』です」
……東大を出て大学教授になった“勝ち組”(らしき)著者が、
なぜこんな無骨なまでに熱く語るのでしょうか?
ベーシックサービス理論とふかく結びつく、著者の壮絶な過去もあますところなく語られます。
著者渾身の静かな、しかし胸熱の闘いに、ぜひあなたも加わってください。


【編集担当からのおすすめ情報】
【著者について】

井手英策 (いで えいさく)
1972年、久留米市生まれ。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。日本銀行金融研究所、東北学院大学、横浜国立大学を経て、現在、慶應義塾大学経済学部教授。専門は財政社会学。著書に『幸福の増税論 財政はだれのために』(岩波書店)、『富山は日本のスウェーデン 変革する保守王国の謎を解く』(集英社)、『欲望の経済を終わらせる』(集英社インターナショナル)、『18歳からの格差論』『いまこそ税と社会保障の話をしよう! 』(いずれも東洋経済新報社)、『ふつうに生きるって何? 小学生の僕が考えたみんなの幸せ』(毎日新聞出版)ほか多数。2015年大佛次郎論壇賞、2016年度慶應義塾賞を受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 北欧の税率は50%を超えているけれど医療・教育負担がないから国民満足度は高いと聞いたのは子供の時だったと思う。消費税もなかったその頃から、大人になり、所得税も消費税もあれこれ納税する立場になってみれば、正しく使ってもらえるなら喜んで払いますよ、という気持ち。でも、私と違ってズルして払ってない人がいる、とか、私が払ってる以上に見返りを受けている人がいる、という不平等感がどうしても付きまとうし、払う税金が少しでも減らないかなぁってやっぱり思っちゃう。

    ベーシックサービスという考え方をどこかで読んで、詳しく知りたいと思って本書を探していました。出会えてよかった。
    より低コストでより満足のいく生活が目指せそうなプランの様に思えます。
    当たり前のことを、当たり前に出来る、手づくりの、誇り高き国。次世代に是非手渡したい。

  •  著者の熱量が高いけれど決して熱苦しくはない。日本は弱者に厳しく自己責任、他者に不寛容な国というイメージなのだが、意識レベルで変わっていけるのかな。ベーシック・インカムではなくベーシック・サービスを選択する理由や消費税増税で財源を賄う理由も納得できたが、政府を信用できない気持ちはやはり消えない。でもどちらかと言うと、著者の活動を応援したい。

  • コロナ禍の中に、全体主義社会へ移行を感じさせる、今日この頃。自民党にとって代わるのは現在の野党ではなく、これから出てくるファシスト政党のように思える(自民党がファシスト政党に変貌する?)。そうならないよう、著者の声に耳を傾けたい。

  • 面白い。「いまこそ税と社会保障の話をしよう!」に続くベーシックサービスの解説書。筆者の考案?したベーシックサービスについて前作に続いて、熱く口語で書き切るスタイルは非常に読みやすく読書に慣れていない人達にも読んでもらえるように工夫しており、社会への浸透を図ろうとの筆者の狙いを感じる。

    直近で私も両親が2人とも癌を患った事から社会保障について考え、井手氏の政策、考えを心から正しいと確信できるようになった。
    現代の日本では自助が強く求められており、癌に侵された老人が2人で生活をする必要がある。介護補助やヘルパーなどを駆使しようにも人手不足で生活を成り立たせる事も出来ない。人手不足が進む日本では同じような例がいくつも発生しているのだろう。

    本書では民進党の裏側も書かれている。自民党の腐敗は様々なメディアで報じられており、筆者も軽く触れるのみにしている。しかし、ではどこの政党に投票するか、本書では示していない。というより示せない。優れた政策を提示しても政党が採用しなければ日の目を見ることはないだろう。筆者の悔しさが我が事のように思える。日本にオープンに議論をして、我が国をより良くしようと考える土壌を醸成することが大事だと筆者は説く。

  • よし、明日からこの制度でお願いします!笑

  • この考え方はかなり重要で刺戟的。
    消費税増税がこうしたベーシックサービスに使われるならば私は大賛成。現実的で生活の底上げ、経済の活性化も期待できると思う。先入観を持つことなく多くの人に読んでもらいたい。

  • ベーシックサービスを唱えられていた選挙があった事を把握していなかった自分がいかに選挙に政治に無関心と絶望しているかをじわじわ感じた

    消費税によるベーシックサービスについて
    書いてある部分は理屈はふんわりと理解できた気でいます。
    消費税ができたのと同時に法人税が下がり続けてきたと言うデータを見聞きした覚えがある
    つまり少なくとも財源を一般消費者にすり替えて庶民を苦しませているとよく言われる
    そしてその財源が全て社会福祉にかけられているわけではないと私は把握している
    一律で今よりも高額な付加価値税を設けることで
    高所得者層からや企業からはどう税金を取るかどの様に変革するのかと言う論点が少なく消費税をおもに言及しすぎていて
    その説明がいまいち不足している気がしていまいち腹落ちしない部分があった

    もちろんグローバルカンパニーを誘致しようとすると法人税を安くして企業活動のし易い国作りをし他国と競争があるのも分かるが…

    結局いつも通り私のネガティブな将来の見立てが根本から晴れることはないかなと思った

    いつまでも卵が先か鶏が先かは論じても答えがでない問題でやっぱりどうすれば良いかは私には分からない。

    著者の後書きで締められた日付21/03/23
    の翌日に読み終えたことを少し感慨深くも思った

  • 「医療、介護、教育、障がい者福祉のすべてが無償。貯蓄ゼロでも不安ゼロな社会」、ベーシックサービス。そのために消費増税が必要と訴える。個人の体験からこうした考えに至った経緯には説得力があった。将来に対する不安がすごく大きくなっている。どんなことが起きても安心できる社会、弱者への思いやりのある社会、日々の生活を楽しめる社会、気持ちにゆとりのある社会、そうした社会を築くためには、ベーシックサービスの無償提供は欠かせないことだと思う。その負担もみんなで負わねばならない。増税という嫌なことから目を背け、いつまで財政赤字を拡大させ続けるのか。建設的な議論を始めるべきだと思うが、政治からはなかなかそうした声が聞こえてこない。著者の井手さんは、前原誠司さんに請われて民進党の政策づくりのお手伝いをするが、前原さんは消費税の増税凍結を訴える希望の党と合流。政治と訣別したという。日本のあるべき姿、ビジョンをしっかり持つ政治家、信念を曲げない政治家を有権者が見極め、支持していかなければならない。社会を変えるために一人ひとりができることを地道にやっていくしかない。できることからやっていこうと思った。

  • 筆者の情熱(社会の不条理対する、真剣な反発)がしっかり伝わる作品。
    基本はベーシックニーズをしっかり給付することで、財政負担も軽減し、所得格差も軽減、何より不安を個人で追う必要がないために、誰もが生きやすい社会になるのでは?

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著者プロフィール

慶應義塾大学教授

「2022年 『財政社会学とは何か』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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