昭和天皇は何と戦っていたのか 『実録』で読む87年の生涯

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (415ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784093897662

作品紹介・あらすじ

昭和天皇の87年の生涯を「追体験」できる

宮内庁が24年余りの歳月をかけて作成した全61巻、1万2137ページ。そんな一大歴史資料「昭和天皇実録」を丹念に読み込んだ著者は、ダイアリー(日記)方式で87年8ヶ月の生涯を綴ります。

そこには、コップに水滴が一滴ずつたまるがごとく、日本が「戦争」に歩む姿が描かれています。21世紀の我々が昭和天皇の喜び、怒り、悲しみ、苦悩を知ることは、「激動の20世紀」を“追体験”することにほかなりません。

――2019年3月完結予定の『実録』が、この一冊ですべて学べます。

【編集担当からのおすすめ情報】
全60巻もあり、2019年に完結予定の『実録』を読むことは、一般の方には現実的に難しいと思います。しかし、混乱を極めた「激動の20世紀」も、著者のような配慮の行き届く案内人がいれば、気になる年代だけでも読んでみようと思えますし、同書一冊を読了したならば、きっと昭和天皇の人生をともに歩んだような充実した読後感を味わうことができると思います。

感想・レビュー・書評

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  •  実録を元に昭和天皇の生涯を振り返る。

     天皇として初めてヨーロッパを回り、大正天皇が病気の為、摂政を務めたりと戦前から波乱の人生だった昭和天皇。
     しかし、やはり一番の読みどころは太平洋戦争へと突き進む時期。昭和天皇は戦争を止められる判断力と立場は持っていたが、軍部のクーデターを意識せざるを得ないなど難しい状況だったことがうかがわれる。当たり前のことだが、当時の日本の政治も軍部も一枚岩ではなかったのである。
     戦後の昭和天皇にはあの戦争を止められなかったという後悔が大きかったのだろう。戦後の日本が華やかな戦後復興を遂げた後も、昭和天皇の中には常に暗い過去があった。

     私は昭和天皇は人格的にも知略的にも優れた政治家だったと思う。昭和天皇の苦悩が戦後日本をつくったといえるのかもしれない。

  • 知らないことが多くあるよなぁというのが感想。どうしても戦争が止められなかった苦悩がわかる

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著者プロフィール

1961年大阪生まれ。86年日本経済新聞社に入社。東京、大阪の社会部で警視庁、大阪府警、法務省などを担当。現在、編集委員(皇室、近現代史)。元宮内庁長官の「富田メモ」報道で2006年度新聞協会賞を受賞。著書に『非常時とジャーナリズム』(日経プレミアシリーズ)、『天皇と葬儀――日本人の死生観』(新潮選書)、『焦土からの再生――戦災復興はいかに成し得たか』(新潮社)、『熱風の日本史』(日本経済新聞出版社)、『忘れられた島々――「南洋群島」の現代史』(平凡社新書)、『昭和天皇は何と戦っていたのか――「実録」で読む87年の生涯』(小学館)、共著に『「東京裁判」を読む』『「BC級裁判」を読む』(ともに日経ビジネス人文庫)がある。

「2017年 『天皇の戦争宝庫』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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