おじいちゃん戦争のことを教えて(小学館文庫) (小学館文庫 R な- 10-1)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (289ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094030068

作品紹介・あらすじ

ニューヨークの高校に通う孫娘から分厚い手紙が届いた。歴史のクラスで太平洋戦争を勉強することになったという。手紙は、「戦争の見方、体験は国によっても違いがあるはず」との歴史教師の考えを受け、戦争を体験した祖父への孫娘からの質問状だった。かつて軍人を志した祖父は自らの人生を振り返り、孫娘の問いに真摯に応えていく。「なぜ軍人の学校に進んだの?」「アメリカとの戦争は正しかったと思う?」…昭和をひたむきに生きた日本人の誇りと、手紙を通じて心がつながる祖父と孫の感動を描いたベストセラーを文庫化。

感想・レビュー・書評

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  • 「永遠の0」を読んでから第2次世界大戦に関する本を読んでみようかと思い、手に取った。
    タイトルの通り、孫娘からの質問状に対して回答するスタイル。孫娘へ教え諭すような語り口調の文章は非常に読みやすく、またすごく気持ちが込められている、孫への愛情と日本への思い。
    著者はアサヒビールの名誉会長まで務めた企業人。厳しい時代を乗り越え、企業を育てた人の言葉の重みを感じます。著者の足元にも及ばないけども、いつの日か自分を振り返った時、何か語れるような生き方ができていればいいな、なんて思いました。子供はいないので、語るべき孫もいませんが(笑)
    斜に構えてしまうと、古き良き時代を思い返しているだけか、なんて思ってしまう。けど、戦後の甘やかされ骨抜き状態で育ち、単なる無知だったのだ、と反省。本書で引用されているノンチック氏の詩が如実に表しており、グサグサと突き刺さる思いでした。
    日本人の誇り,良さ、日本の風土に根差した神道の思いは、どこに置いてきたんですかね。
    本当に日本の教育はなんだったんだろう。臭いものには蓋をしてしまうような風潮は、教育だけではなく日本の至る所にはびこってしまった。これを拭い去り、変えるのは至難の業。教育のシステムを変えても、旧態依然とした教師陣では教えることもままならないのだろう。
    個人の自由が叫ばれて久しい。確かに個人・個性は尊重されてしかるべきだが、何か履き違え、違う方向に突き進んでいるような。権利には当然守られるべき義務があるはずなのに、権利のみを一方的に主張して。自分さえよければ良い、なんて短絡的思考がまかり通っている。不勉強を棚に上げてなんだが、政治からして本当に国益を考えているのか?なんて疑念が浮かんでくる。
    グローバル化が急務とされジタバタしているが、日本国民としての土台があやふやでは、本当の次の時代はやってこないし、生き抜けない。
    精神的「カルタゴの平和」・・・仮想敵を作って、バッシングして、また次の敵を作って・・・。なんだか今の日本みたい。世論と言われるマスコミの情報の信憑性は?問題がすり替わっていない?安易に情報を鵜呑みしない、という当たり前のことができていない。
    安倍能成先生という師と仰ぐべき人に会えた、との語りにはすごく感動し納得した。自分も仕事の面ではあるが素晴らしい師匠に出会え、そのもとで学ぶことができたことは生涯の宝であると思っている。
    戦争では、語る人の数だけの正義と悪がある。立場・肩書で言いたいことやりたいことができたりできなかったりもするのだろう。であればこそ、各個人が様々な意見と情報を仕入れて、各個人の思考と判断に委ね、その後の最善を尽くせば良い。孫娘さんの返答にもあるが、日本ではこの思考と判断する力が育っていないから、マスコミに流され、無関心になってしまうんだろうな。
    今もって、自分には、日本に明るい道筋はまだ見えてこない。このような本に出会い、少しでも知識を得、自分で考えて、生きていきたいね。

  • 戦争に関する本が続く。
    大概、質問する方が筆をとる場合が多い中、質問されたおじいちゃん側の視点で話が進むことが新鮮だった。
    孫娘に語りかけるように進む話はとても分かりやすく、スルスル入ってくる。

    何も前情報がなかった私は、このおじいちゃん只者じゃないなと思っているとその通りだった。
    (失礼をすみません)

    中條さんの他書もとても気になる。

    振り返ってみると、確かに近代史の記憶は薄い。
    薄すぎる。年表を追って、はい終わりという記憶しかない。これは、“近代史”というなのせいなのかと思っていたがそうではなさそうだ。

    なるほど、いじめは地域社会の結束の薄さから、平等とは個性ある子どもたちに同じ教育をすることではない。
    これから読み進めるのがとても興味深い。

  • さて、この本のレビューをどうかこうかと悩んでいましたが、巻末の解説は、渡部昇一先生とそれに加えて、「読者からの声」も掲載されている人気本である故、僕自身のレビューは無用であると思いました。
    恐らくは、保守派の人たちにとって、本書の内容については、よく理解されていることと思う。しかしながら、学校の授業等では決して学ぶことが出来ない高校生以上の方に是非読んで頂き、真実を学ぶ教本としてはどうかと思う。
    勿論、大人が読んでも、子や孫に教え伝えることが出来るだろう。
    解説の渡部先生の一節を引用させて頂いて、本書のレビューとします。

    『本書に書かれている内容は、「日本は悪い国であった」と教え込まれた戦後世代の人々にとって。初めて聞くようなことばかりだったかもしれない。私などは、これらの事実を実際にこの目で見た世代であり、その当時も、そして今も「この前の戦争は日本が一方的に悪かったのだ」とは夢にも思っていない』

     良書!お奨めします。

  • また別の角度から戦争が見える本だった。

  • 本の帯に全国からの感動の声のひとつとして「昭和の歴史がこんな平易な言葉でわかりやすく書かれた書物を私は他に知りません」とあったけれど、深く同感。

    アサヒビール名誉顧問である中條氏、一個人からの視点で書かれたものだけれど、戦争を知らない世代の私にも共感出来る部分が多い。生きた歴史の教科書だと感じました。

  • 中学、高校の歴史の授業は、浅く広く学ぶことが必要だろうけれど、「歴史=年号を暗記」との印象が強く、過去の事柄から何かを学ぶ機会には恵まれなかった。 中條さんが言うように、評価が定まっていないという理由で近現代については力点が置かれていないのは残念である。 特に、認識の違いから近隣の国と何かにつけ論争になる太平洋戦争については、それに至った経緯と避ける道を考えることが、今を生きる者にとって必要なんだと思う。中條さんありがとう。

  • 色々考えさせられた

  • もっと当時のことを勉強しようと思った。
    このままだと日本人として誇るべき精神がなくなる。賛成や反対ではなく、日本人とは何かを知ることは生きていくために大切。本書はまさにそれらの入門書である。

  • 日本が日清戦争に勝つと、アメリカは危機感を感じてカメハメハ王朝のハワイを無理やり統合してしまった。
    ソ連の進出を抑えようと朝鮮・満洲に進出する日本の行動は、中国大陸に進出したいイギリスにとっては好都合だった。だから日露戦争ではイギリスは日英同盟で力を貸した。

    ハルノート、アメリカの対日要求は、とんでもない内容だった。日本は中国大陸から軍隊を全て引き上げる、ベトナムからも撤兵する、これらの要求をすべて呑めばABCD包囲網を解くという、もう開戦待った無しの内容。

    天皇は基本的に政治性を持たないが、例外として、後醍醐天皇が親政によって権力行使しようとしたらしい。

  • 日本国の為に、誇りを持って純粋に戦い命を失った先祖を忘れてはいけない。
    日本人が必死になって国を、天皇を守ったからこそ今の平和な日本がある。

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