愛と哀しみのジャズカタログ (小学館文庫 R て- 2-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (300ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094050318

作品紹介・あらすじ

楽しみながら身につくジャズのすべて。

感想・レビュー・書評

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  • ジャズというのがとっつきにくいとかスノッブだというイメージはこの御方の功績なのでは…と思ってしまうような内容。

    引用されている五木寛之の文章が面白かった。
    <blockquote>マイナーのメロディが暗くて不健康で後ろ向きで、メジャーが健康的で前向きという考え方は一時期ヨーロッパを席巻した「近代」の発想だった。でもそれは間違っている。ヨーロッパ以前のイスラム世界はマイナー曲で革命を起こし、戦争に行った。ホメイニ師の「喜びの歌」もマイナー。基本的にマイナーのものが人を動かすことができる、エモーショナルなものをかきたてる。メジャーは明るいというのは近代の幻想である。(P.275)</blockquote>

    なるほど。メジャーというのは「発想」というより「人知の産物」なのではないか? 人は本能的にマイナーな曲調を好むのではないだろうか。
    "メジャー(MAJOR)"、"マイナー(Minor)"と名付けたヨーロッパ社会は禁欲的な宗教であるキリスト教を礎として築かれている。メジャー → 明るい、健康的というのは神に祝福されているというイメージに繋がるであろう。つまり、より禁欲的な曲調がメジャー・コードなのではないか?
    或いは他の宗教(イスラムなど)がマイナー調の曲を賛美していたので、そこに対する反発なのかもしれぬ。

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著者プロフィール

1938年2月生まれ。ジャズ批評家。元ジャズ喫茶吉祥寺Megマスター。長く日本のジャズ趣味・評論の世界で中心的潮流であったインプロヴィゼーション重視、黒人プレイヤー偏重といった方向性とは一線を画した、「聴いて心地よいジャズ、楽しいジャズ」を旗印として長く執筆活動を続ける。筋金入りのオーディオ・マニアでもあり、オーディオ関係の著作も多数。2007年からは自身のプロデュースによるレーベル「寺島レコード」をスタートさせ、現在も継続中。発売されるディスクは、ジャズのCDとしては、毎回異例の売り上げを記録している。著作は『辛口! JAZZノート』(1987年)『JAZZリクエスト・ノート』(1989年)以降数十冊、近作は、『JAZZ遺言状 辛口・甘口で選ぶ、必聴盤からリフレッシュ盤まで600枚』(2018年)、『MY・ROOM・MY・AUDIO 十人十色オーディオ部屋探訪』(2022年)。

「2024年 『JAZZ健康法入門』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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