付添い屋・六平太 姑獲鳥の巻 女医者 (小学館文庫 か 35-11)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094065541

作品紹介・あらすじ

あの付添い屋が帰ってきた! 新章開幕!

第一話 春雷
秋月六平太は付添い屋をやめ、相良道場師範代を務めていた。ある日、飛騨屋母娘と舟遊びに出たところを破落戸に絡まれ、これを撃退。だが噂を聞いた口入れ屋に「隠れて付添い屋をしていたのか」と詰め寄られる。一方、十五歳になった穏蔵は八王子から江戸に出てきたが、肌に合わず奉公先を飛び出していた。
第二話 女医者
師範代を返上した六平太へ、中条流女医者かつ枝に付添う仕事が舞い込んだ。診療の帰り、外塀に貼られた姑獲鳥の札に、かつ枝は顔色を失った。そのころ、森田座の役者、河原崎源之助が行方不明になっていた。
第三話 鬼の棋譜
妙な男が市兵衛店を窺っているらしい。気になりながらも六平太は平岡宗雨の付添いへ出向く。将棋の才能に恵まれた宗雨だったが、態度が慇懃だと世間からの評判は悪かった。
第四話 一両損
穏蔵は甚五郎親分の下で働きたいという。二人を引き合わせた六平太は、音羽での騒ぎを耳にする。灰買いの女が集めた灰の中から高価な菩薩像が出てきたのだ。持ち主を探すため、六平太は町に噂話を流す提案をする。


【編集担当からのおすすめ情報】
シリーズ35万部突破、金子成人の大人気シリーズ、待望の新章スタート!
帯コメントは若村麻由美さん。
新シリーズ『脱藩さむらい』と書き下ろし二冊同時刊行!

感想・レビュー・書評

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  • 前作から一年以上が過ぎて新たな六平太の物語が始まります。

    浅草元鳥越の市兵衛店に住まいして、立見流兵法の遣いてで、信濃国十河(そごう)藩加藤家を出て浪人となった秋月六平太(ろつぺいた)が、口入れ屋・もみじ庵からの紹介で裕福な商家の子女の芝居見物などの付添い屋を生業とする人情物語です。

    六平太の義妹・佐和は、火消しの音吉と祝言を挙げ、授かった勝太郎も三才になり可愛いです。元旅籠町の代書屋「斉賀屋(さいがや)」で働く博江は、今回は登場せず。六平太は、音羽町に戻って来た六平太の女・おりきと一緒に過ごす日々が多くなり音羽町と元鳥越の長屋を行き来している。
    そして雑司ヶ谷の作蔵の所に、八王子で養蚕を業とする豊松の所に養子に出した六平太の隠し子・穏蔵がいるのに驚く。穏蔵は、香具師の毘沙門の親方の所で働きたいと。

    【春雷】
    天保四年(1833)三月。妹の佐和にしっかりした仕事をと言われて付添い屋をやめて相良道場の師範代を務めていた六平太は、誤解であるが口入屋「もみじ庵」の忠七から裏で付添い屋をやるとはと言われて、付添い屋を再開する。

    【女医者】
    中条流の医者・久保山かつ枝は、三千石の旗本平子家の娘・小菊のお腹の子を薬で堕胎させた。その三日後に小菊は、病死した。それからかつ枝は、後を付けられたりと身の危険を感じる。そこで六平太に付添いを頼む。六平太が調べてみると、平子家の家臣・佐川慶次郎が、嫉妬から小菊に毒を盛り、殺した自責の念から小菊と付き合いのあった男を襲い。そして、堕胎させた医者を恨んだ。

    【鬼の棋譜】
    当代最強の将棋指し平岡宗雨は、段位は七段どまりで、けっして名人にはなれない宿命を背負っている。将棋の世界には、三名家といわれる、大橋家、伊藤家、大橋分家がある。その三家を中心に回り、その血筋しか名人位には昇れない決まりごとがあった。六平太は、宗雨の付添いを頼まれて一緒に居ると、傲慢な宗雨が嫌いになる。

    【一両損】
    かまどの灰を買うことを生業としているお国は、買ってきた灰の中から金の仏像を見つける。質屋で見てもらうと20両はすると。質屋「加賀屋」の主人・市太郎は、仏像をお金に換えようとして、あやまってかまどの中に隠した所に灰買のお国がきて持って行ってしまった。そこでお国の息子・公吉を拐して仏像を手に入れようとしたが……捕縛された。

    【読後】
    この所、続けて六平太シリーズを読んでいます。このシリーズは、読みやすく、テンポがよく、金子成人さんの江戸の町の描写が分かりやすく、ついつい読んでいます(*^_^*)
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    姑獲鳥(うぶめ)の巻 女医者 ― 付添い屋・六平太シリーズの11作目
    2018.09発行。字の大きさは…小。2022.08.19~23読了。★★★☆☆
    春雷、女医者、鬼の棋譜、一両損、の連載短編4話。
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  • 1巻から11巻まで、ずっと読んでいるが、安定の読ませぶり。付添い稼業に絡んで様々な事件が起こる。それを腕と度胸と人とのつながりで解決していく。本人をめぐる事件も起こる。なんていうか、ちょっと出来のいいテレビ時代劇って感じかな。字も大きくてすらすら読める。こういう小説も貴重だと思う。

  •  金子成人「女医者」、付添い屋六平太シリーズ№11、2018.9発行。第4部の始まりは、春雷、女医者、鬼の棋譜、一両損の4話。おりきは音羽に帰り、六平太とは以前のような関係に復帰。博江は今回は登場なし。六平太の息子穏蔵は甚五郎の元で働くことに。菊次と八重のぎくしゃく関係は、八重が謝ってとりあえずは落着。おりきなのか博江なのかは、まだ釈然としません。

  • おりきも音羽に帰り、元の生活に戻った。
    道場主が骨折し、一年あまり六平太は、師範代をしてきたが、潮干狩りで、ゴロツキと騒ぎを起こしたことがきっかけで、口入れ屋が文句を言ってきた。
    佐和が、口入れ屋の苦情も、もっともだと言い、またしても付き添い屋に。

    中条流の女医師の付き添い、天才的な将棋棋士の付き添い、など再び呑気な暮らしが戻る。

  • ちょっとしたことで怨みを買うものね。

  • 95

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著者プロフィール

一九四九年長崎県生まれ。会社勤めのかたわら倉本聰に師事し、七二年「おはよう」で脚本家デビュー。九七年、第十六回向田邦子賞を受賞。「鬼平犯科帳 」「剣客商売」「御家人斬九郎」「水戸黄門」など脚本作品多数。著書に「追われもの」「付添い屋・六平太」「ごんげん長屋つれづれ帖」「かぎ縄おりん」などの各シリーズがある。

「2023年 『小梅のとっちめ灸(三)針売りの女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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