反時計回りのシャーロック (小学館文庫 Cな 1-3 キャラブン!)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (240ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094066173

作品紹介・あらすじ

不思議な扉の先で出会ったのは青年ホームズ

東京の名門・英王学院高等部一年生の塔野仁は、父親の会社が倒産したことで突然、極貧状態に。生活費を稼ぐためのアルバイトに明け暮れた夏休みが終わり、久しぶりに登校する仁の激変ぶりに、お坊ちゃま揃いの級友たちは戸惑いを隠せない。そんな彼らのクラスに転校生がやってきた。彼、神木律は芸能界を引退し、もう一度、高一からやり直そうとしている二歳年上の元・人気俳優。全部リセットしようとする律に、仁は自分の境遇を重ねて共感を抱く。
そんなある日、学校のはずれにある古い図書館にやってきた仁と律は、西日に照らされた特別書庫の扉が不思議な輝きを放っていることに気付く。誘われるように扉をくぐった仁と律が目にしたのは……なぜかヴィクトリア朝のロンドン!? 混乱する二人の前に現れたのは、諮問探偵(コンサルティング・ディテクティブ)を生業とする青年シャーロック・ホームズ。ミステリー小説の登場人物が実在していることに驚く二人は、やがて好奇心旺盛なシャーロックとともに、事件に巻き込まれることに――。
時空も現実も超えてシャーロック・ホームズと出会った男子高校生たちの、スリリングな冒険が始まる!!

感想・レビュー・書評

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  • 超富裕層の御曹司・仁は、成績優秀で性格も温厚であるから高校では学年代表で皆のまとめ役であったけれど、父親の会社は不祥事から倒産し、両親は離婚。母親のとんでもないカミングアウトに嫌気がさして家を飛び出し、節約の為に事故物件に住んで休みの日は一日中肉体労働で金を稼ぐという事態に。一方、律は母親の医療費の為に好きでもない俳優業を続けていたものの、結局母親を病気で亡くし、働く意義を失って芸能界から引退して高校生に戻ったが無気力な日々を送っている。
    どちらも特殊な立場の少年で、登場した当初は随分と大人びた描写の二人でしたが、タイムトラベルしてシャーロック・ホームズに出会うという超常現象によって感情がかなり揺さぶられてキャラが崩壊しだすのが面白かったです。16歳の少年らしくなったというか、年相応の反応で微笑ましくなったというか。いきなりキャラ変しだしたので、少し驚きましたが。

    律が家族にこだわり、祖母の事が何もわからないと繰り返し言っていたことから、ロンドン滞在中にそれに繋がる進展があるだろうことはすぐに予想できましたが、仁の方にもルーツに関わる設定があったのは、都合がよすぎる展開かな、と思います。まぁ、そういう二人だからこそ、縁があってタイムトラベルしたということでもあるのでしょうが。

    事件の解決方法は、あれで何とかなるのでしょうかね。現代から身につけていた時計は、約140年の時間経過を感じられる傷やら劣化があるという描写だったわけで、つまりその後持ち込んだ富嶽三十六景も、同様に140年の時間経過があるわけで…本物には違いないけど、何か三枚だけ古びてる、ということにならないのかしら。

    タイムトラベルしてしまった理由が、タイムリンクの石がつけられた扉のせいだとなると、今後もまた行ったり着たりと、話が続くのかな?
    そうなると、次はワトソン医師が登場するのかしら…。

  • 名門私立高校に通う、大企業の御曹司・仁。夏休み、父の会社は倒産、両親の離婚、仁はバイトをしながら1人で生き抜く選択をする。新学期に現れた転校生、引退した人気俳優の律もまた、母を亡くし絶望していた。2人は放課後の図書館から、19世紀のロンドンにタイムスリップする。出会った若きホームズとともに浮世絵をめぐる事件を解決し、それぞれ貴重な体験を通して大切な事に気付く、といった単純なストーリーではあるけど、2人が自ら切り離してしまった大切な家族の絆を取り戻すところはお約束とはいえ良かったかな。

  • 悪人が出てこなく、サラリと読めました。

  • 軽ーく読めてそれなりに面白かった。

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