派遣社員あすみの家計簿 (小学館文庫 C あ 5-1 キャラブン!)
- 小学館 (2019年11月6日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (295ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094067194
作品紹介・あらすじ
家計簿をつけながら、生活も恋も立て直し!
「結婚したら専業主婦になって、ぼくの収入は好きに使っていいよ」――飲食店の社長だと自称していた恋人の理空也に騙され、正社員として勤めていた会社を“寿退社”してしまった藤本あすみ、28歳。理空也は姿を消し、残ったのは二人で贅沢したぶんの高額なカードの支払いだった。通帳の残高は428円。ピンチに陥ったあすみは親友の仁子に説教され、家計簿をつけることに。
とりあえず派遣会社に登録したものの、なかなか仕事は決まらない。シャンプー配りや絵画展の監視員、倉庫整理の日雇いと必死の節約で食いつなぎ、日雇い仲間のミルキーやシングルマザーの深谷、仁子に支えられながら、ようやく派遣先が決定する。そんな中、あすみは合コンで出会ったイケメン商社マンの八城からアプローチを受けるが、いまだ理空也への思いを断ち切れずにいて……
家計簿とにらめっこしながら、自分を甘やかしてばかりいたルーズな生活を立て直し始めたあすみ。人生に迷子中のアラサー女子の、仕事と恋の行方は!?
『これは経費で落ちません! ~経理部の森若さん~』シリーズが大人気の著者による新シリーズ!
【編集担当からのおすすめ情報】
食費を抑えるには、キャベツともやしと卵。
カップラーメンは買わずに、インスタントラーメン。
給料日前のピンチを乗り切る、節約の掟も満載です。
感想・レビュー・書評
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正社員で寿退社した主人公あすみが婚約破棄され、一文無しになったところから、節約をしバイトを始め、派遣社員として人生をやり直していく物語。
この著者の作品は、これは経費で落ちませんに続き2作品目。
私も派遣社員だった時代があり、共感出来る点もあって性別は違えど、面白くてサクサク読めた。
人間、どん底まで落ちて初めて気付くこと、見えてくることがある。
そんな時に、傍にいて気にかけてくれる人こそ、大切な人。
私も有難いことに、生活が苦しい時代に、精神的に助けられてきた経験があり、ふと当時のことを思い出したりして。
少しずつ成長していく主人公と最後のオチまで、ほっこり楽しめる良作だった。 -
ミルキーの優しさが胸に染み入る。自分も苦しいだろうに、それでも自然と人に優しくできる彼女には幸せになって欲しい。
それにしても理空也には心底腹が立つ。 -
飲食店のオーナーだと自称していた恋人の理空也に騙され、うっかり優良企業を"寿退社"してしまった28歳女子の藤本あすみ。『これは経費で落ちません! 』の森若さんとは異なるタイプで当初は戸惑ったが、読み進む内にいつの間にか好きになってしまった。理空也は終盤部で再登場、悪い男ではないが夢見るダメ男だった。忽然と姿を消し、彼女に残したのは2人でさんざん贅沢したカードの請求と家賃の引き落とし、銀行預金残高はたったの428円也。シャンプー配りや絵画展の監視員、倉庫整理の日雇いと必死の節約で食いつなぐ内に、日雇い仲間のミルキーやシングルマザーの深谷を知る。親友の仁子も頼もしいが、日雇い仲間たちが素敵に描かれている。あすみが彼女らを描写する場面に、仁子を含め今までの同僚仲間は本当に困った時に立入るのを遠慮してか、入って来ないんだよね。ところがミルキーや深谷はぐいぐい入って来ておせっかいを焼くというような文章があった。分かるなぁ~、私もわざと入り込まずに様子を伺う時が多い。友人からSOSを出されて初めて動く。友人らとそういう距離感をお互いに保っているけれど、寂しく感じることもあるもの。
自立は経済的な独立があってこそ成立するものだと突っ走ったのを若気の至りと思っていたが、あすみを見ている内に、そうとも言い切れないかもと考え直している。
自立するにはまず自ら稼いで生活を立てることと意気込んでいた若い頃。結婚してからも仕事を続けるつもりが、保育園に預けた子供が次々と病気に罹り、子供の健康を壊してまで自分の主義を貫くのは我がままなのかと感じて模索している中に、自分が大病を患い敢え無く挫折した苦い過去。
月々にもらう年金額は夫に比べかなり低いがやはり嬉しいという実感があるのだ。 -
ともすると、自分もあすみと同じ運命をたどっていたかもしれない。それくらい「結婚」「寿退社」に憧れていた。
結婚を目前に仕事を辞めた主人公。退職日に自宅に帰ると、いるはずのパートナー(となるはずの人)がいない!?友だちの仁子に相談するもすげなく返され、さて、来月のクレジットカードの支払いはどうなるのだろう。そして理空也はいずこに?!
最後のバーでの出来事は、さすがにあすみに同情した。これで晴れて八城と付き合えるようになったのはよかったかな。 -
節約の話。
意外と 好きなんですよね。
経落ちの作者の作品。
すごく楽しみに 読みました。
期待を 裏切られませんでした。
もう少し 青木ワールドに 付き合ってみます。 -
サラサラ読めて、お金の使い方を省みることができる小説でした。もう少し貧乏生活の描写が細かくあれば良かったですが、それではテンポが悪くなるので難しいのかなと感じました。私にとって特別響くような表現やシーンはありませんでしたが、気軽に読めて良い本だと思います。
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初っ端のダメ男・ダメ女っぷりにうわ〜〜〜〜〜となりつつも、立ち上がっていくあすみの姿にぐいぐい読めました。
お金の切れ目は縁の切れ目というけど、大事なのは全部切れちゃったあとにどうするか。本書に出てくるのはお金がなくても助けて支えてくれる優しい女性たちばかりで「現実はそんな甘くないよな〜」とは思う。でも、あすみのようなへこたれない精神を持てば見ててくれる人はいるのかも、と考えるほどに前向きにさせてくれました。
そしてサラッと描かれてるけど、元カレのサイコっぽさも際立ってる。ちょっとゾッとしたいけど全体的には元気になる本を読みたい方(どんな人や)にオススメです。 -
「これは経費で落ちません」が好評な作家さんの新作。
「これは経費で落ちません」は3作目ぐらいで、ドロップアウトしてしまったが、「派遣社員」「家計簿」の言葉に惹かれ、即買い。
28歳のあすみは、結婚を機に働いていた大手商事を辞め、結婚する予定の相手と同棲をするべく、都心から離れた家賃92,000円の部屋に引っ越し、家電や家具などを相手に言われるがまま、自分のカードで支払う。
しかし、ある日突然、相手が失踪し、無職のあすみは多額のカードの支払い、高額な家賃の支払いに追われる。
序盤はお気楽なあすみにかなりイライラさせられる。
節約をしなければいけないのに、「これは必要経費」と必要な買い物をやめることが出来ない。
しかし、すぐに決まると思っていた派遣の仕事も決まらず、日雇いの仕事をするうちに、人間関係が薄いと思っていた中で愛想のないミルキーや、世話好きの深谷と出会うことで、あすみの中の意識が徐々に変わってくる。
自分も同じ経験をして来ただけに、あすみに対して「甘い!」と思うこともしばしばだけど、自分でも自分のお金の使い方を考えなければ、と思わせてくれた作品。
森若さんはちゃらちゃらした周囲を正してきたけど、今作は主人公が周囲に支えられて、正しい道に進んでいくと言う、また別の楽しみ方が出来る。
ライトなタッチだけど、実は結構人生において、重要なことも描かれている、いろんな人に読んでもらいたい作品。 -
ちゃんと家計簿つけて節約しようという感想でした。反面教師的な。
最初はあすみのことを愚かだなぁと思ってたけど、生活費のためとはいえ、日雇いの仕事をやったり自炊をして弁当を作ったりを続けるなど、どうにかカードの支払いを間に合わせようとするもがきの底力には感心した。わたしなら諦めてそうだから。
自分が何に支出してるか把握できてなかった頃はあすみのような買い物してたなぁ。と思い出された。
ちゃんと家計簿つけて自分の収支を把握することで、不要な物を買わなくなるし、断捨離も進むし、自分にとって何が大事かわかってくる。
早速、図書館へ予約しました。ありがと...
早速、図書館へ予約しました。ありがとうございました!
コメントありがとうございます。
本作品も、読み応えありでした。
是非、ご一読ください!
コメントありがとうございます。
本作品も、読み応えありでした。
是非、ご一読ください!