桜の花守 桜春国の鬼官吏は主上を愛でたい (小学館文庫 C か 1-2 キャラブン!)

著者 :
  • 小学館
3.40
  • (1)
  • (0)
  • (4)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 26
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094068757

作品紹介・あらすじ

拾われた鬼の子は、恩ある姫の親衛隊に!?

世界は五国に分かれていた。それぞれの国には龍神が灯したと言われる「はじまりの火」が灯されており、それを絶やさず守ることが各国の王族の努めとされている。さて、東の地にある桜春国の王族には、代々女しか生まれない。その桜春国の女王を母をもつ白妙姫は幼いある日、難民の生き残りで、全身ぼろぼろになって倒れていた鬼の少年・樒を拾った。鬼は龍神の末裔といわれていて、頭に生えるのは龍の角とも考えられる「人とは異なる者」たちだ。本来とても誇り高い一族で、人間を見下す鬼も多いとされているが、磨いてみれば樒は美しい白鬼で、これを気に入った白妙は、樒を「しぃ」と呼び、そばに置くことを決めるのだった。
やがて成長した樒は、王個人に仕える官吏「花守」の一員になることを望むが、当代の女王・吉乃が、自らの命を薪のようにくべて、内裏に流行した特殊な病によって消えかけていた「はじまりの火」を復活させたことを知り、代々の王が火の生け贄となるために存在している事実を知ってしまう。樒は花守として、全力で白妙を守ろうと心に決めるが……。
主従の愛にきゅんとする、ネオ和風ファンタジー!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 国難の際には自らの体を「はじまりの火」にくべることで国を救うという王。
    事実、白妙の母はそうやって命を落とした。
    冒頭はそんな重い話から始まるのに、樒はどうしてああなった。
    カラフルな手燭はあれかな、サイリウムかな。
    主上の絵姿をあれだけ集めている姿は、アイドルオタクさんと何ら変わりなく。
    あれで成績トップだったんだよ、彼は。
    もう一度言おう。
    どうしてこうなった。

    樒の残念っぷりと同僚の性別逆転ぶりが非常に楽しい作品。
    粗筋からこんなコメディ調は想像していなかった。
    白妙も王としては破天荒だし。
    (でもいい王様だ)
    同年代の子たちが和気藹々としながら協力し合い、そして主上ラブすぎて残念がすぎる樒にツッコミを入れながら様々な問題を解決していくのは、学園ものを見ているかのような楽しさがあって、こちらも読んでいて心が弾んだ。
    みんないい子たちなんだよ。
    それでいて、ちゃんと有能なんだよ。
    性格はみんなそれぞれ難ありだけど。

    樒の身の上が存外早く分かったことにも驚いたり、各国の王もまた破天荒揃いで笑ったり、いざという時は前述通り命を投げ出さないといけない王様を描いているのに、重くなりすぎていない。
    寧ろテンポよく楽しい作品というのは稀有な魅力だと思う。
    また樒のあの残念っぷりにツッコミを入れつつ楽しみたいので、続きを待ちたい所存。
    まだ主従関係から抜け出していない二人だけど、最後に少し伏線も出てきたし、恋愛面に発展するのかも期待したい。
    そしてますます残念になってほしい樒くんである。
    (もう少し言い方はないものか)

  • 設定はそれなりに重い部分もあるけど、出てくる人達がとことん温かくていいやつばかりなので穏やかに読めた。

全2件中 1 - 2件を表示

片瀬由良の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×