噤みの家 (小学館文庫)

  • 小学館
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感想 : 9
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  • Amazon.co.jp ・本 (576ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094068849

作品紹介・あらすじ

米国で圧倒的人気の女刑事シリーズ最新作! ある夜、ボストンの住宅街に響いた銃声。警察が駆けつけると、部屋には頭を撃ち抜かれた男の遺体と12発の弾丸を受けたコンピュータ、そして銃を手にした男の妻がいた。殺人容疑で逮捕された妊娠中の妻イーヴィは容疑を否定するが、彼女は16年前の16歳の時に、父親を誤って射殺してしまった過去があり、当時彼女を取り調べたボストン市警部長刑事のD・D・ウォレンは早速この事件の捜査に乗り出した。一方、6年前に472日間にわたる誘拐・監禁から生還者した女性フローラは、事件を知り愕然とする。彼女はかつてジェイコブに連れられて行ったバーで、一度だけ被害者の男に会っていたのだった――傑作『棺の女』『完璧な家族』の続編にして、A・J・フィン、デイヴィッド・バルダッチらベストセラー作家たちが大絶賛したベストセラー・シリーズの最高傑作がついに登場!

感想・レビュー・書評

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  • リサ・ガードナー『噤みの家』小学館文庫。

    『棺の女』、『完璧な家族』の続編。今回はボストン市警の豪腕女部長刑事D・D・ウォレンと472日間にわたる壮絶な監禁・暴行事件から生還した女性フローラ・デインの二人の女性に疑惑の女性イーヴィを加えて、冒頭から驚愕の物語が描かれる。

    しかし、この後にもっと大きな展開があるのではと期待したのだが、驚愕したのは冒頭だけで、延々と平坦な展開と警察にとってはお間抜けな事実ばかりが描かれる。事件の真相も余りに偶然が重なり過ぎた上に普通だった。

    ある夜、ボストンの住宅街に銃声が響きわたり、警察が駆け付けると部屋に頭を撃ち抜かれた男性の遺体と12発の銃弾を浴びたコンピューター、銃を手にして茫然とする男性の妻のイーヴィが発見される。

    殺人容疑で緊急逮捕された妊娠中の妻イーヴィは容疑を否定するが、彼女は16年前の16歳の時に父親を誤って射殺してしまった過去があり、当時彼女を取り調べたボストン市警部長刑事のD・D・ウォレンはこの事件の捜査に乗り出す。

    そんな中、ウォレンにフローラ・デインが接触し、かつてフローラを監禁していたジェイコブ・ネスと亡くなった男性と、とある場所のバーで会ったことがあると伝える。

    亡くなった男性、コンラッド・カーターとは一体どんな人物だったのか……妻のイーヴィが本当に彼を銃殺したのか……

    本体価格1,220円
    ★★★

  • シリーズ四作目、物語中盤までは勢いが少し失速したような?と思っていたが終盤にかけて引き込まれた。相変わらずの筆力が見事。

    トラウマを抱えた人特有の沢山のIFの回想に胸が痛む。あの時フローラがコンラッドについていっていればはやく救出されていたかもしれないのに…けどフローラの強い生存本能がそうさせなかった。過ぎてしまったことはどうしようもない。本当はどうしようもなくないんだけど、変えられないのでそう認識するしかない。

    イーヴィのキャラクターが少し薄いかな?強い母親に抑えつけられて育ったからなのかも。一筋縄ではいかない母親のラストの行動は娘への愛というよりドラマクイーンの人生としては最高の結末なんじゃないか…。

    フローラ母親の愛情、D・Dのフローラへの目線なども母性の神格化というより本来子を持つという事は他者である子供に対して絶対的な責任を担う、有事の際は代償を払うべきという事なのかもしれない。それがいまいちしっくりこない自分の、日本という幼稚な国で生きる自分の未熟さなのだろうなと。

  • フローラのシリーズだった。読んでいるうちに思い出しつつだったけど、面白かった。

  • 相変わらず面白いなあのウォレン刑事部長4作目。今まで読み飛ばしていたのか、白人だったことには今作でようやく気付いた。
    もう二度と読み返したくない(振り返りたくない)「棺の女」時代のエピソードが戻ってきたのにはデインならずも嫌な気分にさせられた。必要なことではあったのだが。
    弁護士の独白にはまんまと同情してしまい、不幸にならずに終わってほしいなあと思っていたらあの有様。まんまとひっかけられた。そしてうわ毒母(?)つよい。
    しかし現代が「NEVER TELL」だったのを知ると、訳題はちょっと凝りすぎではないだろうかとも思う。

  • もういいかな

  • 発端、展開とも良いが真相が…
    火付けなんてさせなければとしか思えない。

  • イーヴィーは、夫コンラッドを射殺したのではなく、パソコンを撃っただけだと供述。フローラは自分を監禁していた男ジェイコブ・ネスが、コンラッドに会っていたことを思い出した。そして、イーヴィーは16年前に父親を射殺していた。

    第3作「完璧な家族」は途中でギブアップしたのに、なぜか第4作はすらすらと読めた。被害者の内面が延々と続くのは苦手なのかも。

    なぜパソコンを撃ったのか、夫は本当はどういう人なのか、段々と分かる真相は、すごく頷けるものだった。

  • いきなり新刊の出るペースが上がって、非常に嬉しい。

    ペースは上がったが、読むのはじっくりいった。

    さっさと読み終えてしまってはもったいないだろう。
    こんなに面白いのに!
    その大事な最新作の読み方は、
    『つぐみのいえ』
    という。
    『つぐみのいえ』

    さて、読みはじめて、落ち込んだ。
    この話の主人公イーヴィが帰宅するのだが、
    夫婦仲がうまくいっていないのだ。
    夫婦仲は大事だ。
    これがよければ、たいていのことはなんとかなる。
    イーヴィと夫は、かつては素晴らしく仲のよい夫婦だった。
    だからいっそう痛ましい。
    これからイーヴィには、数々の不幸と災難と謎が降りかかる、沸いてくる。

    いっぽう、シリーズの主人公、我らがD・D・ウォレンは、幸せそうである。
    前巻から家族となった犬キコが、D・Dお気に入りのブーツを確保して、楽しげにかじってはいるけれども。
    しかし、夫アレックス、息子ジャックがいっしょならば、きっと解決することができる。

    「だから靴はクローゼットに入れるように言ったじゃないか」 (19頁)

    息切れする夫から、もっともな叱責をうけはしても、ブーツは取り戻せたし、おおむね無事だった。
    夫婦仲と家族仲がよければ、たいていのことはうまくいく。

    シリーズの重要な人物フローラは、動揺していた。
    自分が誘拐されていた時、今回の事件の被害者に会ったことがあるのを思い出したのだ。
    誘拐犯と親しげに話していた・・・・・・。

    つまり、今回の事件はイーヴィの事件であり、フローラの事件である。
    じゃあ、その『棺の女』とやらを読んでいなきゃだめ?
    いや、だめというほどでもない。
    フローラが生き残った事件については、この『噤みの家』にも詳しく書いてある。
    だが、しかし――これを読み終えた後、きっと読みたくなるだろうから、用意しておくのはとてもよいと思う。

    さて、幸せで有能なワーカーホリッカーD・Dは、今回楽しんでいる。
    事件が混乱していればいるほど、嬉しくてたまらない。
    今の事件がひとつ、過去の事件が二つ、

    「クリスマスがひと足早く来たみたい」(413頁)

    実はこの物語は、クリスマス・ストーリーでもある。
    クリスチャンが大好きな、”よいことがある”ストーリーだ。

    今回、フローラの人生に重要なことがある。
    まずは、テッド・バンディに似た男性との出会い。
    そして、母親との関係の変化。
    読み終える時、「よかったねえ!」と、思いがけず涙ぐんでしまった。
    読み始めからしたら信じられないが、途中からしても嘘のようだが、たいへんによい話だった。

    次巻にイーヴィは出てくるだろうか?
    過去の事件に新たな見方が加わって、さらなることが明らかにされるだろうか?
    このままのペースで次以降がでてくれると、たいへんに嬉しい。
    心待ちにしている。

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