置き去りのふたり (小学館文庫 す 17-1)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 239
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094070545

作品紹介・あらすじ

大好きだった彼が死んだ――心中だった

みちかと太一が大学で出会った空人は、明るく誰からも好かれる人気者だった。二人は空人に密かに恋心を抱いていた。しかし、卒業から一年後。空人が死んだ。心中だった。

さらに空人の胃からは心中相手の小指が発見され、事件はマスコミにも大きく取り上げられた。空人の死がセンセーショナルに伝えられる一方、空人に想いをよせていた太一とみちかは、あまりに現実感のない事態を前にし、彼の死を受け入れられず葬儀でも涙一つ流せないでいた。

ところが、そんな二人のもとに一通の手紙が届いたことで状況は一変する。手紙には空人の字で「俺はふたりをいつまでも恨んでいるよ」と書かれていて――。

最愛の人の突然すぎる死と、悲しすぎるメッセージ。彼はなぜ、死を選んだのか。置き去りにされた二人が巡る、喪失と再生の物語。

感想・レビュー・書評

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  • ハードな雰囲気で、でも出てくる人みんな嫌いになれない小説と、ソフトな雰囲気なんだけど、出てくる人に苦手な人が多い小説とありますが……これは後者。
    まぁ、みんないろいろ事情はあるんでしょうけど……主要人物の一人が、どうしても途中からキライになってしまって、なんだかモヤモヤとしたまま読み続けることになってしまった。
    さわやかな青春小説風(文庫カバーのイラストも……)なんだけど、私にとってはイヤミスに近いものがあるというか。

    やっぱり、人は誰かを、自分の信じたいようにしか見られない生きものなのかなぁと思う。
    「絶対的ないい人」も「単なる悪人」も存在しないのだ。
    そしてそれに「被害者」「加害者」という要素が加わると、表立って非難しづらくなったりして……現実世界でもそう。
    そんなこんなで、文章は結構上手でしたが、あまり私好みの読後感ではありませんでした。

  • 残されたふたりの虚無感や後悔、親友なのにその人の事を何も知らなかったという絶望。
    さらには「恨んでいる」なんて言われたら辛すぎる。
    (この言葉の意味は終盤で明かされるけど)
    空人のいない現実でもがくふたりが切ない。

    んだけど、この空人に1ミリも好感が持てない…
    人には綺麗な面だけじゃなくて弱い部分も醜い部分もあるよね、では済まないレベルの事をしていて。
    太一とみちかは空人の裏の顔を知っても尚好きなようだけど、全く共感出来ず冷めた気持ちで見てしまった…
    恋は盲目ってやつなのかな、うーん。

    それでも空人の最後の地を訪れた時のふたりのやり取りはウルっときた。

  • 【2023年39冊目】
    親友が死んだ、私達を恨んでいるという言葉を残してーー。

    実際に親友だと思っていた人が突如自殺して、なおかつ自分に対して「恨んでいた」などという遺書まで残していたらどういう気持ちになるのだろう……と思いつつ、一体どんな真実が隠されているのか気になり、一気に読了しました。

    人の心情を書いた作品が好きなので、この作品もとても良かった。仮面家族で育った空人も仮面を被って、いい人間でいようとしていて、でも恋人もまた、自分だけを見ているという仮面を被って不貞を働いていたという事実……。

    突然愛していた人を失った二人が賢明に前をむこうと藻掻く姿も美しかった。あまり期待せずに読みましたが良作でした。

  • うーーん。

    気になって手に取ってみたはずなんだけど、
    期待してたほどではなかったかも。。


    どうして恨んでるのか、その答えが、私が読解力ないせいかもしれないけど、よく分からなかった。
    読書最近始めた私にはちょっと恨んでる理由が難しかったです。


    なんか、一気読みできる物語ではなかったなぁ。

  • 途中まで引き込まれるように読み進めていったけど、ラストはなんだかしっくりこず...
    深みがありそうで、浅く感じてしまう。。。

    う~ん、何がしっくり来ないのだろう。。。

  • 今見えているものは全てではない
    人に見せているものも
    自分が自分だと
    知っているものは
    全てではない
    見たいものを見ている
    見せたいものを見せている
    信じている部分だけ
    信じていない部分だけ
    何を見せるのか
    見せたい部分だけ見せようとしていたのに
    いなくなってしまうと
    暴かれてしまうのか
    暴かれたい
    暴かれたい人は誰もいないのかもしれない、
    その先は?
    恐ろしさ
    ここにいるのは
    誰?

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