付添い屋・六平太 河童の巻 噛みつき娘 (小学館文庫 J か 1-21 小学館時代小説文庫)

著者 :
  • 小学館
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094071023

作品紹介・あらすじ

正義の剣と溢れる人情、王道時代劇最新作!

色っぽいなぁ! 江戸の人情の機微と六平太の色気。酔いしれます。
――女優・市毛良枝
●第一話 深川うらみ節
天保四年秋、材木商の娘らが徒党を組む「いかず連」に付添うことになった六平太。その会食の席に酔った若侍が乗り込み、狼藉を働く。残された脇差から侍は旗本の次男・永井丹二郎と知れた。意趣返しを警戒した六平太は丹二郎に接触する。
●第二話 付添い料・四十八文
『市兵衛店』に付添い仲間の平尾伝八夫妻が越してきた。さらに妹の佐和とその子らが六平太宅に居候することに。そんなある日、桶川への付添いの依頼が舞い込む。依頼主は奉公人で全財産はわずか四十八文。成り行きで引き受けるが……。
●第三話 噛みつき娘
相良道場での稽古後、穏蔵の養父・豊松が死亡したとの知らせが入る。養家を継ぐのか、江戸に残るのか、穏蔵の将来を皆が心配する中、自分が実の父であることを隠しながら、六平太は厳しい言葉を突き付ける。
●第四話 闇討ち
六平太の剣の腕を買い、丹二郎は自身の道場に招こうと躍起になっている。そんな頃、平尾伝八が剣術稽古を始めたことを知った六平太は、祝儀として付添い仕事を譲ることに。しかしその翌日、伝八が何者かに斬られているのが見つかった。


【編集担当からのおすすめ情報】
ドラマ「鬼平犯科帳」「剣客商売」「水戸黄門」「御家人斬九郎」「真田太平記」の
伝説的脚本家が贈る、日本一の人情王道時代劇!

感想・レビュー・書評

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  • 江戸は浅草元鳥越の市兵衛店に住まいして、立見流兵法の遣いてで、信濃国十河(そごう)藩加藤家を出て浪人となった秋月六平太(ろつぺいた)が、口入れ屋「もみじ庵」からの紹介で裕福な商家の子女の芝居見物などの付添い屋を生業とする人情物語です。

    浅草十番組「ち」組の纏持ちの音吉が、浅草十番組の火消しとお茶の水の常火消との喧嘩騒ぎの仲裁役の一人となったことで。音吉は、妻の佐和にとばっちりがくるのを心配して、佐和と子供二人を六平太の所に避難させた。

    六平太の隠し子の穏蔵は、養い親である八王子で養蚕を営む豊松が事故で亡くなったことで、自分の将来を決める岐路に立たされた。六平太は、八王子に行き豊松の妻すがと話し合う。すがは、穏蔵を八王子に縛り付けることはしないと…。穏蔵は、「寿屋」の主八郎兵衛に娘美鈴の婿にと望まれて、寿屋に入って、いちから商売を覚える覚悟をする。

    【読後】
    読んでいると、15冊目(2021.12.07発行)で終わりにするように感じるが、一年半後の今月に16冊目(2023.04.06発行)が出ているので著者はどんな思いでこの本を書いたのか…と思った。テンポがよく、読みやすいです。
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    河童の巻 噛みつき娘 付添い屋・六平太シリーズ15作目
    2021.12発行。字の大きさは…小。2023.04.17~18読了。★★★☆☆
    深川うらみ節、付添い料・四十八文、噛みつき娘、闇討ち、の連載短編4話。
    図書館から借りてくる2023.03.22
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    《付添い屋・六平太シリーズ一覧》
    15.噛みつき娘  2023.04.18読了
    14.祟られ女   2022.12.24読了
    13.願掛け女   2022.12.03読了
    12.逢引き娘   2022.09.02読了
    11.女医者    2022.08.23読了
    10.おりき    2022.08.19読了
    09.嘘つき女   2022.08.17読了
    08.評判娘    2022.08.02読了
    07.強つく女   2022.08.01読了
    06.恋娘     2022.07.31読了
    05.駆込み女   2020.09.22読了
    04.箱入り娘   2020.09.15読了
    03.安囲いの女  2020.09.14読了
    02.あやかし娘  2020.09.13読了
    01.留め女    2020.09.13読了
    「参考」
    ※参考は、私のメモ書きです。本の感想ではありません。
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    六平太の義妹・佐和は、火消しの音吉と祝言を挙げ、授かった勝太郎も音吉の先妻の子である姉のおきみちゃんと一緒に外へ出て行くようになりました。六平太は、音羽町に戻って来た情婦のおりきと一緒に過ごす日々が多くなり音羽町と元鳥越の長屋を行き来しています。六平太の隠し子、穏蔵が香具師の毘沙門の親方の所で真面目に人のために働くのを聞いて喜びが湧いてきます。
    ←第十四話感想より抜粋。

  • シリーズ15作目。前作で打止めと思ったが、1年以上間が開いて発売された。
    今作では大身旗本の不良次男坊が、取巻きを引き連れての狼藉を六平太が懲らしめる定番のパターン。と思いきや珍しいパターン。六平太の強さや生き方に惹かれた次男坊が六平太のストカーとなり、最後は自分のところで剣術指南を申出る。これが現在の師範の恨みを買い、友人に迷惑を掛ける。
    自分の息子の養父の死亡もあり、息子の将来を一緒に考えて、養親の元へ一人で向かう。息子にも父親と名乗っていないので、非常にぎこちないやりとり。離れて暮らす女性との間もあまり進展せず、全体にモヤモヤしたような感じ。

  • 145

  •  金子成人さんの「付添い屋六平太シリーズ」、絶好調です。大満足でした。テンポも展開も内容も。「噛みつき娘」、シリーズ№15、2021.12発行。深川うらみ節、付き添い料・四十八文、噛みつき娘、闇討ち の連作4話。一気に読了、次巻が待ちどおしいです!

  • 身代わりになって斬られたら、そりゃあ後味悪いですよね。

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著者プロフィール

一九四九年長崎県生まれ。会社勤めのかたわら倉本聰に師事し、七二年「おはよう」で脚本家デビュー。九七年、第十六回向田邦子賞を受賞。「鬼平犯科帳 」「剣客商売」「御家人斬九郎」「水戸黄門」など脚本作品多数。著書に「追われもの」「付添い屋・六平太」「ごんげん長屋つれづれ帖」「かぎ縄おりん」などの各シリーズがある。

「2023年 『小梅のとっちめ灸(三)針売りの女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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