付添い屋・六平太 犬神の巻 髪切り女 (小学館文庫 Jか 01-23)

著者 :
  • 小学館
3.33
  • (0)
  • (3)
  • (6)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 34
感想 : 5
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094072389

作品紹介・あらすじ

伝説の時代劇脚本家が贈る円熟の第16弾! ●第一話 日雇い浪人天保四年の冬、笹郷藩主の登城の列に加わるため、若党に扮していた六平太。乗り物とともに御成街道を進んでいると、不意に幾つかの黒い影が飛び出し、行列を襲いはじめた。立ちはだかった六平太に、曲者は引き上げていったものの……。●第二話 髪切り女品川で娘が髪を切られる事件が起きてから、ひと月半。巣鴨で四件目となったが、怪我を負わせるわけでもないという。いまだに手掛かりを得られない下手人の意図が気になる六平太が、毘沙門の親方・甚五郎に話を振ってみると意外な繋がりが……。●第三話 内輪揉め「市兵衛店」で夫婦喧嘩が! やきもち屋のお常は、天気が悪いのに仕事に行くと言ってきかない大工の夫・留吉が、若い女とできてい円熟の第16弾!ると疑って引かないのだ。六平太が留吉に事情を聞くと、仕事先で妙なものを見つけてしまい、気になっているという。●第四話 春待月六平太は『飛騨屋』の主・山左衛門の相談に乗っていた。店の養子を決めたと言うが、お登世の婿としてではないらしい。独身娘の集まり『いかず連』はどうなるのか? 翌日、六平太の恋仲のおりきが行方れずに。笹郷藩の行列を襲った者が怪しいが。 【編集担当からのおすすめ情報】 『私も六平太の様に、気ままに心美しく生きて行きたい!!』--佐藤B作さんドラマ時代劇のレジェンド 北大路欣也さん、高橋英樹さん、里見浩太朗さん、松平健さん、村上弘明さん、中村梅雀さん、西郷輝彦さん、古谷一行さん、草刈正雄さん、近藤正臣さん、若村麻由美さん、橋爪功さん、萬田久子さん、松坂慶子さん、市毛良枝さんこぞって絶賛!(コメント到着順)ドラマ時代劇「鬼平犯科帳」「剣客商売」「水戸黄門」「御家人斬九郎」の脚本家が贈る、日本一の王道人情時代劇!

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 爽やかな終焉となる。

    江戸は浅草元鳥越の市兵衛店に住まいして、立見流兵法の遣いてで、信濃国十河(そごう)藩加藤家を出て浪人となった秋月六平太(ろつぺいた)が、口入れ屋「もみじ庵」からの紹介で裕福な商家の子女の芝居見物などの付添い屋を生業とする人情物語です。
    木場の材木商「飛騨屋」の一人娘登世から私の婿になってと求められた秋月六平太は、情婦で髪結いのおりきを想い断った。

    【日雇い浪人】
    信濃国一万二千石笹郷藩の藩主の江戸城登城の行列に、口入屋「もみじ庵」の仕事で加わった秋月六平太は、藩政改革を唱えて襲ってきた同藩下屋敷の若侍を斬ってしまった。その事で上屋敷の徒士頭で剣術指南役、跡部与四郎に改革派を潰す手伝いを頼まれるが断る。

    【髪切り女】
    頭の髪がすべて抜けて坊主になった女が、かつらを作ろうと十六、七の娘盛りの女を狙って犯行を重ねた。それを知った登世が、囮となる。登世を襲ってきた女を木場の川並鳶の若い衆、五郎松が捕まえる。登世は、六平太が助けてくれると思っていた…。

    【内輪揉め】
    五郎松は、材木問屋「吉野家」の主、伊三郎の弟であった。飛騨屋では、同業の五郎松を歓迎し、登世と仲が良くなっていく。それを知った六平太は、複雑な思いになる。

    【春待月】
    五郎松が、飛騨屋の養子と決まった。最後に舟で待つ登世の所に六平太が行くと。登世は、六平太に別れを告げ、五年におよぶ付添いに感謝を言って別れとなる。

    【読後】
    この物語は、この辺で終わりにするために1年半ぶりに書かれたものと思われる。テンポよく、展開も早く、早く読めた。読み終って今までの事が走馬灯のように蘇ってくる。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    犬神の巻 髪切り女 付添い屋・六平太シリーズ16作目
    2023.04発行。字の大きさは…小。2023.06.13読了。★★★★☆
    日雇い浪人、髪切り女、内輪揉め、春待月、の連載短編4話。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    《付添い屋・六平太シリーズ一覧》
    16.髪切り女   2023.06.13読了
    15.噛みつき娘  2023.04.18読了
    14.祟られ女   2022.12.24読了
    13.願掛け女   2022.12.03読了
    12.逢引き娘   2022.09.02読了
    11.女医者    2022.08.23読了
    10.おりき    2022.08.19読了
    09.嘘つき女   2022.08.17読了
    08.評判娘    2022.08.02読了
    07.強つく女   2022.08.01読了
    06.恋娘     2022.07.31読了
    05.駆込み女   2020.09.22読了
    04.箱入り娘   2020.09.15読了
    03.安囲いの女  2020.09.14読了
    02.あやかし娘  2020.09.13読了
    01.留め女    2020.09.13読了
    「参考」
    ※参考は、私のメモ書きです。本の感想ではありません。
    ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
    六平太の義妹・佐和は、火消しの音吉と祝言を挙げ、授かった勝太郎も音吉の先妻の子である姉のおきみちゃんと一緒に外へ出て行くようになりました。六平太は、音羽町に戻って来た情婦のおりきと一緒に過ごす日々が多くなり音羽町と元鳥越の長屋を行き来しています。
    六平太の隠し子、穏蔵は、養い親である八王子で養蚕を営む豊松が事故で亡くなったことで、自分の将来を決める岐路に立たされた。六平太は、八王子に行き豊松の妻すがと話し合う。すがは、穏蔵を八王子に縛り付けることはしないと…。穏蔵は、「寿屋」の主八郎兵衛に娘美鈴の婿にと望まれて、寿屋に入って、いちから商売を覚える覚悟をする。
    ←第十四、十五話感想より抜粋。

  • 小藩の登城人足に雇われた六平太だが、襲ってきた狼藉者達から殿様を守った事から藩の争いに巻き込まれる。両派から味方になることを全編に亘って強要され、しつこいと思わせるぐらい。挙げ句の果てに、付き合っているおりきを人質に取られるが、呆気ない解決となる。
    途中に長屋の夫婦の諍いの元を探ると、押し込み強盗騒ぎに行き着き、解決する。
    もう一つの軸は、江戸市中で頻発する若い娘の髪切り騒ぎ。深川の材木商達や町火消し達の力を得て解決。この時に手伝ってくれた鳶職と六平太の本業の付き添い屋の大得意先飛騨屋と縁ができる。これで付き添い屋も終わりかと思わせる最後のシーン。今後も続くのだろうか?

  •  主に大店のお嬢さんの付添い(用心棒)をして暮らしている浪人の秋月六平太の物語。よくできた妹の登世、愛する女性おりきが脇を固めています。シリーズもいつの間にか№16になりました。「髪切り女」、2023.4発行。日雇い浪人、髪切り女、内輪揉め、春待月 の4話。

  • 付き添い屋の太客がいなくなったら、稼ぎが減るね。

  • 48

全5件中 1 - 5件を表示

著者プロフィール

一九四九年長崎県生まれ。会社勤めのかたわら倉本聰に師事し、七二年「おはよう」で脚本家デビュー。九七年、第十六回向田邦子賞を受賞。「鬼平犯科帳 」「剣客商売」「御家人斬九郎」「水戸黄門」など脚本作品多数。著書に「追われもの」「付添い屋・六平太」「ごんげん長屋つれづれ帖」「かぎ縄おりん」などの各シリーズがある。

「2023年 『小梅のとっちめ灸(三)針売りの女』 で使われていた紹介文から引用しています。」

金子成人の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×