銀座「四宝堂」文房具店 (2) (小学館文庫 う 15-3)

著者 :
  • 小学館
4.22
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本棚登録 : 869
感想 : 51
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  • Amazon.co.jp ・本 (336ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094072921

作品紹介・あらすじ

感動の声、続々。待望のシリーズ第2弾! 銀座の文房具店「四宝堂」は絵葉書や便せんなど、思わず誰かにプレゼントしたくなる文房具を豊富に取り揃える、知る人ぞ知る名店だ。店主を務めるのは、どこかミステリアスな青年・宝田硯。硯のもとには、今日も様々な悩みを抱えたお客が訪れる――。クラスメイトにいじられ浮いていると悩む少女に、定年を迎え一人寂しく退職していくサラリーマンなど。モヤモヤを抱えた人々の心が、あたたかな店主の言葉でじんわり解きほぐされていく。いつまでも涙が止まらない、感動の物語第2弾。喫茶店『ほゝづゑ』の看板娘・幼馴染みの良子と硯の出会いのエピソードも収録!

感想・レビュー・書評

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  • シリーズ第2弾。

    文房具好きには嬉しいシリーズ。
    「四宝堂」の落ち着いた店内の様子が想像できるほどで、店主の宝田硯の誠実さと静かな雰囲気もとても良い。
    今作も新たな感動の連続。


    ○両親を気遣う娘の単語帳を使ったメッセージが素敵。

    ○学校の体験実習で「四宝堂」で売り場のディスプレイを任された2人。左利きだとハサミから使いにくいことから誰でも使いやすい売り場コーナーを作ることに。
    空気を読まないと思われている自分に協力して職場体験をすることでわかったこと。

    ○定年を迎えた男性が、これまでのことを振り返る。いろんなことを教えてくれた会長が作っていた主任の肩書がある名刺に感動。

    ○栞は、出会った最初の年に、良子が硯からもらったクリスマスプレゼント。
    大人しくて、いつも掃除ばかりしている硯のことを思い出していた。

    ○色鉛筆は、デイビスが祖父から貰ったもので、子どもの頃に祖父に連れられて「四宝堂」に来たことがあった。
    その色鉛筆には、自分の名前の他に色名を加工したあとがあり、それに気がついた硯は…。

    はだいろ→やきたらこ
    ちゃいろ→むぎちゃ
    みずいろ→にほんばれ

    デイビスの祖父と先代の心意気に感動。

    どの短編も感動の連続で、特に名刺は涙腺崩壊もの。



  • 図書館でセット予約をしていたつもりが、していなかったようで、シリーズ1より先に2がきてしまいました〜。柳が揺れる銀座の路地、懐かしさを覚える店内の香り、年代物の磨きこまれた床…落ち着い雰囲気の素敵なお店ですね。

  • 単語帳、ハサミ、名刺、栞、色鉛筆
    今回、中心となる文房具も特別なものではないのに
    この物語にかかると、特別で大切なものに思えてくる。
    想いをつなぎ、きっかけとなり、心に残りと
    まるで店主の宝田硯さんの人柄を映し出すようだ。

    そんな温かみのある硯さんの物語も少し語られて
    幼なじみの良子さんとの関係もじれったいが
    じれったいのがまたこの2人らしく微笑ましい。

    1巻よりも、物語に深みがあって
    自然と涙が滲んでしまった。

  • ☆4.5

    シリーズ第2弾

    どのお話も感動的なものばかりで、ほろりとさせてもらいながらの読了でした。
    硯と良子のこれからも気になるので…第3弾が出てくれることを期待しながら待ちたいと思います❁⃘*.゚

  • 先日、1巻を読んで、そのままの゙勢いで2巻を手に取りました。
    今作も、
    単語帳
    ハサミ
    名刺

    色鉛筆
    と5つの作品が収められていました。
    前巻同様で心温まる物語でした。
    ただ、1巻2巻と続けて読んだ私は、少し残念な思いもしています。
    続けて読むと1巻からの流れできているので、結末までの文章の形が1巻と同じスタイルなのだろうと、勝手に思っていました。そのスタイルが1巻とは違っていて少しがっかりしました。(四方堂に行って話を聴いてもらい、二階で書き物をする。という流れが好きだったのです)
    それでも物語は、家族の話だったり、学校での話。職場での話。どれも心が優しくなる物語でした。

  • 人情モノは人間関係に疲れた時の癒しの一つとなりますね。

    シリーズ2作目を読んでみました。
    今回は実生活ではあまり使わない文具が出てきました。
    単語帳などはこういう使い方もあるのかぁ、と感心するところもありました。

    この本を読んでいて思ったのは、自分が普通と思ってやっていることは、他人からすると特別で価値あるものに見えていることもあるのだという事です。
    私たちは普段の生活では普段当たり前に感じることに感謝することってあまりないと思うのです。
    でも、何かのきっかけ(結婚式や定年退職などのイベント)があると、その主役について考えると思うのです。過去に思いを馳せると言ってもいいかもしれません。
    その人が普段やってくれていたことや、その人の存在自体がありがたいことに気づくんですよね。(しみじみ)
    特別な日に感謝の気持ちを伝えたり、伝えられたり。
    感謝の伝え方は人それぞれです。
    そこに個性を感じました。

    人付き合いで面倒なことが起きると、自分以外みんな敵!と、思ってしまうこともあるのですが、実は自分を評価してくれる人もいるのかもしれない。
    そんな事を思わせてくれる小説でした。
    個人的には「単語帳」「名刺」はこみあげるものがありました。

    この本読んでいると、文房具を選ぶのが楽しくなります♪

  • 一巻も良かったですが、涙が止まらないのは言いすぎじゃ…と思っていました。が、2巻の、特に名刺と色鉛筆の章が。゚(゚´ω`゚)゚。泣けました。
    3巻も楽しみです。

  • 喫茶店「ほゝづゑ」の良子と硯の出会いのエピソードもあり。
    涙まではいかなかったけれど、楽しいばかりではなく、苦労やそれが報われるお話がいい。しっとりといい感じ。

    名刺の話、見ている人は見ているんだなと改めて実感。

  • 今回も銀座「四宝堂」文房具店店主の宝田硯の立ち振舞い、幼馴染の良子に見せる姿とのギャップがたまらない。
    2人の出会いのエピソードが描かれた『栞』。鈍感な硯にもどかしさを感じつつも、互いを思い合う気持ちが素敵でキュンとした。

    どの文房具のお話も、愛が伝わって心温まる。どれも好きだが、特に『名刺』『色鉛筆』はウルっときた。
    昔も今も心を大事にできる人って最強だ。そして、その心・思いを受けて繋いでいける人も。

    「四宝堂」でじっくり文具を選んだ後、「ほゝづゑ」でまったりしたい。このシリーズ続いてほしい。

  • 1冊目と同じような感じだか、一話一話が少し深くなった感じがした。サラリーマンの退職の話しが良かった。
    ただ、主人公の硯の人の良さ過ぎが、少し鼻についてきた。特に、幼馴染みの良子と旅行に出かける話しでは、やっと2人に進展があるのかと思ったら、大雪で次の日店へ来る客の事を考えて、帰ってしまうという人の良さを出す展開には、さすがにちょっとイラッとした。

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