- Amazon.co.jp ・本 (311ページ)
- / ISBN・EAN: 9784094516845
作品紹介・あらすじ
機巧外骨格、起動。テロリストVS元少年兵
先の戦争から導入が試みられた、二足歩行兵器――機巧外骨格。
戦争を通してその性能を存分に示した機巧外骨格は、終戦後も重要な軍事力として運用されるようになった。それをうけ、戦勝国である葦原皇国においては機巧外骨格のパイロット育成学校が創立される。 生徒達は、そこで優秀なパイロットとなるために、日々研鑽を積んでいた。
しかし、そのような希望に満ちる現在において、戦時中の機巧外骨格運用の舞台裏で生まれた、決して消し去ることのできない遺恨が残っていたのだった……。 その確執の火薬庫は、いま学園を襲うテロとなって爆発する。
整備士として学園を訪れていた、黒宮凛児。
学内でトップクラスの操縦技術を持つ、花枝連理。
運命的な因果に絡め取られた二人の手に、生徒たちの命運が託される。
そして、浮かび上がるもう一つの因縁。
かつて特殊部隊の少年兵として機巧外骨格を駆っていた凛児の前に、その脅威が立ちはだかる。
戦争という悲劇が生んだ、機巧外骨格の名誉と汚名。
その真相を受け容れたとき、凛児は再び守るべきものを、その手に掴む!
第11回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作。
感想・レビュー・書評
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主人公に値するんはAIちゃんやな。
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テロ映画、ハイジャック映画へのオマージュとロマンを、ロボットものライトノベルに落とし込んだ意欲作です。ザ・ロックのスリル、ランボーの帰還兵に対する差別問題など、娯楽要素に加えて社会問題にも切り込んでいます。帰還兵である主人公の少年・凛児が整備士として出向している機兵育成高校がテロリストに占拠され、運良く拘束を免れた凛児と生徒の少女・連理の孤軍奮闘が始まります。味方がいない状況下での緊迫した情報戦、テロリストをじわじわと制圧していく展開は王道ながら爽快感があります。人を守るために強くなることを願った主人公を襲う凄絶な出来事、そして恩師でもあるテロリストグループのメンバーとの対決は熱くなるツボを抑えています。
○各章のタイトル、キャラクターの何気ない捨て台詞、連理のAIの名前など、近年までのハイジャック映画のパロディが随所にあるのは映画好きならニヤリとしてしまう嬉しい演出。キャラクターどうしの関係性が非常に上手く組み上げられていました。 情報軍特殊部隊の帰還兵である主人公、情報軍サイバーチームのAI、恩師であり上官のテロリスト、そしてその凄惨な過去にただならぬ意味を持つヒロイン…と非常に燃えるもので、個性が豊かで、ライトノベルとしてオリジナルの深みを出しています。
●主人公と恩師との対決に比重が寄り気味で、彼を引き入れた主要テロリストグループが何をしたかったのか、2億円を要求したその後は、といった点が見えづらく、お飾り感があったのはすこし残念でした。10歳前後の少年が新宿テロに出動していることや、高校生が兵器に搭乗することについて、リアリティを出す工夫がもう一声欲しいところでした。 -
昔、ダイ・ハードを見た後でソッチ系の話にはまった時期があり、色々と読んだ。
ラノベなので主人公が少年になる時点で舞台が学校になり、
学校ジャックしたテロリストと単身/少数で戦う学生、の図が多く、懐かしくて手にしたもの。
じつに鉄板であった。
樋口明雄のラノベとか懐かしいよね。