千歳くんはラムネ瓶のなか (2) (ガガガ文庫 ひ 5-2)

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  • 小学館
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感想 : 12
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094518160

作品紹介・あらすじ

それは、ニセモノの恋の物語。

「千歳しかいないの。どうかお願いします。私と付き合ってください」

面と向かって女の子にこんなことを言われたら、大概悪い気はしないだろう。
それが、七瀬悠月のようなとびっきりの美少女ならなおさらだ。

でも、うまい話には大概裏がある。
美しい月の光が、ときに人を狂わせるように。

これは、そうして始まった、俺と七瀬悠月の偽りの恋の物語だ。


――人気沸騰の“リア充側”青春ラブコメ、待望の第2弾登場!

感想・レビュー・書評

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  • 久しぶりの文句なしの五つ星!

    いやあ、これは凄い! この心が沸き立つ感じ! うん、大好き。

    一巻が面白かったので期待して読んだのだけど期待以上だった。
    偽りの恋人から始まる恋の話はまあ良くあるだろう。
    でもこれは、もっと複雑で一筋縄ではなくて苦くてそして尊かった。

    主人公の朔は本当の優しい。
    でもその優しさは自分が誰かを助ける優しさじゃない。
    一巻でもそうだったのだけど、それは困っている本人が自分自身を助ける手助けをする優しさ。
    そこには相手に対する強い願いと想いがある。
    そこがすごい。
    ボロボロになった悠月を必死に立ち上がらせようと朔の想いに胸が震えた。
    そのあとはメッチャ笑ったけど^^ 

    好きな場面が一杯ある。
    一つ挙げるならば、朔を貶めた先輩に対して悠月が「わたしの身体に指一本触れず、心にだけ触れてくれた彼を貶めるな!」と憤慨する場面。
    胸が熱くなる。ああ、やっぱり尊い。

    それにしても彼らの会話は楽しいね。
    特に朔のボケが笑える^^ 
    でも朔の背景にはいろいろありそうだよね。
    野球部を辞めた理由もまだ語られてないし。
    いつか朔自身の話も描かれるのだろう。
    期待している。

  • 安定に面白かった!後半に差し掛かるにつれて高校生のしそうな妄想を具現化したみたいな展開が続くがこれがラノベという事を考慮するとフィクションとして読むには面白かったです。

  • 裕夢先生は本当に高校生の感情の表現が上手いと思う。物語の設定としては主人公がリア充で周りの女の子は主人公に好意を持っているというラノベにありきたりなものであるが、主人公や周りの友人達が持つ哲学や価値観などがリアルで、裕夢先生の言葉遣いとあわせて、下手な小説作品よりも良い小説作品であると感じる。

  • 前作が良かったので購入。今回は表紙の子がメインの話。途中途中に青春ストーリーがあったけどストーカーに対する対応でイライラが積もってそれどころじゃない。

  • 【電子書籍】「私と付き合ってください」クラスメイトの七瀬悠月からそう告白された千歳朔は、ストーカー対策として偽りの恋人同士となることを了承。日常生活を送るうち、次第に学内外からの敵意に晒されるようになる2人。しだいにエスカレートしていく悪意に満ちた行為はやがて暴力へと発展する。複数の人物による様々な思惑が絡み合うなか、悠月と朔の行く道は…。自分が傷つくのを顧みず、友人のために全力を出せる朔はやはりラムネ瓶のビー玉のように光り輝く。朔を取り巻くヒロインたちの想いはどこへ向かうのか。今後の展開が楽しみです。

  • 七瀬悠月。

  • ただのラブコメとは違って、なんだか切ない余韻が残る作品

  • 悠月回。朔と悠月の会話を始めとした文章表記が上手くてら登場人物全てに個性があって相変わらず読みやすかったし、内容も面白かった。これを読んでる時の、心が沸き立つ感じがたまらん。あと推しが悠月に変わりました。…読む事に推しが変わるヤツやこれ笑
    千歳朔の恋愛論
    本気で悠月と付き合いたいならまずちゃんと話しかけて関係を持て。連絡先を聞いて毎日少しでも会話をしてあいつのことを知って、そのたびに少しだけ想像してたのとは違う一面が見えてきて、それでも大好きだって思ったらちゃんと気持ちを伝えるんだ

  • 近年はラブコメにおいて偽恋人モノなんてもはやメジャーな直球的表現になってきた気がするのだけど、本作で描かれる偽恋人展開は何処となく変化球めいている

    いわゆるカーストトップであるチーム朔の中において異質さを持つ朔と悠月
    この二人がとある目的の為に偽恋人になるとなれば、そこに有るのは通常の偽恋人モノとは全く異なる光景となる。
    あと一歩踏み出せば本当の恋人になってしまう、なんて甘酸っぱさではなく、お互いの腹の内を理解し合った上での相手に踏み込まない遣り取り
    この巻で描かれる二人の会話はどこか舞台の役者のようであり、第1巻で示された二人の様子よりも深く難解。そこには二人しか理解し合えない世界が展開されているのだけど、そこに淡い恋模様なんてものは存在しない。まるでビジネスパートナーのような遣り取り

    二人の了解として当初から存在するのは「弱みを見せない」という点
    互いにその点を了解しているから相手の事情に深く踏み込もうとしない。相手を必要以上に助けてやろうなんて考えやしない
    それこそが悠月が朔に求めた点であり、朔が悠月の要求を受け入れられた理由となっている

    でも、一方で「弱みを見せない」って考えはそれ自体が一種の弱みでも有るんだよね
    だから悠月の「弱み」が形を持って現れた際には抵抗のしようがなくなってしまった

    了解を越えて相手の事情に踏み込むのか、との選択肢があってもそんな道を積極的に選ばない朔はやはり相手の自立を求めるタイプなんだろうなぁ。だから朔の遣り口はスマートで小憎らしいものなんだけど、同時に泥臭いヒーローのような部分がある
    悠月の最大のピンチに駆けつけて、その上で悠月が自分の力で解決できる場面では傍で見守るだけなんて本当にヒーローそのものだ
    それはとても朔らしい遣り方


    悠月と朔の偽恋人関係はビジネスパートナーめいていたけれど、本当に悠月が心の底から、また無意識にでも本物の恋人になれやしないかとの期待を欠片も抱かなかったかと言えばそこには少し疑問符が浮かぶ
    だからこそ、悠月の心に「本物の恋」は生まれたのだろうし、ちょっとしたズルをする気にもなったのだろうし

    二人の最後の挨拶は偽物の関係の終わり。なら、これから始まるのは本物の関係であるわけで
    七瀬悠月という少女が千歳朔というヒーローに対してどうアプローチしていくのか気になるラストだったね

  • 1巻を読んだあと、ちょっとこのシリーズは苦手だなと思ってた。
    たぶん主人公の朔がキラキラしすぎてると感じたからだと思う。
    だけど、この2巻では、朔の悩む姿が描写されていて、引き込まれた。
    続刊が楽しみです。
    あと、全体的に擬音の使い方が素敵。

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著者プロフィール

裕夢(ひろむ)
福井県出身の作家。『ラムネの瓶に沈んだビー玉の月』で第13回小学館ライトノベル大賞優秀賞を受賞。受賞作を改題したデビュー作、『千歳くんはラムネ瓶のなか』を2019年6月18日に刊行。

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