董白伝~魔王令嬢から始める三国志~ (2) (ガガガ文庫 い 7-6)

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (360ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094518474

作品紹介・あらすじ

“虎威将軍”をリクルート!?

相国を拝命し、いよいよ国外逃亡が難しくなってきた董白。

「こうなったら……リクルートです!」

生存戦略のため関羽を仲間に引き入れようとするも、これが“義侠”の逆鱗に触れてしまい……。
そんなとき、後に“虎威将軍”と呼ばれる青年が敵陣にいることを知る。

名は趙雲、字は子龍。

窮地に立つ董白は、彼のリクルーティングに一縷の望みを託すのだが――?

孫堅の襲来。伝国の玉璽。呂布と陳宮の暗躍。そして、長安遷都。

絶えず流れを変える歴史の渦のなか、幼き魔王が打つ一手とは?
打擲(ちょうちゃく)幼女の覇道ファンタジー、第2幕!

感想・レビュー・書評

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  • どうにかこうにか呂布を退けた董白陣営。けれど、本当に脅威が去ったわけではないから、陣容を整える必要が出てくる
    けれど、武将をスカウトしようとすれば邪魔になってくるのが董卓の名前だね。
    現状では董白陣営の下地として董卓の影響は無視できないのだけど、董卓と言えば天下の魔王。それを引き継いでしまった時点で董白も魔王の後継者ということになるし、義を重んじる者からすれば、その時点で討滅すべき敵という事になってしまう

    唯でさえ、優秀な人材が限られてくる董卓陣営からのスタートなのに、更に人材集めに不利な要素が在るのは董白の行動を難しくしているね
    こう考えると初期の時点で馬超が大した努力もせず味方になったのは本当にSSRガチャを引いたと同じくらい特別な出来事だったんだなぁ……


    また、人材をスカウトしようとすれば問題となってくるのが董白自身の志だね
    武将をスカウトすると成れば、相手がこちらに味方するだけの魅力を提示しなければならない。けれど、今の董白が持っているのは董卓の遺産ばかり
    そして董白自身の志に天下の平定など全く存在せず自身が逃げることしか考えていない。
    董白は劉備に対して、劉備の持つヴィジョンは連合で共有されているのかと問うけれど、一方で董白こそ自分がスカウトしようとしている相手と共有できるようなヴィジョンを持っているのかと聞きたくなる
    結局の所、相手から魅力的だと思われる材料も、また義の志も持っていないから董白は誰もスカウトできない

    その志しを変えるきっかけとなったのが董白を早い段階で裏切った呂布の部下である高順であったのは面白いな
    彼は戦闘狂の呂布の部下でありながら、処刑されるリスクを冒して董白と交渉した。また、自分の策が失敗してもその不始末を董白に押し付けない
    目の覚めるような愚直さを持つ彼によって放たれる一つの疑問は董白がこれまで全く考えてこなかったもう一つの道を開かせるものだね。そしてこの道を手にできたから、最高の人材をスカウトできたわけだ


    志を新たにした董白に魅了された趙雲
    彼は言動以上に素晴らしい槍使いであり危機察知能力の高い人物のようだね。まあ、その反面、驚く程に女性が苦手という弱点を抱えているのだけど(笑)

    また、董白の影響で世間を斜めに見ていた皇帝の劉協も影響されたようで
    自分のせいで兄は殺された。自分を利用する為に様々な人間が暗躍する。自分の言葉一つが天下のバランスを変えてしまう。だから、自分というものを持ってはいけない
    このように様々なものを諦めていた劉協が土壇場になって、董白のために体を張った。それが最強最悪の敵が振るう刃から董白を守った流れは良かったな


    まだ董白の敵は多く、味方は少ない
    けれど、少しずつ董白の味方をする者は増え始め、そして逃亡以外のゴールが見えてきた
    ここから強敵ばかりの環境で董白が歴史の荒波をどう乗り越えていくのか、見ものだね

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