エンドロールまであと、 (小学館ルルル文庫 か 2-1)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 218
感想 : 23
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  • Amazon.co.jp ・本 (322ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094520217

作品紹介・あらすじ

旧家に生まれた双子の高校二年生、佐々右布子と左馬之助の関係は最近ちょっとぎくしゃく気味。今までいつも一緒にいたのに左馬之助がどこかよそよそしいのだ。右布子はその原因が何なのかよくわからないまま、生まれて初めて積極的に友達を作ろうとしたり、二人が所属する映画研究会で映画を作ったりと日々を過ごすが-"その想い"を自覚できない姉と、自覚してしまった弟の、禁断の恋の物語は静かに熱く動きはじめる。

感想・レビュー・書評

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  • 壁井ユカコさんにしてはフツーって感じが否めない…
    結末も予想通りだったし。

    傷が互いに鏡写しになるっていう設定は壁井さんらしい感じだったくらいかな。
    そういうところは嫌じゃないんだけど、キャラも掴みづらい、というか感情移入できないから他の作品ほど好きにはなれないなあ…

  • 壁井さんは上手くいかない物語を書くのが上手だなぁと思う。
    私的には全然大丈夫な話だけど、ちょっと読む人を選ぶ部類だとも思うので、その辺りに注意が必要かもしれない。

    「青春モノ書いてくれぃ」というオーダーにこれを打ち出しちゃう壁井さんにはある種脱帽。ブレないで上手くいかない物語を書く人だな、と感心する。

  • 壁井さんの作品は、「キーリ」が面白かったんだけど、これはちょっと私には合わなかったです。近親相姦もの・・・。エロい描写はないんだけど、身内に欲情する話はあんまりです。

    あと、一卵性の双子という設定ですが、男女の双子が一卵性になることはありえないです。性別が違うのは二卵性なはず。こういうのもちょっとって思っちゃいました。

  • 壁井ユカコ先生の小説ということで買いました。
    これまた切ないです。
    どうにかしてあげたい!血が繋がってる双子だけど2人で幸せになればいいと思いましたが・・・。
    最後はキーリの時くらい泣きました。
    読んでる最中は本当に悲しくて悲しくて大変でした。
    でもすごく心に残るお話でした。

  • できれば、左馬之助には死んで欲しくなかった。
    内容はうう・・・んって感じかなあ。
    というより、壁井さんの本ってことですこし期待しすぎたかも

  • 双子の高校生右布子の運命に翻弄される物語

    読了日:2008.06.14
    分 類:ライトノベル
    ページ:322P
    価 格:514円
    発行日:2007年8月発行
    出版社:メディアワークス
    評 定:★★★


    ●作品データ●
    ----------------------------
    主人公 : 佐々 右布子
    語り口 : 3人称
    ジャンル : 青春/恋愛小説
    対 象 : ヤングアダルト向け
    雰囲気 : 青春もの
    結 末 : Happy ENDではない
    イラスト : 太田 早紀
    ---------------------------

    ---【100字紹介】--------------------------
    旧家に生まれた双子の高校生、右布子と左馬之助。
    生まれて初めて積極的に友達を作ろうとしたり、
    映研の活動に参加したりと、恋や青春に揺れる右布子。
    置かれた環境や運命に翻弄されつつ、心身ともに成長していく物語
    ---------------------------------------------

    主人公は双子のひとり。本来なら性別が揃うはずの一卵性双生児。しかし、性別が異なります。作中ではその理由に関しては断言はしないですが、保健医の先生の憶測としては遺伝子のコピーミスが挙げられています。(というか、どこかでミスがないと絶対無理なので妥当ですね。)多分、おかしいのはメインの方の右布子。最初の1ページ目でいきなり明かされる、余命。ま、でも当初余命の10歳まで生きられません、はどんどん延びてすでに彼女は17歳なのですが。ので、まあ、身体が弱い人ってくらいで。その他にも性染色体異常に関わるエピソードが途中で明かされるので、それなりにこの設定は生かされているのかも。

    で、舞台は主に高校。握力がなくてペットボトルのふたすら開けられない右布子は、教室よりも保健室にいることが多くて、更にその保健室を間借りしている映画研究会に所属しているから、高校内での舞台は保健室が多いかも。途中で映画研究会の撮影で高校内を動きますけど!プールとかフューチャーされます。でも水着は無いです、秋だから。

    それからもうひとつの舞台が家。双子の生まれたのは旧家。お屋敷を支配するのはおばあちゃま。非常に厳しい女系の家で、絶対支配者のおばあちゃまに嫌われた
    入り婿の双子の父親などは、家の敷居をまたがせないとかで、家を追い出されて東京にいるらしい…。そんな怖いおうちです。


    主人公はメインとしては佐々右布子で、1・3・6章と終章。他の章はそれぞれ、2章が清野亜寿、4章が西丸貴大、5章が佐々左馬之助と視点が変わります。

    病弱で人付き合いの苦手な右布子は、どこか浮世離れしていて、友達も一人もいない女子高生。そんな彼女が友人を作ろうと努力してみたり、流れで所属している映画研究会で主演になったりと、初めて「青春」というものを知っていく…というのが前半。

    右布子の、友人がいないこの状況、もしかしたら結構共感できる人も多いのでは。友人が出来ない、でも友達なんていなくても…、でももしも友達というのがいたとしたら…。だけど、周りの人たちは何を考えているか分からない。いや、分かってみたら、自分のことなんて見ていないことだって。みんな、自分のことなんて…。ここで、ああ、右布子って可哀想だな、なんて思ってみたりするのですが、2章で亜寿の視点で語られるこの「友人問題」も、やっぱり納得なのです。視点が変われば内容が変わる。どちらが正しいとかではなくて。

    章ごとに視点が変わりますが、読んでいるとみんな、自分のことを考えるのに必死で、それでもちゃんと人と人との関係が結ばれていって…、そういうのが面白いなと。主人公だけが可哀想な環境にあったり、絶対的に良い人だったりするわけではないのも、いいですね。そんなに最初から優れた人だったら、もう成長の余地は無いわけで。


    恋の物語は、最終的な「たったひとつの正解」は、まあこの辺りが着地点だろうなあとは思っていましたが、何というか、やっぱり淋しいです。壁井ユカコらしいといえばらしいですけれども。。。終わり方としては、"No Call No Life"に近いかな。最後の一文に、次への希望があるのでしょうけれども…。でも、希望がすべての人に同じように訪れたわけではない、というのが悲しいです。


    ---------------------------------
    文章・描写 :★★★★
    展開・結末 :★★★
    キャラクタ :★★★★
    独 自 性 :★★★
    読 後 感 :★★
    ---------------------------------


    菜の花の一押しキャラ…佐々 左馬之助

    「今を撮りたい。今の俺たちを、そのまんまを」(西丸 貴大)

  • 禁断の愛の行く末??
    生々しくなく学生の純愛の流れでした。

  • 壁井さんの作品はデビュー作である「キーリ―死者たちは荒野に眠る」(電撃文庫)以来、積んだり読んだりしつつ、ずっとファンです。というわけで、無条件に読んでみました。

    う~ん…でも、ちょっと微妙だったかなぁ。壁井さんらしいちょっとグロいシーンとか、イタ切ない雰囲気は確かにあったんですが、執筆する時点で「青春モノを」というリクエストがあったそうで(あとがきより)、ちょっと漫画チックで平凡な作品になってしまったなぁと感じました。やっぱり壁井さんにはファンタジックで切ない妄想の世界(ちょっとシツレイか?(笑))を猛進してほしいです。


    物語の舞台は高校。病弱な姉と今時の健康的で快活な弟の双子。しかも、一卵性。弟が健康な分、姉は毎日寝込む日々を過ごしていたが、次第に友達ができ、自分がどうしたいのか、何を望んでいるのかを考えていくようになる。そして、弟への気持ちに気付いて、それに対する正解を求めて…というお話。イラストは「夜まで待てない。」などで知られる(私はそれしか読んだことないけど(汗))漫画家の太田早紀さんが担当しています。うん、この甘さと切なさを現すにはピッタリの作家さんでしょう!表紙の双子弟くんの何とも言えない表情と微妙な位置に固定されている手!!(笑)ストーリーも太田さんがそのまま漫画化できそうなものでした。いや、ぜひしてほしい(爆)。

    壁井さんの作品の話に戻りますと…かなり無理して書いた印象が(苦笑)。そもそも壁井さんには青春モノという設定のイメージが無いんです。もちろん他の作品でもコメディなシーンや甘々なシーンはありましたが、「高校が舞台の青春モノ」の上に乗っかったせいで普通になってしまった気がします。

    キャラは主人公の双子を始め、双子姉の許嫁で映画オタクの同好会部長や手厳しいツッコミをして双子姉を敵視する同好会の女の子など、濃くて面白いのが揃っています。が、こちらもちょっと物足りないかな、と。それぞれのキャラ主観の章が用意されていて、心理描写は凄く丁寧で、思春期特有の脆さや怖いもの無しな無鉄砲さとか、挫折感とか…そういうのは嵌りました。が、キャラの生い立ちに纏わる背景が曖昧だったので、全体的にも中途半端。双子の母親や祖母、双子姉の許嫁の家族の様子。もうちょっとそこら辺がしつこく詳しく描かれていれば、主要キャラたちの青春も光って見えたのかなぁと思います。

    それと、一番は疑問点が多いこと。最後の方でやってたインディーズ映画祭の結果はどうなったのか、そもそもなんで双子の父は家を追い出されたのか。祖母は本当にただの支配者だったのか。敢えて描かなかっただけなのかもしれませんが、私としてはそこが物凄~く知りたいとこだったので、痒い所が痒いまま終ってしまった感が(笑)。

    やっぱり壁井さんにはファンタジーとか妄想とか猛想で攻めてほしいです。もしかしてルルルが合ってないのかも(爆)。青春モノじゃなかったら、間違いなく壁井節だったはず。イタ切ないのは変わってなくて、溜息が出そうなくらい雰囲気に浸れて…というシーンは今作でもありましたから。あぁ、「キーリ」が読みたくなってきた(笑)。

  • うーんあんまり好きじゃない
    なんか好きになれなかった

  • 旧家に生まれた1卵生双生児の高校二年生、佐々右布子と左馬之助。
    右布子は病気持ち。
    二人が所属する映画研究会で映画を作ったりと日々を過ごす。
    そんな中二人の間に恋がめばえる。
    だがそれを認識したとき双子ということ、旧家の人間であることが付きまとう。
    佐々家をでた左馬之助はやっとのことで右布子との恋愛が始まると思ったが、映画会に向かう途中で事故にあってしまう。

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著者プロフィール

第9回電撃小説大賞〈大賞〉を受賞し、2003年『キーリ 死者たちは荒野に眠る』でデビュー。その他の著書に、『鳥籠荘の今日も眠たい住人たち』(電撃文庫)、『エンドロールまであと、』(小学館)など多数。

「2009年 『NO CALL NO LIFE』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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