董白伝~魔王令嬢から始める三国志~ (4) (ガガガ文庫 い 7-8)

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  • Amazon.co.jp ・本 (343ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094530100

作品紹介・あらすじ

孫家の姫、現る!

拉致された董白は、曹操の根拠地である許昌に連れてこられる。
そこに現れたのは、孫家の姫、孫尚香だった。
「ここから出て自由になりたいなら、わたしと来い」
曹操は、袁術と呂布が手を組んだ“長江同盟”と対立しており、そこには彼女の父、孫堅も参加しているらしい。
しかし、その同盟も一枚岩とはいかないようで……?
董白の身柄を押さえた曹操、袁紹軍の客将となった劉備、そして長江同盟で機を窺う孫堅――形を変えた“三者鼎立”は、歴史に新たな風を吹かせるか。

打擲幼女の覇道ファンタジー、動乱の第4幕!

感想・レビュー・書評

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  • 曹操から拉致誘拐された董白だったが、そこから孫尚香から孫堅のもとに連れ去られる……
    そして孫堅を助け呂布を退けるのだった

    董白も本来の三国志の知識を活かし立ち回るが、時代改変が起きているのか思惑通りには行かないですね
    ともかく三国志の世界の大本流に巻き込まれる董白の大活躍が楽しい
    貂蝉の思惑なども期待大

    なお、今回登場の孫尚香は見た目可愛いのだが……途中から馬超らの活躍に食われてすっかり存在感がなくなったのは残念

    【以下再読のための備忘】
    ・問題は、『皇帝から相国への片思い』など漢王朝始まって以来の珍事だということだ。
    ・「逃げると決められば迷わぬ判断力、大人が追いにくい場所を選ぶしたたかさ、そして悪運」
    ・「強い弱いなんて一線より上は団子だよ。そんときの調子とか気合の入り具合でいくらでも変わってくる」
    ・この時点でさっさと引き返して寝たい気持ちで一杯だったが、趙雲はこらえた。話し合わなければ、残る選択肢は殺し合いしかない。ねんごろは論外。
    ・「商いと戦はいい女と同じだ。急がなければ他の男に先んじられる。それに、君ほど面白い商売相手は滅多にいない」
    ・白くて美味そうだから米米(ミイミイ)って、、、
    ・重大な決断ほど悩むための時間はない。悩むまでもなく選ぶべき選択は決まっている。

    【内容:アマゾンから転記】
    孫家の姫、現る!

    拉致された董白は、曹操の根拠地である許昌に連れてこられる。
    そこに現れたのは、孫家の姫、孫尚香だった。
    「ここから出て自由になりたいなら、わたしと来い」
    曹操は、袁術と呂布が手を組んだ“長江同盟”と対立しており、そこには彼女の父、孫堅も参加しているらしい。
    しかし、その同盟も一枚岩とはいかないようで……?
    董白の身柄を押さえた曹操、袁紹軍の客将となった劉備、そして長江同盟で機を窺う孫堅――形を変えた“三者鼎立”は、歴史に新たな風を吹かせるか。

    打擲幼女の覇道ファンタジー、動乱の第4幕!

  • 反董卓連合軍が瓦解した後も董白が生き残り、長安で内政を行っている時点で正史から外れている本作の三国志
    前巻では内政を中心に問題が描かれた。正史から外れた世界で更に面白い物語が描かれるとしたら、今後は長安の外という事になるのだろうね
    それも有ってか、この巻で董白は各所に遠征する形になっているね。……実際は度重なる児童誘拐なんだけども(笑)


    本作で董白を利用することになる豪傑の曹操と孫堅。二人の利用方法にはスタンスの違いが見えてくるのが面白いね。それは天下に覇権を轟かせる未来へ直結しているかのように感じられた

    董白を華麗な手際で拐かした曹操は底が見えないね
    董白を誘拐したのは袁紹との交渉に利用したい、董白に南を引っ掻き回させたいとの思惑が有ったようだけど、どちらかというとこの混沌とした局面で董白がどう動くか見極めたかったというのが本音の気もする
    というか、この人物は事態を何処から何処まで想定して、事前に準備していたんだろうと恐ろしくなってしまう。董白が自身の手元から更に誘拐されたのは予想外の事態だろうけど、そこから起こった出来事は全て曹操の掌の上だったのではないかと思えてしまう……

    それに対して孫堅は英傑に相応しい懐の深さを持っているけど、一方で人間的に素直過ぎる人物と言えなくもないね
    董白が兵站で困窮する自分の手元に転がり込んできてもすぐにはそれを最大限利用しようとしない。そこに英傑として、大人として、男として一線を引こうとする
    その姿は格好良いけれど、手段を選べる段階では手段を選んでしまう姿勢は曹操に劣っていると言われても仕方ないものだったのかもしれないね……


    それとは別の方面で馬超と趙雲の仲に進展が有ったね
    第2巻末の頃から董白軍の中枢を成す双璧だったのだけど、馬超は董白が大好き過ぎだし趙雲は女性が大の苦手。あまりに相性が悪かっただけに反発が起きればまだマシな方といった有様だった
    けれど、南方に攫われた董白を迅速に救い出すには一致団結の必要がある。そこに打倒呂布も絡んでくると成れば尚の事

    そんな最悪の仲が改善されるきっかけが何で有ったかを明確に語るのは少し難しいけど、あるとすれば本物への憧憬?
    死んだ兄の功績を引き継ごうと兄の代わりになったものの偽物から脱せない馬超
    凡夫なりに努力して努力に重ねても本物の才能には敵わない趙雲

    その2人が対峙することになったのは本物の天下無双である呂布だったのが逆に良かったのかもしれない。必死に足掻く者をあざ笑い、必死に努力する者をあざ笑い…
    本物の武として他者を蹂躙する呂布を相手取ったからこそ、2人は細かい遺恨を抜きにして協力しなければならなかった
    それが超絶の連携プレイを生み出すのだから不思議なもの

    結局、2人は仲良く成れたのか成っていないのか…
    何はともあれほんの少しでも歩み寄りが出来たなら2人は董白を支える逸材としてまた一歩成長できたということだろうね


    呂布や孫堅が沈み英傑たちの版図は更に見通せないものになった
    その中で誰からも注目されないまま静かに義王としての表舞台に経とうとしている劉備がそこはかとなく恐ろしい

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