たかが従姉妹との恋。 (ガガガ文庫 ガな 11-1)

著者 :
  • 小学館
3.86
  • (2)
  • (3)
  • (1)
  • (1)
  • (0)
本棚登録 : 46
感想 : 3
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・本 (302ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094531039

作品紹介・あらすじ

初キスの相手は四つ年上の従姉だった。 初めてキスをしたのは幹隆が小学六年生の時、相手は四つ年上の従姉「あやねえ」こと、中堂絢音。「みっくんはさ、私のこと。いつかは絶対に、忘れないと駄目だよ」だが、幹隆はいつまで経っても、あやねえのことを忘れられずにいた……。幹隆の祖父・中堂源一郎が死んだ。大富豪であると同時に恐ろしい女たらしだった彼にはたくさんの孫がおり、彼の遺言状により孫たちには都心にあるマンションの一室が与えられた。都内の高校へ進学し、そのマンションで一人暮らしを始めた幹隆は、懐かしい人物と再会する。同い年の従妹・真辺伊緒と、その双子の妹の真辺眞耶。彼女たちもマンションの一室を相続したことで、故郷の三重から東京へ越してきたのだ。互いの部屋を行き来してのお泊り会など、幹隆にとっては不本意ながらも彼女たちとの賑やかな日常が始まる。そんなある日、幹隆はマンション内であやねえと再会する。彼女もまた同じマンションの住人だったのだ。大学二年生になった彼女は、幹隆の鮮烈な記憶の中のまま美しく成長していて……。初恋の相手は四つ年上の従姉だった――甘くて苦い恋物語。

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 「いとこ」とは血縁がありながら、恋人にも夫婦にもなれる特別な関係。高校入学を機に単身大宮から上京した幹隆と、四歳年上の初恋の従姉・絢音、そして高校で再会した同い年の従妹・伊緒と眞耶による青春物語。いかにも思春期の少年少女たちの心の揺れ動く様がとても美しい文章で綴られていて、青春映画を観たような印象を受けました。この従姉妹関係に幹隆が気になっている同級生の凪夏が加わり、かつ年上の絢音が何を考えているか分からないので、恋愛物語としてどこを目指すのか今のところ不明。だからこそ、今後の展開が大いに気になるのです。

  • 恋愛に対する感性が異なる従姉妹たち織り成す、青春物語。
    作品全体に渡るしっとりとした雰囲気は、独特の読み心地。
    「いとこ」という、血縁だけど結婚できる絶妙な距離感の存在を軸に、心を揺さぶる様々な仕掛けをが展開されるお話で、とても良かったです。
    絢音の幹隆に対する態度の変遷など、絢音が何を意図して行動しているのか作品全体に渡って読み取れない箇所が多く、色々気になりました。
    後2人ぐらいは従姉妹のストックがありそうだし、今後の展開も非常に楽しみです。

全3件中 1 - 3件を表示

著者プロフィール

1992(平成4)年生まれ。三重県津市出身。東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。第22回スニーカー大賞・特別賞を受賞し、デビュー。将棋アマチュア二段。

「2023年 『シュレディンガーの容疑者 学者警部・葵野数則』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中西鼎の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×