さようなら、私たちに優しくなかった、すべての人々 (ガガガ文庫 ガな 11-3)

著者 :
  • 小学館
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本棚登録 : 187
感想 : 7
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  • Amazon.co.jp ・本 (408ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094531442

作品紹介・あらすじ

姉を殺した七人への復讐に少女は命を捧げた 四方を山に囲まれた田舎町、阿加田町。この町の高校に通う中川栞は、いじめを受けて不登校になっていた。ある日、栞の家に同居人として佐藤冥がやって来る。誰にも心を開かない冥は、この町へ来た目的を栞だけに告げた。「姉を死に追いやった七人の人間を皆殺しにしてやりたいの」三年前、冥の姉・明里は、この町で凄惨ないじめに遭い自ら命を絶っていた。その復讐のために、冥はここへ戻ってきたのだ。冥は阿加田神社に伝わる血塗られた祭儀『オカカシツツミ』を行い、巨大な蛇の神『オカカシサマ』を自らの身に宿らせることで、七人の人間を殺していく計画を立てていた。夏至の夜、冥は儀式を成功させる。それから一日に一人ずつ、冥は神様の力を借りて、栞と共に姉の死に関わった人間を殺していく。復讐と逃避行の日々の中、いつしか二人は互いに恋愛感情を持つようになる。だが冥は栞に、一つの隠し事をしていた。それは『オカカシツツミ』を行った人間は、最後には自らの魂を神様に捧げなければならない、つまりは〈冥の死〉が避けられないことを。「ジャンプ+」でも人気爆発中の、今一番キテる作家が送る、残酷青春ラブロマンス!!

感想・レビュー・書評

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  • いじめ、復讐を題材とする作品は多いが、これほどまでに被害者の黒々とした心情を描いたものは見たことがない。
    自己肯定感を地の底までに貶め、卑劣な言動で脳を蝕む様は詳細には描かれてはいないが、実際に死を選ぶまでの思考の過程がリアルだった。
    復讐劇を題材としているが、一人一人への復讐があっさりとしたものであり、復讐者が追い詰められるようなシーンはありはするが、絶対的な力があるのはとても良かった。

  • いじめ、自殺、復讐がすぐ頭に浮かぶ小説なので、今心が弱ってる方はおすすめしないかな…
    まぁ、ハッピーエンドなんで、読んでください。
    あ、B級映画好きな人なら、楽しめそう…かも笑

  • とにかくこの作品は佐藤明里のエピソードのインパクトがヤバい。翔真の行った酷いことについて具体的な表現はあまりされてないにもかかわらず、壊れる瞬間の描写がエグい。自身を責めて追い込んでいく、黒く染まっていく心情が嫌でも伝わってきた。ガガガ文庫、よくこんな作品を出版したな(褒め言葉)

  • これはまたすごい。端的に言うと、土着の神様 『オカカシサマ』の力を使った復讐劇。
    神様を使役した行動のおどろおどろしい描写、そして讐劇の悲惨な背景など、暗いストーリーで心にダメージもありますが、独特な作風で楽しく読めました。
    特に、オオカカシサマの使役による復讐は、独特かつ恐ろしいもので、本作特有の面白さがあったと思います。
    本作はこれにとどまらず、復讐劇を通じた冥と栞の恋模様が描かれているのが凄い。復讐劇というある種の特殊状態における恋模様は、悲しくも愛おしく、そして切なく感じました。

  • 背ラベル:913.6-ナ

  • 残虐な復讐と神なるものへの対価から凄惨な終わりを予感させるが、ラストはあっさりと幸福な結末に終着した。これでよかったのか?

  • いじめの内容が酷くて、明里が壊れてしまった表現がとてもリアル。読む前はミスミソウを想像したけど、ファンタジーだった。
    復讐対象の7人を残りこのページ数でどう倒すつもり?と不安になるも、超能力でサクサク復讐を遂げていく。期待した部分がちょっとあっさり過ぎたかな…
    最後はまさかのハッピーエンド?オチは好きです。

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著者プロフィール

1992(平成4)年生まれ。三重県津市出身。東京大学大学院工学系研究科修士課程修了。第22回スニーカー大賞・特別賞を受賞し、デビュー。将棋アマチュア二段。

「2023年 『シュレディンガーの容疑者 学者警部・葵野数則』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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