なわばりの文化史: 海・山・川の資源と民俗社会 (小学館ライブラリー 123)

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  • Amazon.co.jp ・本 (270ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784094601237

作品紹介・あらすじ

自然はだれのものか?山野河海の恵みを享受しつつ、資源を枯渇させないために生み出された「なわばり」の知恵。古来の自然観から探る、資源利用と環境保護の将来像。

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  • ・ダシの原料は、南ではトビウオとカツオだが、北ではコンブ。海藻についても、四国や九州ではホンダワラになる。
    ・縄文時代は、半径5km前後を狩猟のテリトリーとしていたと推測される。
    ・中世後期から近世にかけて、山野河海について村内・村間で入会協定が結ばれるようになった。明治時代の地租改正によって山野の入会地が国有林として没収され、海も国のものとされて漁業者に対して免許を与える形になった。
    ・ヨーロッパのコモンズは人間中心主義の思想。日本では、共有地は人間が一時的に借用して、使い終わるとカミに返すものと考えた。
    ・資源を管理する方法として、科学的で普遍的な方法と、民俗的な方法があるが、民俗的管理は数百年以上の歴史と経験をもとにしており、地元の人々がその意味を理解している点に強みがある。

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著者プロフィール

1946年生まれ。山梨県立富士山世界遺産センター所長。総合地球環境学研究所名誉教授、国立民族学博物館名誉教授。生態人類学。理学博士。
京都大学理学部動物学科、東京大学大学院理学系研究科人類学博士課程単位修得。国立民族学博物館民族文化研究部長、総合地球環境学研究所研究部教授、同研究推進戦略センター長・副所長を経て現職。
著書に『明治~昭和前期 漁業権の研究と資料』、『魚と人の文明論』、『サンゴ礁に生きる海人』『越境するコモンズ』『漁撈の民族誌』『海に生きる』『コモンズの地球史』『クジラは誰のものか』『クジラとヒトの民族誌』等多数。

「2024年 『海とヒトの関係学6 海のジェンダー平等へ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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