- Amazon.co.jp ・本 (127ページ)
- / ISBN・EAN: 9784096070192
作品紹介・あらすじ
絵巻『熈代勝覧』は、今から200年前、文化文政期の江戸、今川橋から日本橋までの大通りを俯瞰描写した12mの大作。越後屋(現・三越)や木屋など88軒の問屋や店、魚河岸の賑わい、さまざまな職種の人びと1671人がいきいきと描かれている。丹念に描き込まれた町並みからは都市構造や建築史的に見ても多くが読みとれるし、看板や暖簾などに小さな文字で書き込まれた多種多様な情報が、作品のリアリティとなっている。本書は、近世の風俗・文化・美術に詳しい江戸東京博物館教授の著者とともに、見れば見るほど面白い、この絵巻をじっくりと読み解き、活気あふれる江戸のメインストリート・日本橋の日常にタイムスリップして存分に味わう。
感想・レビュー・書評
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ちょーーーおもしろい!
江戸の一般市民の絵巻の解説本です。
笑えます。
関心もします。
図書館でかりたけど、
おもしろすぎてアマゾンでそっこーぽち。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
江戸時代が好きで、ビジュアルに知りたい方には超お勧めの一冊です。
ベルリン東洋美術館に所蔵されている「熈代勝覧(きだいしょうらん)」という絵巻の解説本ですが、この絵巻がとてもすばらしい。1999年に日本の専門家によって認知されたばかりというのも話題性がありますね。
12.3mもの長さに1805年当時の日本橋通りが、店の暖簾など写実的に精密に描かれ、行きかう1671人もの人々が実に活き活きと描写されています。そのうち約60組にクローズアップして解説している文章が本当に面白い。「粋な二人虚無僧」「あやしい金貸し」「妙に浮いてる二人連れ」などなど。
江戸文化に精通する著者の軽妙な文章、とても楽しめます。
これだけの大作を描いた絵師についてですが、残念ながら署名がないため不明で、またいつどのようにしてドイツに渡ったかも謎だそうです。
企画者として推定されているのが、当時人気戯作者であり絵師であり、町の考証学者でもあった山東京伝という人物です。京伝は他に、街頭風景や人々の姿を写実的に描いた絵に文を添えたものを出版していますが、それには「ももとせ(百年)の後の人の参考」になるに違いないという思いを託しています。
たとえ「熈代勝覧」が京伝のプロデュースでなくても、この作品にも同様に、「後世の人々に今の自分たちの姿を伝えたい」という思いがこめられていることに間違いはありません。200年前のわれら祖先の思いを受け止めるような、そんな喜びも味わえる一冊です。本当におススメ!-
コレ良いですよね。江戸の人が、グっと身近に感じられて。。。
現代の絵師、一ノ関圭が描いた2冊も良いですよ。岩波書店 塚本学「江戸のあかり ナ...コレ良いですよね。江戸の人が、グっと身近に感じられて。。。
現代の絵師、一ノ関圭が描いた2冊も良いですよ。岩波書店 塚本学「江戸のあかり ナタネ油の旅と都市の夜」。服部幸雄「絵本 夢の江戸歌舞伎」。2012/09/01
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本書は、ドイツのベルリンで見つかった巻物
『熈代勝覧』を解説した本です。
その巻物には今から200年ほど前の江戸、
今川橋から日本橋の大通りを俯瞰した画が
書かれていました。
88軒の問屋や店、1439人の男、200人の女、
32人の子供のほか、犬、馬、牛、猿、鷹など
が登場する、いきいきとした風俗絵巻です。
観ていて楽しくなる本です。