源氏物語(1)日本古典文学全集 12

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  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (480ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784096570128

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  • 「日本古典文学全集『源氏物語』」(全6巻)は、「新編日本古典文学全集『源氏物語』」(全6巻)の前身に位置し、前者を「旧全集」、後者を「新旧全集」と分けて呼ばれることもある。この「日本古典文学全集12『源氏物語』(第1巻)には、桐壺、帚木、空蝉、夕顔、若紫、末摘花、紅葉賀、花宴が収録されている。

    小学館の古典文学全集のセールスポイントは、本文を中段に置き、上段に頭注、下段には現代語訳という3段組みのレイアウトにしているところ。同一ページに本文と頭注と現代語訳を配置することで、本文を読みながら内容もすぐ確認できるというのが便利であり、それは「新全集」にも受け継がれている。

    さて、『源氏物語』を「旧全集」と「新全集」で比較すると、両者ともに同じ執筆陣が同じである。また、大島本を主たる底本に据えており、本文表記に若干の違いはあるものの大枠では大きな違いはない。ただ、内容的には「新全集」のほうが、新しい研究成果が反映されているという点と、より読み易するために二色刷りを採用したという点、現代語訳がより洗練されているという点で優れている。しかし、研究目的ではなく普通に『源氏物語』読むということなら、こちらの「旧全集」でも充分に堪能できるだろう。古書で購入するにしても、「新全集」よりも比較的安価だし、カラーの口絵も楽しめる。

    なお、「日本古典文学全集」の普及版に「完訳日本の古典」(全60巻:絶版)があり、その14巻より23巻までの10巻が『源氏物語』にあてられている。携行しやすいように版型が小さくなっていのだが、10巻すべてを本棚に並べると「日本古典文学全集『源氏物語』」(全6巻)よりもスペースを取ってしまう。実際に図書館で借りて読んだのだが、本の前半部分に原文と脚注、後半部分に現代語訳が分けられている。その体裁は角川ソフィア文庫の『源氏物語』(全10巻)と同じなのだが、単行本の場合は勝手が悪い。扱い辛さと、既に絶版であるという理由で、「完訳日本の古典」版『源氏物語』(全10巻)についてのレビューはしない。

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