花と人と生きものたち: 丸木スマ画集

著者 : 丸木スマ

制作 : 丸木 位里  丸木 俊 

• 小学館 (1984年11月1日発売)

感想・レビュー・書評

[tomoclipさんの感想 · 2008年12月10日]

原爆の絵でおなじみの丸木位里さんの実母は、広島の山奥育ちで１５時からずっと働きづくめだった。そんなスマさんは息子夫婦に刺激を受けたのか、絵を描き出したのが７４歳。８１歳で亡くなるまでの間、天真爛漫びっくりするほどに迫力のある絵を残した。
「色と色を張り合わせねば・・・」とか、ピカソやマチスの絵を見て「わしに似た絵を描くひとがおるもんじゃ」と看破する。絵ごころが炸裂する。アメリカのグランマ・モーゼスより自由な人だ。

こだわりをなくしたところに広がる生きる歓びがあふれていて、もう言葉はない。オリジナルを是非観たい。

著者プロフィール

原爆の図丸木美術館蔵作品（簪・とうもろこし・やさい・仙人・柿もぎ・もくれん・つつじ・母猫・めし）
広島県立美術館蔵作品（蝶・動物）

「2008年 『遠くて近いものたち 山中利子詩集』 で使われていた紹介文から引用しています。」