スターリンの正体: ヒトラーより残虐な男 (小学館新書 438)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098254385

作品紹介・あらすじ

1000万人以上を死に追いやった暴君 『ヒトラーの正体』『ムッソリーニの正体』に続く、舛添要一氏の独裁者シリーズ第3弾。現在、ウクライナ戦争を引き起こし、世界から様々な制裁を受けているロシアの独裁者プーチン。彼が手本とする政治家が、約30年間にわたり独裁者としてソ連に君臨したスターリンである。スターリンは1000万人から2000万人にも及ぶ人々を死に追いやり、徹底した恐怖政治を行った。猜疑心が強く、身近な同志までも次々に粛清していく様は、ヒトラー以上の残虐さである。このスターリンの思想、行動を詳細に辿り、ヒトラーやムッソリーニとの比較も行う。そして、いまなお世界を彷徨う「スターリニズムの亡霊」の危険性を露わにする。

感想・レビュー・書評

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  • 共産主義の第一人者であるスターリンについて、政治学者の立場から考察されている一冊。
    前著『ヒトラーの正体』『ムッソリーニの正体』と同様、一般に広く伝えたいという著者の意志が読みやすさから感じられました。
    革命家時代から第二次世界大戦、戦後処理と冷戦、そして死亡までが解説されています。
    第二次世界大戦前後において、連合国側のキーパーソンとなるスターリンが詳細に研究されています。
    ヒトラー、ムッソリーニは枢軸国側の狂犬でしたが、スターリンは連合国側のそれと言えるほどの危険人物でした。
    彼が指導者としてどう采配を振ったのかがよく理解できる良書です。

  • ヒトラーがいちばん人を殺してると思っていたけどスターリンの方がもっともっとたくさんの人を殺していた。このスターリンを尊敬しているプーチン。考えるだけで恐ろしくなった。

    指導者のメンバーは独裁者の恐怖によってひとつになったはずなのに、同じことがまた繰り返されてるのはなんでだろうか。悲しい。戦争が早く終わって欲しい。

  • ヒトラーから、ムッソリーニ経由の、舛添先生の「正体」シリーズ三冊目。

    かなり、ヒトラーとムッソリーニにも触れているのでこれで相当稼げる気はするが、なんつか。

    面白くないなあ。

    一通り分かるんだよね、スターリンのことが。
    でも、何突っ込んでるわけでもなく、他にも沢山?研究書が出てるだろうに、こんな通り一遍の新書を出す必要があるのか。それとも出てないのかな?
    いや、本としては、スターリンて誰だっけ、みたいに読むんなら軽くていいと思うんだけど、あの時代の独裁者の系譜を語るにしては、薄すぎる。
    もう一度、ヒトラーからスターリンまで、一連の本として何があったか、なぜこの時代に怪物が出て来たのか、検証し直して、書き直したほうがいいんじゃないのかなあ。

    先生、「頭いい」割には、薄っぺらい内容しか書けないのだろうか。
    「頭いい」からなんだろうか。

    ここまで来たら次はマオさんかな。

  • スターリンの残虐さがよく理解できた。ヒトラーやムッソリーニとの比較が分かりやすかった。とにかく共に革命を成し遂げた仲間であっても容赦なく殺す。その戦慄を覚えるほどの無慈悲さの背景には異常なまでの猜疑心があるということも、よくわかった。
    ただ歴史上の出来事がやや無機質に羅列されている箇所が多く、意味を調べないと分からないカタカナ固有名詞も多く多少苦労した。

  • 1078
    ナチスの人種差別して殺していくより、共産主義の国自体を腐らせてそこに居る国民を殺していく方が恐ろしいと思った。日本に日本ナチス党が無いのに、日本共産党があるのは何でなんだろう。

  • 目新しいことは、何も書かれていない。

    大昔の、マル経が幅を利かせていた時代の話なんか、今頃して、どうする?

  • プーチン・ロシア大統領が手本とし、ロシア国内で大きな支持を得ているスターリン。

    そのスターリン体制下で1000万~2000万もの人たちを処刑などで亡くなった、とされている。なかでも夥しい数の農民が犠牲になっており、〈この農業集団化こそが、じつはスターリンの独裁の象徴であり〉、〈工業化を加速するために、農民から穀物を奪い、ノルマに達しない場合にはクラークの烙印《らくいん》を捺《お》して虐殺していきます。処刑されるか、餓死するかの道しかない農民は、虫けらと同じように扱われます〉。ちなみにクラークとは富農ことであり、〈クラークが手元に穀物を隠匿しているとして〉、〈弾劾されることになります〉。そして、虫けらと同じように扱われる、というのは、〈まさに「没個性化」、つまり「大衆の原子化、無形化」であり、人間が「取り換え可能」になっている〉ことであり、でなければ、多くの人を、死に追いやることはできない。

    スターリンの残忍さは、ムッソリーニやヒトラーのそれとかけ離れている。〈スターリンの場合は、政権樹立そのものからして暴力によるものでした。そして、暴力を使って独裁体制を強化していったのです。政権を獲得するのにともに苦労した仲間まで、定期で粛清し、弾圧した点ではスターリンの非道さは群を抜いています〉。これは猜疑心、というより、フルシュチョフが、スターリンを没後、批判した際に用いた「個人崇拝」の維持のため、という面が大きいのでは?

    そして何より、第二次大戦でのソ連の戦死者数の多さに、驚く。軍人約1000万人、民間人約1700万人で、ドイツが900万人(軍人550万人、民間人350万人)、日本が310万人(軍人210万人、民間人100万人)イギリスが45万人(軍人38万3000人、民間人6万7000人)、アメリカが41万8000人(軍人41万6000人、民間人2000人)、戦況の違いもあるが、ソ連のみ、民間人の戦死者の方が多いこと、に注意しなければいけない。ウクライナ戦争の現在にあっても、その思考は生きているのではないだろうか。

  • スターリンの恐怖政治は凄い。古参の幹部に恐怖を与えるため、若者を入れた多人数の会議体を創り、いつでも粛清できるようにするなど。

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著者プロフィール

舛添要一(ますぞえ・よういち)

 1948年、福岡県に生まれる。1971年、東京大学法学部政治学科を卒業し、同学科助手。パリ大学現代国際関係史研究所客員研究員、ジュネーブ高等国際政治研究所客員研究員などを歴任。1989年、舛添政治経済研究所を設立。2001年、参議院議員選挙に出馬し、168万票を得て当選。 2005年の自民党「新憲法草案」のとりまとめに際しては中心的な役割を務め、2006年からは参議院自民党の「ナンバー3」政策審議会長を、2007年からは厚生労働大臣をつとめる。2014年、東京都知事に選出される。
 著書には、『母に襁褓をあてるとき―介護闘い日々』(中公文庫)、『内閣総理大臣―その力量と資質の見極め方』(角川oneテーマ21)、『永田町vs.霞が関』『日本新生計画』『日本政府のメルトダウン』『憲法改正のオモテとウラ』(講談社)などがある。

「2014年 『母と子は必ず、わかり合える 遠距離介護5年間の真実』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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