受験生のための 現代文読解講座 (教育単行本)

著者 :
  • 小学館
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  • Amazon.co.jp ・本 (189ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784098373901

作品紹介・あらすじ

読解には「正しい」方法論があるのです!

読解には「正しい」方法論がある!これが本書の主張です。
「え~っ? そんなバカな!」と思った方や、国語が苦手な理系の方にこそ読んでいただきたい、現代文読解術の画期的指南書が本書です。
現役の高校教師でもある著者が、「冒頭部の文を精読する習慣を付ける」、「言葉を映像に転換する作業を怠らない」等々、目からウロコ、それでいて地に足の着いた実戦的メソッドを、入試問題の実例に沿って、明快に解説します。
だまされたと思って、3か月、この方法で努力してみてください。
目前に迫った大学入試はもちろん、一生使える「本物の力」が身につくはずです。

感想・レビュー・書評

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  • 大学受験現代文を題材に、ていねいに読解を進めていく方法を解説した本です。

    書かれていることを確かめ、不足している情報がどのように埋められていくことになるのかという疑問を持ちながら文章を読み進めることで、「どこをどう歩いているか」を明確にしていくというスタンスで書かれています。

    受験現代文と言えば昔も今も出口汪の参考書が有名です。出口も「センス」を排して「論理」的な読み方を重視するというスタンスを取っており、その点は評価できるのですが、「A=A’」に代表されるその「論理」は、じっさいに問題を解く上では粗すぎるところがあるように思います。その意味では、「正確に読む」プロセスを実直に示している本書のスタンスには、たいへん共感できました。また問題の解説においても、著者自身の「深読み」を示しつつ、選択肢と照らし合わせることで出題者の狙いに沿った読解の仕方へと修正をおこなうプロセスが示されており、有益ではないでしょうか。

    実際に取り上げられている入試問題は、評論文と小説文が各1題ずつで、どちらも素直な問題ばかりです。ていねいな分析をおこなっているので、分量が少ないことは仕方がないとは思いますが、扱われているのがすべて選択問題というのは少し残念に思います。上級編の刊行を待ち望みます。

  •  昔から国語は得意でした。小学生の頃から、塾で、学校で、国語だけはなかなかの成績をマークし、中学の頃には数学の先生からは「あいつは国語だけはできるんだよ」と力説されるほど。正直、国語の成績が悪い奴が何でできないのか理解できなかったし、同様に自分が何故国語が得意なのかもわかっていませんでした。書いてあることをそのまま受け取って、そのまま答えているだけなのだから、それが特殊な何かだとも思えなかったのです。しかし、高校生となり、周りが塾・予備校で「現代文」の授業を受けるようになると、あっという間に成績は転落。それまでの「書いてあることをそのまま答えればいい」というやり方が通用しなくなったのだと焦る結果となりました。

     さて、本書。本書は受験国語において「フィーリング」と呼ばれ、否定されているようなものを極限まで高めようとする内容。鈴木先生の本を読んだのは『子どもの国語力は「暗読み」でぐんぐん伸びる』に続いて2冊目ですが、その一貫した国語観には非常に好感が持てちゃう☆
     ただ、こと受験国語について言えば、やはりその不安定さは否めない。本書の内容を否定する気はありませんし、むしろ中学生や高1、高2くらいまでは本書にあるようなトレーニングを積むのは有効だとさえ思います。が、これだけで全部が全部、うまくはいかないのが大学入試の現代文かと。なにより、大学受験生は本書だけでは不安を拭いきれないと思う。基礎トレーニングだけでは甲子園に行くことはできず、やはりバッティング練習や守備練習は必要なわけです。結局のところ、国語系読み物の域に留まり、学習参考書ではないということで。


    【目次】
    はじめに
    第一章 文章の読み方
    第二章 入試現代文との向き合い方
    第三章 実践編 その一
    第四章 実践編 そのニ
    あとがき
    《引用文献》

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著者プロフィール

鈴木信一(すずき・しんいち)
1962年、埼玉県生まれ。横浜国立大学教育学部国語科卒業。
現在、埼玉県の公立高等学校に勤務。2007年、早稲田大学文学研究科派遣研究員。
著書に、『800字を書く力』(祥伝社新書)などがある。

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