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- Amazon.co.jp ・マンガ (208ページ)
- / ISBN・EAN: 9784098501632
感想・レビュー・書評
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どんどん良くなっているな〜
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「人間なんてだいたい皆病気なんだから、それと上手く付き合うしかないよね」
世の中に適応できない、出来ても無理を感じてしまう、そんな人間に対し、このマンガはとても甘い誘惑をはらんでいる。
本作は吸血鬼という人外の存在を通し語ることで、実に嫌味なく、人間社会に潜む不和を切り捨てているように感じる。それは言ってしまえば、社会に溶け込むことなんて大した価値はない、ということであり、どちらかと言えば一個人としての価値観や自己肯定の方に重きが置かれているということだ。主人公・矢守は人間であるが吸血鬼的視点から物語を見ているため、そういった主張が説教臭くならないのに好感が持てる。
私がこのマンガに救われている時間、それはまさに作中の夜更かしのようなもので、本作から離れたとき、目を背けていた現実の問題は依然としてそこにある。そしてそれは、矢守にとってもまた同じなのだ。この第4巻から矢守の直面する現実の問題は夜の景色をどう変えていくのか、非常に楽しみである。