ダウンタウン・ヒーローズ (新潮文庫 は 13-3)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (350ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101006338

感想・レビュー・書評

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  • 戦中戦後の、著者が子どもだった頃から旧制高校生だった頃までのことがユーモアのある文体で書かれている。
    どこまでが事実で、どこからが創作なのかわからないけど、時代に翻弄されて悲しい運命を辿った懐かしい人々への鎮魂の譜でもあるのかなと思った。
    女相撲の章に描かれる女力士たちの大らかさ、艶やかさ、彼女たちのその後は特に胸に残る。

    子ども時代から順を追って書かれているわけではなく、行ったり来たりします。

  • 旧制高校について調べているうちにこの本の存在を知り、読んだ。
    作者早坂暁氏の自伝的小説であるが、旧制松山高校の学生が主人公である。
    戦中戦後の混乱、遊郭、ヒロポンなど当時の空気がよく伝わってくる。
    力まず書かれた著者の文章に引き込まれ、気づいたら読み終わっていた。
    文章は軽いのに心に迫るところがあるのは、著者の体験がもとになっているためだろうか。
    戦後がどんな時代だったかを知るのは小説が良い。データにはならない空気が伝わるから。

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著者プロフィール

早坂 暁(はやさか・あきら)
1929年、愛媛県松山市生まれ。作家。本名、富田祥資。日本大学芸術学部演劇科卒業後、新聞社編集長、いけばな評論家として活躍しながらテレビシナリオを書き始める。以後、小説、映画シナリオ、戯曲、舞台演出、ドキュメンタリー製作を手がける。
代表作に、「夢千代日記」「花へんろ」「天下御免」「天国の駅」「ダウンタウン・ヒーローズ」「華日記」「公園通りの猫たち」などがある。新田次郎文学賞、講談社エッセイ賞、放送文化基金賞、芸術選奨文部大臣賞、紫綬褒章、芸術祭大賞、モンテカルロ国際テレビ祭脚本賞、放送文化賞ほか受賞多数。2017年12月16日没。

「2019年 『この世の景色』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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