絶滅危惧職、講談師を生きる (新潮文庫)

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  • Amazon.co.jp ・本 (252ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101015910

作品紹介・あらすじ

かつて落語を凌ぐ人気を誇った講談は、戦後存続を危ぶまれるほど演者が減った。しかしここに、新たな光が射している。風雲児の名は、神田松之丞。確かな話術と創意工夫で高座に新風を吹き込み、二ツ目ながら連日満席の講談会や寄席に新客を呼び続けている。真打昇進と同時に六代目神田伯山を襲名する彼は、なぜ講談に生きる覚悟を固め、何処を目指してゆくのか。自ら語った革命的芸道論。

感想・レビュー・書評

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  • 時々テレビ等で見かけた神田松之丞氏。生い立ちや学生時代、講談師になったきっかけ、入門してからのこと等多岐に渡って対話形式で語られています。芸に真摯に対峙してる事がよくわかりました。真打ちに昇進してからの活躍が楽しみです。

  • 伯山先生がどんな風に講談界を引っ張っていくのか楽しみにしています。
    生で是非講談聴きたいと思います。

  • 昭和の頃には「漫談」というジャンルがあり、関西では西条凡児・浜村淳・上岡龍太郎がその代表格。それぞれの話芸を生んだ背景には、西条凡児=落語、浜村淳=漫談、上岡龍太郎=講談 の芸脈が流れていた。

    上岡龍太郎の、あの立て板に水の流暢かつ抑揚の効いた口調と理路整然とした語りの裏には、講談の影響があったわけですな。確かに、歴史上の出来事を語る口調は講談師の軍記物語りそのものだった。

    さてその講談。かつては落語と並び称せられるぐらい人気を誇ったものの戦後は徐々に人気に陰りをみせ、存続を危ぶまれるほどに。自然の成り行きで演者も減り、「絶滅危惧芸能」の扱いを受けるようになって久しい。

    そんな限界集落的芸能の世界に飛び込んだひとりの青年。浪人時代に談志落語の洗礼を受け、おっかけに。以来、落語・歌舞伎・浪曲等のあらゆる舞台や高座を聴きまくり、中でも神田伯龍の講談に衝撃を受け、講談師を志す。本人が自嘲して語る“寄席育ち”で、講談師 三代目 神田松鯉に入門。神田松之丞を名乗る。弟子っ子修行では着物をたたむこともできない落ちこぼれ。ひとたび高座に上がれば、前座でありながらいっぱしにマクラを話す生意気さを発揮。

    それを咎めることなく温かく見守る師匠 松鯉。「生意気といわれる子の方が伸びる」と語る。人間的魅力にあふれた師匠のもとで修行を積み、確かな話術、迫力ある口跡、落語から得た芸風の広さと創意工夫で松之丞講談を確立。大名跡 六代目『神田伯山』を襲名。

    松之丞は語る。「うちの師匠を選んだのは、僕の中で最良の選択であった。完璧だった」と。方や師匠 松鯉は「これからの講談界を背負って立つ逸材」と語る。

    「生意気さとビッグマウス」。これを求道者の証と解す師匠。期待に応え出世を果たし、今や講談界の牽引者に。昨年、師匠 松鯉は人間国宝に弟子 松乃烝は本年真打に。この師匠と弟子の関係は、現代版『父子鷹(おやこだか)』としても読める。

    講談という古典芸能がこんなに奥深く、面白いとは…。一度YouTubeの松乃烝の講談、ご覧あれ。たちまちにして引き込まれます。

    松乃烝の「寄席育ち」という出自が講談に新鮮味を与え、“講談にわかファン”を急増させている理由に膝を打つ快著。

  • ‪来年真打昇進&伯山襲名する人気講談師のヒストリー。なぜ滅びかけていた芸の講談を目指したのか?ラジオやテレビなどでは知り得ない芸に対する思いが伝わってくる。講談師神田松之丞への興味が強く唆られる。‬

  • 神田伯山の生い立ちから、知ることができた。偉大なことをしているのに、偉大ぶらないけど、たまに偉大ぶるとこが、好き。

  • 神田伯山はすごい先の事を計算して考えているなって思った。
    ここまで考える人が成功する人なんだなと思った。
    この伯山の考え、今の自分の仕事(接客業)に繋がるなと思ったので、色々と参考になった。
    ビジネス書かと思ったw

  • 引き続き芸人さんの本を読んでみよう。継続中です。
    今まで読んでみた芸人さん本とは少し毛色が違う伝統芸能・講談師さんの本です。
    今は真打昇進を機に神田伯山の名を襲名された伯山先生の松之丞時代が主な内容の本です。
    松之丞さん(当時)きっかけで講談を聴いてみるようになりこの本を読んでみようとずっと積んであったのですが、いい機会でした。
    生い立ちから前座、二ツ目、真打への軌跡を縦軸に、講談を再び世に広める使命等々が語られていてとても興味深かったです。
    講談に対する未来のヴィジョンの明確さの凄味。色々な分野で革新を為す人物というのは他者には見えないものが見えるものなのかと圧倒もされました。
    松之丞さん(当時)を知ったきっかけは、2年くらい前のナイツ土屋さんとのお年玉出産祝い論争のラジオで、松之丞さんのラジオも時々聞くようになりました。(最近のラジオは個人的にはめんどくさかったり、しつこかったり、器が小さかったりの伯山先生の人格が悪い方に作用した回も多く困ったら悪口なのが見えてしまって以前ほどたのしめなく聴く頻度が落ちましたが……。)
    神田伯山きっかけで、講談を知って聴いてみようとなる人は自分以外にもたくさんいると思います。
    講談を背負って立ち世に広めることを実現している。伯山先生の人格はともかく(ごめんなさい)講談界にとって本当にすごいことをなさっていますよね。

  • 読了 20210411

  • よくある有名になった人の最初に出る本かと思ったけど違って結構、自分の中に余韻が残る本だった。まず、神田松之丞が父を亡くしていたという、原点みたいなのがサラッと出てくる衝撃的な書き出しから、早い時点で神田伯山が神田伯山だったことがわかってくる。肯定的に書かれているのもあるけど、落研を批判して、とにかく見ておかねばと古典芸能の場に、信条のままに通い詰める。後から見ると、自分の芸への物差しみたいなものがちゃんとできるわけなんだけど、それができているのにびっくりするし、神田伯山って最初から神田伯山じゃん、っていうか、天才って言われる所以ってそういう執着っていうか、そういうところだよね。あと、美談風になってるが、色々も計算もして、立ち回っている。この感想も掌の上。そういうことができる人への素直にリスペクトだし、表現へのまっすぐな思いがかっこいいとも、素直に思える。読んだ後伯山チャンネル見ると面白い。いつか、伯山の勧進帳みたくなるよね。

  • ふむ

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著者プロフィール

日本講談協会、落語芸術協会所属。2007年11月、講談師・三代目神田松鯉に入門。2012年6月、二ツ目昇進。若くして、寛永宮本武蔵伝、慶安太平記、村井長庵、天保水滸伝、天明白浪伝、畔倉重四郎などの「連続物」や、「端物」と言われる数々の読み物を継承している。TBSラジオではレギュラー番組「神田松之丞 問わず語りの松之丞」を持つ。DVDに「新世紀講談大全 神田松之丞」、CDに「松之丞 講談 -シブラク名演集-」、「松之丞ひとり-名演集-」発売。著作に『絶滅危惧職、講談師を生きる!』(聞き手・杉江松恋/新潮社)、『神田松之丞 講談入門』(河出書房新社)。ムックに『Pen+ 完全保存版 1冊まるごと、神田松之丞』(CCCメディアハウス)。2020年2月11日、真打昇進と同時に六代目神田伯山を襲名。

「2019年 『講談えほん 西行 鼓ヶ滝 』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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