生きるとか死ぬとか父親とか (新潮文庫)

  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (256ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101025414

感想・レビュー・書評

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  • ラジオ番組を聞いてジェーン・スーさんを知った時にはドラマが終わっておりました。ラジオでのエネルギッシュな話し方や選ぶ言葉に共感して原作を読みたくなり本を手に取りました。スーさんの人柄と負けへんで精神と、お父様の色男ぶりと。楽しんで読めました。自分の人生もこれからどうなるのか不安もたくさんあるけれど負けへんで精神を見習います。禍福はあざなえる縄の如し。この言葉を私は無知で知らなかったのですが、なるほどと最後に心に残りました。
    是非ドラマの再放送をお願いしたいです。

  • ドラマが良かったので同タイトルの著作を読んでみました。
    ドラマは著作を忠実に作っていたんだなぁと思いました。
    ドラマを思い出しながら、吉田羊さんと國村隼さんの声で読んでます。
    戦中、戦後の話とか、私は全然知らなかったので、ドラマも本も、学びにもなりました。
    ドラマの下敷きになったジェーン・スーさんの他の著作も読みたくなりました!

  • 【一万円選書】読んでいて、父親と確執がない娘って少数派なのかもしれないな、と思う。心の中に淡い嫌悪も持ちながらなんだかんだと切れない縁。母親なしに父と向き合えるかといったら私は無理だなと思う。まだ全然こんな準備はできてないし著者みたいに仲良しできる自信はない。

  • 誰にでもやってくる老いと死と、親子の縁と情と、それにともなう愛憎と、テーマだけみるとウェッティーで重そうだけど、語りがカラリとしていて一気に読めた。
    私は死ぬのがかなりこわい。死を想像するときに思い出すのは祖母の死顔とその冷たさだ。結露した頬に触れたとき、祖母はもう人間ではなくモノと一緒だと思った。死は断定的なものであって、「ちょっとだけ死んでる」とか「いまは死んでる」とかいうことが、この世に起こり得ないことを実感した。死はただ死でしかない。どうしようもなさに打ちのめされた。
    まだ生きている父や母に、言いたいことや聞きたいことがあったら、生きている今のうちに済ませておこう。でも気恥ずかしい。そして面倒くさい。とくに言いたいことを言うのは、エネルギーがいるし、相手のカウンターを受ける覚悟も必要だ。
    だけど、最後に親に対して伝えることは、ありがとうだけにしたい。ありがとうの気持ちだけで見送りたいから、面倒くさくてもほかの気持ちはすべて言葉にして伝えておこう。心を通わせておきたい。いなくなっても繋がっていたいから。

  • 父とまっこうから向き合う冷静な娘の姿が見てとれる。 
    家庭には色々な形があるし、どう思うかも、家族との関係性・状況・感情さまざま。 
    娘もいないし、ダメ父になりたくはないが、子供は幸せにする そう信じてるし、だけれどストーリーとして向き合う姿勢に共感したものあり。

  • 【選書No】144

  • 私の父親への憎しみは大したことないなと思った

  • ポットキャストで大ファンのスーさん。トークも面白いけど、筆力もすごかった。自分の文章に溺れない俯瞰目線があり、読み手も情に流されそうになったところで、流れをバッサリ斬って下さる。かっこいい。「ありのままを書くつもりでいたのに、いつの間にか私は淋しさの漂ういいお話を紡いでいたような気がする」「父のために父を美化したかったのではない。私自身が『父がどんなであろうと、すべてこれで良かった』と自らの人生を肯定したいからだ」「父は空っぽになった場所を外で満たしたが、母は持て余す心をどうなだめたか。年月とともに変容していく関係を、二人はどう受け止めたのか」「私がずっと避けてきた、認めたくない事実。母はさみしかったということ。母は贅沢を知っていたが、無駄遣いを好む人ではなかった。正札がついたままの衣類は、そのまま彼女のさみしさだ」

  • 親子であっても別々の人間であり、よい距離感というものが必要であるとこの本を読んで再認識。親が生きているうちに色々な話を聞いておきたいという思いは自分自身も年々強くなってきておりとても共感した。

  • いわた書店の一万円選書で選んでいただいた一冊。たまに著者のラジオを聴いていて少し気になっていたけれど、購入して読むには至らず時が過ぎていた。選書リストにこのタイトルを見た時、何かの巡り合わせだなぁと思った。
    驚いたのは私が抱いていた著者のイメージと本書の中の娘としての著者があまりに違い、そして同時にまた奇妙なことにピッタリと合致する様な感覚を抱いたこと。強くしなやかな精神力、共感力と突き放す力を持っている肝っ玉の座った成功者の女性。そんな彼女に対するイメージは、読み進めるにつれて崩壊していきながらも再構築されていった。
    読書感としては、私自身の家庭とは程遠い親子像に戸惑い、著者にも”父”にも共感できなかった。正直に言えばなぜこの本が選書されたのか…と思いながら読み進めた。読み終えた今もその理由はわからない。けれど、読んでいる最中は、自分の親と、そして夫と娘と、今後どのようにして関わっていきたいのか…そんなことを常に頭の片隅でイメージしていたように思う。家族とは、当たり前の存在のようで、とても奇妙なもの。自分一人の手に負えるものではないけれど、どうにもならないものでもない。読了した瞬間、そんなことが自分の心に刻まれたような気がする。

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著者プロフィール

1973年、東京都出身。作詞家、コラムニスト、ラジオパーソナリティー。『ジェーン・スー生活は踊る』(毎週月~木曜午前11時TBSラジオ)に出演中。『貴様いつまで女子でいるつもりだ問題』(幻冬舎)で講談社エッセイ賞を受賞。著書に『私たちがプロポーズされないのには、101の理由があってだな』(ポプラ社)、『生きるとか死ぬとか父親とか』(新潮社)、『これでもいいのだ』(中央公論新社)、『ひとまず上出来』(文藝春秋)、『きれいになりたい気がしてきた』(光文社)など。

「2022年 『OVER THE SUN 公式互助会本』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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