黄色いマンション 黒い猫 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (208ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101034218

作品紹介・あらすじ

原宿の黄色いマンションに住んでいたことがある。アイドルとして忙しかった私の青春は、原宿と共にあったのだ。私にだって普通の日常があった――家族のこと、秘密の恋、猫との日々、生と死……。過去、現在、未来、変わり続ける街並みを見つめ、さまざまな時間を行き来しながら大切な記憶を綴ったエッセイ。文庫化にあたり、「和田さんの今日子ちゃん」他1編を追加。講談社エッセイ賞受賞。

感想・レビュー・書評

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  • 一万円選書の本!
    キョンキョンって本も書けるんだと初めて知った。アイドルで華々しい世界にいる人が、自然な日常を綴っていて、面白かった。

  • キョンキョンの若いアイドル時代の話など、あの人のことだろうな。。。と思う人物なんかも出てきて懐かしかった。キョンキョンのドラマ世代で育ってきているので、いつまでもキレイでかわいくて大好きです。

  • いゃ〜キョンキョン可愛いですよねー。いつも聞いていたポッドキャストの「ホントのコイズミさん」が終わってしまい残念で仕方ないです。

  • 一つ一つのエピソードというか、記されている瞬間瞬間がいきいきとしている。
    明るい思い出話、とかそう言う意味ではなく。
    亡くなってしまった命や、もの、空間、ひっくるめて生き続けている。

    特徴的で静かで芯のある心地よいご本人の声で、
    文章が動き出す感じがして、読んでいて落ち着き、
    出会えて良かったありがとうございますと、いちいち噛み締めながら一気に読んでしまった。

    時代や家庭環境、キャラクターは似ていないのに、
    どこか、自分の母親に似ていたり、妹や父、祖母、今どこでどうしているかわからないあの子を思い出したり。

    幼少期のきょんきょんが母親に感じている感覚は、
    自分が幼少期に感じていたことに。
    過去の映像を頭の中に流すところや、その鮮明さは
    今の自分に似ていたり。

    平成ど真ん中を生きてきた自分が共感するはずないのに、
    そんなこともあったねぇ、と、なにかに共感する。

    小泉今日子さんが家族や、流れる時間に抱く感覚や想いに、自分自身通ずるものがあるからかなと読了後に勝手に納得しました。

    後半の 四月某日の手記 では、

    直に家族について書いてあり、
    何気ないどこにでもあるなんでもないやりとりと、
    その先にある、
    「家族だね、血だね、血脈。脈々と繋いでいこうではありませんか!」
    で、あーそうそう私も祖父母が亡くなったタイミングでこう言うこと特に敏感に考え、感じ始めたなぁ、と思っていたら、
    「頑張れ妊婦!産めよ女子!私、全力で応援しますわよ。」の一文。

    妊娠しているタイミングで、
    小泉今日子さんの、この言葉に出会えたことが
    本当に幸せです。

  • いろいろ人付き合いとか生活の機微を丁寧に感じ取る繊細な精神を持っているけど、いちいち細かいことに流されたり囚われたりしないマイペースさも持っている人だなと思った。容姿も綺麗だしアイドルとして人気を得てチヤホヤされただろうけど、普通の庶民として育ったからなのか、ご自身のことや取り巻く環境を客観視できる落ち着きとか冷静さを持っているんだろうなと思った。ちょっと違うけど高峰秀子さんと同じ匂いを感じた。

  • 著者が長年通い、時には暮らしてきた原宿をキーワードとしたエッセイ集。昭和末期の青春がまぶしい思いがあれば、家族をめぐる人とは違う記憶もあり、現在の仕事の上での若者との関わりから、逝ってしまった大人たちのこともあり。アイドルという季節を過ぎ、その延長線で表現の仕事をしていると、振り返ることも多くなったに違いないし、彼女の後を数年遅れて追っている世代にもつい自分を重ねてしまうところもある。飾らなくそっけない文章も実に良い。

  • ユッコ(岡田有希子)のエピソードが書かれていると知って購入。本当にユッコがキョンキョンに会いに来たみたいだ。

    短いエッセイ集なので飽きずに気楽に読めるところが良かった。

  • 講談社エッセイ賞を受賞している作品とのことで気になった。穂村弘さんのエッセイ『鳥肌が』も同じ賞を受賞しているみたいで、気になった。むしろそっちの影響が大きいかも。
    小泉さんの印象は、もちろん女優という印象だが、裏原宿系と呼ばれていた界隈の人々と仲が良い印象。このエッセイの中にも、たまにその人達とのやり取りが出てくる。

    だけど、正直、自分にはあまり響かなかったという印象。
    アイドル、女優、という小泉今日子さんの日常が描かれているが、自分が期待したものとは、少し違ったかも。。

  • アイドル時代のキョンキョンは好きじゃなかった。デビューしてからなんとなく気に食わなくて。自分勝手だなとは思うけれど。

    だけどお互いに50代となった今、これを読み終わって、小泉今日子という人が好きになった。
    「あまちゃん」の再放送を見ていて、同世代の安心感というか、年相応の自然さを彼女から再び感じている。人前に出る職業である以上、それなりの努力はしているだろうけれど、これから年を重ねてどんな風貌になっても(失礼)、彼女の位置が揺るぐことはないだろうな、と思う。いずれにしても元がいいから、かわいいおばあちゃんになるんだろうな。
    そんなことを読み取れる一冊でした。

    昔キョンキョンが嫌いだったのは、やっぱり私も幼くて単純で、テレビの画面に出てくる、快活でかわいい女の子に嫉妬していたからかもしれない。
    今は同世代できれいでも、アンチエイジングバリバリの女優さんに嫉妬することなんてないもんな。皮一枚の下はきっとみんな同じだし。

  • 素晴らしすぎる。これが初エッセイ? 感性が鋭い人は文章も上手いのか…むしろ言葉のほうから小泉さんに寄り添おうとしているようにも感じられる。

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著者プロフィール

【小泉 今日子】
神奈川県生まれ。1982年『私の16才』で芸能界デビュー。以降、歌手・俳優として、舞台や映画・テレビなど幅広く活躍。2015年より代表を務める「株式会社明後日」では、プロデューサーとして舞台制作も手掛ける。文筆家としても定評があり、著書に『黄色いマンション 黒い猫』(スイッチ・パブリッシング/第33回講談社エッセイ賞)、『小泉今日子書評集』(中央公論新社)など多数。

「2023年 『ホントのコイズミさん WANDERING』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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