凜と咲け:家康の愛した女たち (新潮文庫 に 34-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101046310

作品紹介・あらすじ

女子(おなご)の賢さを、上様に見せてあげましょうぞ――。意外にしたたかで大胆だった知られざる側近女性たち。正室築山御前の〈最後の恋〉、出奔した側室お万ノ方、老いても家康に大切にされた西郡(にしごおり)ノ局、秀頼の妻千姫に誠実に向き合ったお夏ノ方、下層の出自ながら懸命に仕えた茶阿ノ方、女性として最高位に昇りつめた阿茶ノ局。徳川の礎を担いながら自分らしく生きた六人の魅力を描き出す傑作短編集。

感想・レビュー・書評

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  • 家康の側にいた6人の女性の視点から、家康という人物の輪郭をなぞっていく…築山殿、お万、西郡の局、お夏、茶阿、そして阿茶ノ局。大河ドラマきっかけで、改めて家康及び彼を支えた女性達について知りたいと思い、手に取ってみた。内容にそそられたのは勿論のこと、「凜と咲け」というタイトルがまたよいなと思ったのだ。
    歴史物は、誰の視点で物事を捉えるかによって、善悪が反転する。そして、史実にどの程度フィクションを加えるかで、解釈もまた変わってくる。解説の大矢博子さんの言葉を借りれば、「最新の研究を取り入れて従来のイメージを大きく覆しつつ、その一方で史実や有名な逸話と齟齬のない結末にもっていく解釈」。齟齬のない…といっても、フィクションの匙加減によっては、その展開は受け入れられないなということもある。捉え方は千差万別だろう。でも、本書に関しては、個人的には新鮮に感じた。圧巻のストーリーテリング力で、読み始めたら止まらず。これまで、あまり徳川の女性について知らなかったということもあり、そんなことがあったのか…(または、そんなことがあったのかもしれないな)と思いながら、徳川を支えながらも自分らしく生きようとする女性達の活躍振りを気持ちよく(時に切なくなりながら)読んでいった。正に皆、凜と咲いた人生だったなと。
    実は家康についてあまり知らなかったなと今更ながら気付き、今からでも家康や、彼を取り巻く人物達について理解を深めたいなと思い始めている。

  • 「どうする家康」はとても面白い、そしてそれは正室・側室の描き方にフィクションの醍醐味があると言える。作者は仁志耕一郎さん。

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著者プロフィール

仁志耕一郎(にし・こういちろう)
'55年富山県生まれ。東京造形大学卒業。広告制作や広告代理店勤務を経て、その後執筆に専念。'12年『玉兎の望』で第7回小説現代長編新人賞を受賞。『無名の虎』で第4回朝日時代小説大賞を受賞。同二作で第2回歴史時代作家クラブ賞新人賞も受賞。他の著書に『玉繭の道』『松姫はゆく』『とんぼさま』。

「2015年 『家康の遺言』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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