神の微笑 (新潮文庫 せ 1-12)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (275ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101072128

感想・レビュー・書評

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  • 芥川賞作家・芹沢光治良さんが晩年書かれた神様シリーズの1冊目。

    素晴らしいキャリアを積まれた、とても素敵な年上の女性から勧められ、お借りして読みました。。


    若き日々の芹沢さんと神との関係について書かれた自叙伝です。。

    決して裕福ではなかった幼少の頃。。
    秀才でありながら、中学を出たら働けと祖父から言われ・・
    空に向かって「神様なんているものか!」
    と心の中で叫ぶシーン。。

    丁度、人生最大の試練(!)と思えるような状況だった私は、

    「神様!どうして私がこんな目に遭わなければいけないの?
    私は何も悪い事はしていないのに!」

    と、同じように空に向かって心の中で叫んだ事を思い出し、
    共感を覚えたのでした。。(おこがましいですが・・)


    結局、芹沢少年は、担任の先生の紹介で支援者を得、
    留学までさせてもらうのですが、
    留学先で出会った友人達(科学者や後の起業家)との交流、
    友情もとても素晴らしく、心が浄化されるような気分で読みました。。

    芹沢光治良さんは、晩年 木とお話し出来た方なんです。。
    人々の生活を長く見守ってきた木とのお話の内容も、
    とても興味深く、こころに染みるものがありました。。

    読むほどに心が浄化されて神聖な気持ちにしてくれた本です。

  • 3.67/42
    内容(「BOOK」データベースより)
    『無信仰な僕が、一生の間に経験した宗教的現象を次々に想い起すと、これらが単なる偶然な経験ではなくて偉大な神のはからいによって経験させられたのであろうかと、自然に考えるようになった―人生九十年、心に求めて得られなかった神が、不思議な声となって、いま私に語りかける…。芹沢文学の集大成、九十歳から年ごとに書下ろした生命の物語“神”シリーズ、待望の文庫版。』

    冒頭
    『 「文学は
       物言わぬ 神の意思に 言葉を
       与えることである――」
    あれは昭和四十五年の六月のことだった。心友の岡野君が、故郷の海浜の松林に、僕の名を冠した立派な文学館を建設した。』

    『神の微笑』
    著者:芹沢 光治良(せりざわ こうじろう)
    出版社 ‏: ‎新潮社
    文庫 ‏: ‎275ページ

    メモ:
    「人生九十年、心に求めて得られなかった神が、不思議な声となって、いま、私に語りかける……。信仰とは、宗教とは、死とは何なのか。晩年に毎年一作ずつ書下ろされた、いのちの物語。」
    神と人間(全8冊)
    『神の微笑(ほほえみ)』『神の慈愛』『神の計画(はからい)』『人間の幸福』『人間の意志』『人間の生命(いのち)』『大自然の夢』『天の調べ』
    新潮社サイト▷https://www.shinchosha.co.jp/book/311336/

  • 「宗教を卒業した」というフレーズはいいなと思った

  • 実際に読んだのは昭和61年版

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著者プロフィール

1896(明治29)年5月4日生。1993(平成5)年3月23日、満96歳没。東京帝国大学経済学部卒。静岡県沼津市名誉市民。
静岡県駿東郡楊原村我入道(現在の沼津市我入道)に父・常蔵(後に常晴と改名)、母・はるの子として生まれる。1930(昭和5)年、療養中の体験に基づいた作品『ブルジョア』が、「改造」の第3回目の懸賞小説に一等当選し文壇に登場。1943(昭和18)年刊行の代表作『巴里に死す』は森有正によってフランス語訳(1953(昭和28)年)され、1年で10万部のベストセラーとなり、ヨーロッパで高い評価を受ける。日本ペンクラブ会長、文芸家協会理事、ノーベル文学賞推薦委員、日本芸術院会員など数多くの役職を歴任、日本文芸の普及に貢献した。

「2019年 『新装版 巴里に死す』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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