身近なもので生き延びろ―知恵と工夫で大災害に勝つ (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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本棚登録 : 162
感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (211ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101153544

作品紹介・あらすじ

グラッときた→家族の名前を呼ぶ→幸い皆無事→落ち着いて避難…しようと思って愕然→防災グッズは瓦礫の下だ!さあ、頭を使いましょう。今手に入るものを使って、生きる工夫をしなければ!究極のサバイバル技術を身につけた現役海上保安庁職員であり、厳しい環境の南極の冬を2回も乗り切った著者が、その知恵と経験を生かして、誰もが近々遭遇するかもしれない大災害への対処法を伝授。

感想・レビュー・書評

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  • 今、この本の紹介を見て「なんで今やねん!」と
    怒っているアナタ。
    アナタは今生きていて、しかも怒るだけの活力を持っている…
    (本より、それなりに引用)

    内容そのものも私は好きだけど…。
    役立つかどうか、本当にできるかどうかはおいといて、
    不便でも、その辺にあるものを利用して、ストレス軽減して
    元気に生きてやろうという精神に1票。

  • 愛知大学図書館OPAC https://libopac.aichi-u.ac.jp/iwjs0012opc/BB00776526

    学生のおすすめポイント
    海上保安官で二度の南極観測に参加した著者だからこそ、サバイバル的な経験からエピソードとともに防災対策を伝授して書かれているので面白く読むことができます。

    災害発生時、何も用意していない状態から生き残るための最低限の知識は、この本を読むことによって得ることができ、これからいつ起こるかわからない災害に役立つと思います。

  • この筆者さん南極にて料理人をしていた方。
    災害対策本ではあるけど楽しく読めます。
    いざ!っちゅー時に役に立つ立たないは別にしても。
    南極体験記の方も面白かった。
    https://ameblo.jp/harayou1223/entry-11371633593.html

  • 読書録「身近なもので生き延びろ」5

    著者 西村淳
    出版 新潮社

    p37より引用
    “人間の身体は水分が大半を占め、たえず汗
    もかいているから、常時水分を補給していな
    いと脱力感・倦怠感・無気力感があっという
    まに押し寄せ、ひどいときには命まで危うく
    なる。”

     海上保安官で、二度の南極観測に参加した
    著者による、災害に対して身の回りのものを
    上手く使う工夫を記した一冊。
     頭の保護などの外への対策から心のケアま
    で、極限環境で培った知恵が記されています。

     上記の引用は、水の確保について書かれた
    項での一文。普段気にしていない水の大切さ
    ですが、水道が使えなくなるとトイレが機能
    しなくなるところに住んでいるのなら、災害
    時には切実な問題になりますね。
     水の確保や火の起こし方など、とにかくす
    ぐに手に入る物を使って行う工夫が書かれて
    いて、実に実戦的な一冊だと思います。
    文庫サイズですので、緊急用持ち出しバッグ
    に入れておいても、邪魔になるどころか助か
    る一冊なのではないでしょうか。

    ーーーーー

  • 著者はすごい体験をされた方なので、極限状態において役立ちそうな情報が満載なのだけど、この著者はユニークな方のようでとても面白い文章を書かれるので、思わず笑ってしまう部分がたくさん。手に取った当時は大まじめで入手したのだけど、このような本を読んでふと笑えるのは幸せな証拠。知っておきたいけれど、使わなくてすめばありがたい情報をくれる本。

  •  予期せぬ大災害に襲われた際の身の守り方や、避難所生活での工夫が書かれている本。6年前に書かれた本なので東日本大震災のことには触れられていないが、阪神・淡路大震災での経験は活かされている。

     脱線が多くやけに饒舌な語り口だと思ったら、著者はあの『南極料理人』の原作者だった。南極での生活も言ってみれば平和な非日常な訳で、困難やストレスを乗り切るために南極で著者や仲間たちが考え出した創意工夫がおかしく書かれている。そこから転化した色々なアイデアが詰まっているが、ノウハウ本というよりも「面白いことを考える人だなあ」と、読み物として読んだ方がいい。

  •  元海上保安官で、南極越冬経験もある西村さんのエッセイ風の実用書。

    (1)簡易トイレの作り方:段ボール箱にゴミ袋をぴっちり引き詰める+紙おむつかペット用トイレの紙か、新聞紙をひく+便をする+粉石けんをかける、次回のためにおむつや新聞紙を入れる+満タンになったらゴミ袋を結わえて処理。(p31)

    (2)瓦礫の中をあるく靴:革靴でズボンの裾を靴下に入れる+すねの周りに週刊誌をまく。

    (3)マンションには非常用に七輪と練炭又は炭を用意。着火は電池を3本直列でガムテープでつなぎ、スチールたわしをマイナスにつけて、プラスにちょんちょんとすると着火する。(p54)

    (4)寒さ対策:服の下にサランラップをまく、ゴミ袋を服の下にかぶる、ゴミ袋の中にまるめた新聞紙や発砲スチロールを入れる。(p86)

     新聞紙を入れると暖かいのは、昭和一桁生まれなのにモダンで登山をしていた、うちのお袋も言ってました。

     避難所の快適さのために、段ボールで壁をつくる方法も提案されている。坂さんの方法に通じます。

  • 非常に為になることが書いてあるが、途中の顔文字とか親父ギャグで読む人を選ぶと思う。雑誌の連載エッセイだったらしいのでそういう層向けなのだろう。今読むとふざけているようにみえるが、東北の地震前に書かれているということを忘れてはいけない。

  • 南極料理人こと西村淳さんがつづる身近な物を使ってのサバイバルテクニックを紹介した本です。雑誌やガムテープがこんな工夫ひとつで防災グッズに早代わりする。驚きの一冊でしたね。

    作者の西村淳さんは現在は海上保安庁を退官されて自分の作った料理を紹介する「オーロラキッチン」 という会社を設立されて、南極や海上保安庁で培われた料理などを紹介されているそうでございます。僕はまだテレビの画面で調理をされている西村淳さんを見たことはありませんが、いままで紹介したレシピ集などを読む限りでは、きっとすばらしいものなのでしょう。今回紹介するこの本には、著者が南極や海上保安庁で培った

    「身の回りにあるものを使ってのサバイバル術」

    といったものです。僕もかつて2.3回ほど震度6クラスの地震を経験したことがあるだけに、ここに書かれてあることは決して読み物だけでは済まされないと思っています。特にライフラインが切断されたとき、最も困るであろう、フロとトイレの問題。これは正直キツイですね。トイレはボットン便所に必然となるわけで、慣れていないと結構「爆弾投下」をすることはきついです。おまけに臭いもキツイ。蟲もわく。それらを解決するさまざまな方法があって、風呂に関しては足湯を使う。そして虫除けの方法でびっくりしたのは、

    水の中にタバコを20本ほど入れてそのまま一昼夜ほど置いて、便所の中に流すと、涌いている蟲は全て死滅するんだそうですね。他にも、ドライシャンプーを使った皿洗いの方法や、雑誌を頭に巻いて頭上から降り注ぐものを避ける。ダンボールで壁を作ってプライベートな空間を確保するなど、料理同様、さまざまな知恵と工夫にあふれていて、読んでいて本当にあきさせませんでした。そして、実際に役に立つ。

    解説を書いた宮嶋茂樹さんじゃありませんが、こんな知識がわずか数百円で手に入るのでしたら、本当に安いものだと、僕もそう思います。

  • 南極料理人によって書かれた、サバイバルのヒント集。なんだかたいへんなときにも生き延びられそうな勇気が出てくる。地震に感化されてこんなん読むのも現金だが。災害時の避難暮らしでいちばん心配なのって、やっぱりトイレかな。

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著者プロフィール

神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部教授

「2023年 『社会保障法研究 第17号』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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