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- Amazon.co.jp ・本 (219ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101195025
感想・レビュー・書評
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「雀」と呼ばれる詩的生命体・・・
たぶん、ぜんぜん科学的でない、詩人の感性と情緒だけによる「雀」といういきものの観察と分析。
出だしは
≪雀を観る。それは此の「我」自身を観るのである。雀を識る。それは此の「我」自身を識る事である。雀は「我」、「我」は雀、畢竟するに皆一つに外ならぬのだ。≫
随筆なのかと思って読み始めてみたらどうやらながいながい散文詩だった。
雀のさまざまを分析しているようだが論理によってではなく情で描いている。
その基調の気分は「かわいい」と「さびしい」だろうか。
そして雀のありようにわびさびを感じている。
同じことをくだくだ繰り返しているようでもある。でもずっとそのつぶやきを聴いていたいような気分にもなるのだ。
それは雀好きという共感なのかもしれない。
詩人にとっては詩的なきっかけになる形而上学的生命体なのかもしれない。
ある意味宗教的ですらある。
「雀教」?
ここまでやってくれると内容はともあれこの文章のありようじたいが大好きだ。
2012.01.11読了詳細をみるコメント0件をすべて表示
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