小島 (新潮文庫 お 95-4)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 5
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  • Amazon.co.jp ・本 (416ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101205441

作品紹介・あらすじ

「絶対に無理はしないでください」豪雨に見舞われた地区にボランティアとして赴いた〈私〉は、畑に流れこんだ泥を取り除く作業につく。その向こうでは、日よけ帽子をかぶった女性が花の世話をしていた。そこはまるで緑の小島のようで――。被災地支援で目にした光景を描いた表題作のほか、広島カープを題材にした3作など14編を収録。欧米各国で翻訳され、世界が注目する作家の最新作品集!

感想・レビュー・書評

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  • 小山田浩子『小島』新潮文庫。

    14編から成る短編集。

    私小説と言うのだろうか。或いは純ブンガクと言うのだろうか。改行の無い初めて見る文体で日常の光景や口から発せられる言葉が垂れ流したかのように、ただ綴られる。

    明確なストーリーがある訳ではなく、例えば表題作の『小島』では広島の豪雨被害の被災地のボランティアという特異な体験が描かれているが、普通の小説のようなドラマティックな展開も無ければ、はっきりとした結末も無い。全ての短編がこの調子で、自分は新聞に挟み込まれた広告か何かを読んだいるのかなと空虚な気持ちになった。

    小山田浩子は世界が注目する作家らしい。私小説もブンガクも全く解らなくなった。

    本体価格750円
    ★★

  • ざらりとした現実描く 小山田浩子さん「小島」 タイトルへの思い | 毎日新聞(2021/7/7有料記事)
    https://mainichi.jp/articles/20210705/k00/00m/040/160000c

    小島 小山田浩子著 新潮社 2090円 : 読売新聞(2021/08/15)
    https://www.yomiuri.co.jp/culture/book/review/20210814-OYT8T50165/

    小山田浩子『小島』は、画一性をせまる共同体のくびきをきびしく拒絶する棘のような短編集 | レビュー | Book Bang(文藝2021年秋季号 掲載)
    https://www.bookbang.jp/review/article/695238

    小山田浩子の本棚掘り | 中国新聞デジタル
    https://is.gd/NVNPAS

    Philippe Weisbecker – Yvon Lambert Paris
    https://www.yvon-lambert.com/collections/philippe-weisbecker

    小山田浩子 『小島』 | 新潮社
    https://www.shinchosha.co.jp/book/120544/

    --------------------------------------
    阿波しらさぎ文学賞 終了のお知らせ|徳島新聞社(2023/12/19)
    https://www.topics.or.jp/articles/-/1011515

    徳島文学協会 | 文學で人生をもっと豊かに
    https://www.t-bungaku.com/

  • ずっと気になっていた初読みの作家さん。
    改行が少ないので若干目が疲れるけど、この世界観、嫌いじゃないかも…と思いながら読んだ。

    『異郷』でのカープが負けると気分が落ちて機嫌が悪くなるとか、『継承』でのカープが大量点を取られるとチャンネルを変えるとか、負けた次の日のスポーツ欄は読まないとか、ああそうそう。分かる。分かる。一緒。一緒。(恐らく)カープファンあるあるよね。

    これを機に他の作品も読んでみようと思う。

  • どこかの誰かのいつかの何気ない日常だけど、物語の端々に非日常が見え隠れしていて、それが読み手を不安にさせる。でも気になって読むのをやめることができない。

    「かたわら」と「異郷」が特に好き。

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著者プロフィール

1983年広島県生まれ。2010年「工場」で新潮新人賞を受賞してデビュー。2013年、同作を収録した単行本『工場』が三島由紀夫賞候補となる。同書で織田作之助賞受賞。2014年「穴」で第150回芥川龍之介賞受賞。他の著書に『庭』『小島』、エッセイ集『パイプの中のかえる』がある。

「2023年 『パイプの中のかえる』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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