組長の妻、はじめます。 ―女ギャング亜弓姐さんの超ワル人生懺悔録 (新潮文庫)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (288ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101206172

作品紹介・あらすじ

裏社会でこの女を知らん奴はモグリやな──数十人の荒くれ男たちを従え、警察を屁とも思わず悪事を重ねた関西アウトロー業界“伝説の女”。細身のコートにスリムなパンツ、黒の指なしグローブをはめて、高級自動車を盗み出す。繰り返されるカーチェイス、覚せい剤、受刑者生活……。彼女を悪の道から救い出した男は、元ヤクザだった──。犯罪史上稀なる女首領に暴力団研究の第一人者が迫る。

感想・レビュー・書評

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  • 犯罪社会学を専門とする廣末登さんが
    関西の女ギャングと言われていた亜弓姐さんの話を
    聞き書きした人生ルポ

    いや~まあ…なんというか…
    この亜弓姐さんという方…ワルイってものじゃない
    クスリに窃盗に泥棒さんの片棒かつぎに
    …とまあなかなかの犯罪歴
    でもこれが事実だからこそ
    すごい嫌悪感と恐ろしさを感じる

    私が一番衝撃的だったのが裁判の話
    重い犯罪が事実でも
    すご腕の弁護士やら人権を振りかざす弁護士によって
    刑なんてとんでもなく軽くなる、時には無罪になるってこと
    おいおい…注射器なんてヤク中に返すなよ…
    など…つっこみどころ満載…

    そうか…こんなに甘い感じなんだな…
    とまあ日本の刑法と裁判制度に絶望を感じるわ~
    お金でいい弁護士を雇えば全てチャラになる…
    生活保護費で犯罪のアジトを作る…
    なんだろな~この善良に生きている人たちへの冒涜と言うか、侮辱と言うか…

    で、ラストの関係者のインタビュー
    「姐さんを尊敬しています!」
    「今も憧れる人がいっぱいいます!」
    って…
    おいおい…自分たちが迷惑かけてる人やら
    犯罪に巻き込まれた人にそれ言えるか?

    読み終わったあとは絶望でしかなかったかな…
    まあそれが今の日本のリアルな姿なんだろな…
    って、やっぱり絶望しかないじゃん!!

  • 廣末登『組長の妻、はじめます。 女ギャング亜弓姐さんの超ワル人生懺悔録』新潮文庫。

    ヤクザ世界の第一人者と言われる著者が伝説の女アウトローに成りきって書いたような自伝風ノンフィクション。

    確かに亜弓姐さんとやらは滅茶苦茶をやり放題。覚醒剤に手を出し、高級車窃盗のギャグ団になり、挙げ句に組長の妻と収まるところに収まったような人生。全く学ぶべきところの無い人生を語られても……

    日本の平穏を乱す、こんな在日三世にはとっとと自国に帰ってもらいたい。

    本体価格590円
    ★★

  • カテゴリはルポとはちょっと違うかもしれない。
    著者が、悪の道を生きてきた女性にその人生を聞き書きしたもの。女性の語り口調で書かれ、研究者目線でページの隅に細かく注釈が入れられている。人がいかにして悪の道へ走って行くのか、ギャングの世界ってどういう価値観で動いているのか、まぁ、興味深いと言えば興味深い。でもちょっと、やっぱり悪すぎるね…社会の迷惑すぎるね…うんざり…こんな人達とは絶対に一生、一ミリたりとも関わりたくないな…としか思えなかった。「関西で知らない人はいない」とか、裏社会で顔が広い、みたいな書き方されてたけど、多くの真面目な一般市民は、よほどのことがない限りこんな人達とは関わらないので、彼らが「顔が広い」とかいうのはあくまでも「狭い裏社会の中で顔が広い」だけなのだと思う。
    若いころ一度、車で後ろから追突されて、追突だから100%向こうが悪いのに、降りてくるなり罵声を浴びせかけてきて、「あぁ、世の中にはこういう人種がいるんだな。日本語ではあるけど言葉が通じないし、絶対に関わっちゃダメだ」という教訓を得たことがある。この本の主人公もその手の人で、悪いことをするのになんのためらいもなく、何度警察のお世話になっても反省もなく、麻薬や自動車窃盗を繰り返して生きていく。それでも手下の面倒をよく見て、卑怯なことはせず、プライドを持っていたかのような描き方はやはり許せない。大切な車を盗まれた何百人という被害者がいるのだから、そういうのプライドでもなんでもないし、悪は悪でしかない、私に言わせれば。
    そういう意見もあることを百も承知で、裏社会を取材して研究し、本を書く意義は…、それはやはりあるのかな、と思う。私のように、悪は悪だ、自分は関わらない、と決めつけるだけでは社会的に問題の解決に至らないし、悪の側の事情(っていうか)を理解しようと試み、人がなぜ犯罪に走るのか解明し、寄り添おうとする人も必要なのだろう。頑張ってください。



  • 暴力団組長の女房となり、更正した女首領の一代記。

    聞き書きに重きを置き書かれているので、本人の言葉としてリアルを感じられる。

    この手の話に善悪を持ち出すのは無粋だろう。

    この世に生を受け、どんな環境で何を経験してゆくとこういった生涯を送るのかという視点で読むのが正しかろう。

    人の数だけ、様々な人生がありますね。

  • 魅力的な方だと思うけど、泥棒、くすり、共感はできない。違う世界。

  • 女性が犯罪を組織化させた稀有な話しというよりも、在日の再犯率の高さ、法を犯す事へのハードルの低さ、緩い家庭環境の実態ですね。
    子供が出来たから更生し地域の人達が応援する、そんなに世の中甘くないし、本人もまた復活の時期がきますよ。祖国にお帰りいただきたい。

  • この本の感想はネットにはとてもじゃないけど書けない(書いたけど消した)

  • 内容 構成が 平面的
    すごい 経験 生活に 対して
    今の 子育ての 話に 大いに 違和感

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著者プロフィール

1970年、福岡市生まれ。社会学者、博士(学術)。専門は犯罪社会学。龍谷大学犯罪学研究センター嘱託研究員、久留米大学非常勤講師(社会病理学)、法務省・保護司。2001年北九州市立大学法学部卒業、08年同大学大学院社会システム研究科地域社会研究科博士後期課程修了。国会議員政策担当秘書、熊本大学イノベーション推進機構助教、福岡県更生保護就労支援事業所長等を経て、現職。裏社会のリアルを科学的調査法に基づいた取材を重ね、一次情報をもとに解説する。著書に『ヤクザと介護』『ヤクザになる理由』など。

「2023年 『テキヤの掟 祭りを担った文化、組織、慣習』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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