- Amazon.co.jp ・本 (258ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101211923
作品紹介・あらすじ
女は皆、平和を装っているだけ。ライターの天音は、妻としても職業人としても自己不全感を抱いていた。ある日、友人の紹介で俳優の朔也と出会う。人とは違う肉体を生かして役者になった朔也を取材するうち、彼の周りの女性たちが変貌した瞬間を知る。いい子の呪いに苦しむ鈴美、男性経験のない冬美恵、朔也の妻・理都子、そして天音自身も──。未知の私が現れる 5 編。『幸福なハダカ』改題。
感想・レビュー・書評
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成長ホルモン分泌不全性低身長症の朔也と、4人の女たち。…
女たちにはトラウマや悩みがあり、それぞれが苦しんでいた。
朔也と出会い、彼の前に脱ぎ、彼に撮影をしてもらうことで、解放され一歩を踏み出すようになる。
朔也にも、病が故の不安があり、それを笑顔で覆い隠して明るく生きている。
誰かに共感できることはなかったですが、親に恵まれなかった鈴美の境遇は読んでいて苦しくなりました。
すっきりと解決はしませんでしたが、鈴美には幸せになって欲しいなと思います。
誰もが自分らしくいていいんだと背中を押してくれる作品でした。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
う~ん、「主婦病」が良かったので期待しすぎてしまったか。
どうも入り込めなかった。
何を軸に読めばいいのかわからない。イマイチ共感できない。 -
森美樹さん、「主婦病」を読んで、もう一冊読もうと思い、「私の裸」(2016.5刊行の「幸福なハダカ」を改題文庫化)(2019.1)を手にしました。80数頁まで読み進めましたが、ドキドキもワクワクもなく、失速しました。
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成長ホルモン分泌不全性低身長症の男とその周りの4人の女性を描いた連作短編集。
それぞれ抱える問題は違うが、いずれも女性たちが自分で殻をつくっている状態を子どものような見た目の朔也がほぐしていく。朔也の発言が世間から超越しているものではなく、様々な悪意や疎外を感じた上での発言であることに重みを感じた。いずれも明るい未来が待ってるわけではないが、何かしらの救いを描いていて好感が持てる。
人間誰しも何かしらの側面で少数派だったり、異なる者だったりすることを意識すると、皆が共感できる物語なんだろうと思える。