- 本 ・本 (288ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101211930
作品紹介・あらすじ
女は、旦那様に一生愛されるのがしあわせなのよ――。珠美子にそう語っていた母・園枝が急死した。有毒植物が体内から検出されたという。事故か自殺か、それとも。困惑のなか遺品整理に出向いた珠美子だったが、そこに端正な顔立ちの若い男性・雪仁が訪ねてくる。園枝の死を知った彼は震えて嗚咽した。良妻賢母の見本のような園枝と雪仁の関係は……。すれ違いながら衝突する母娘を描く連作集。
感想・レビュー・書評
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母親の謎の死を巡る連作集です。正直この60代の母親の気持ちがあまり理解できなかった。共感できる登場人物もいなかった。しかし小説はそこだけが重要な訳ではないし、ミステリー的に読むこともできる作品だと思う。
私個人としては母親にここまでもやもやを感じたことがないけれど、家族だからといって相性が悪い場合もあるだろうしその場合は関係が近い分深刻なことと思う。 -
どの登場人物もなんだか切ないし健気
で、寂しい感じ
日記というのは自己愛の燃えかす
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この著者の作品は登場人物に共感を求めてはいけない。それを分かった上で読んだので、かなりスリリングで面白く、一気に読了。文章はとても柔らかくて美しいのに、それらが描いている世界観が異常なほどの欲深い黒さ。著者の全作品を読んではいないが、これは最高傑作だと思う。
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私も母親だけどあまり共感できなかった。みんな孤独を抱えて生きているんだなと思った。
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言いたいことはわかるけど、何かいろいろ情報が多すぎて中心が分からず気持ちは右往左往、って感じでした
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母親病と聞いて少しミステリー系かと思ったが他者に認めてもらう、自分という存在を認めてもらうという意味で女性が家事やり男性が外で働くという古い価値観はもう通用しないと改めて読みながら感じた本だった。そして女は、母親と言う存在は恋をしてはならないのか?とも思った。
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母親ってなんなんだろう、と考えさせられた。
「家と身なりを整えて、常に子供の自慢でいること」が母の役割と言っていた母親が、一人の女性として老いと性に向き合う感じがすごかった。
著者プロフィール
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