ロックで独立する方法 (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (249ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101273129

作品紹介・あらすじ

夢と現実には桁違いのギャップがある。そのうえ学校も会社も〈数字の奴隷〉ばかりだ。そんな世界からキミが〈独立〉したいなら、やりかたを教えよう。不世出のバンドマン・忌野清志郎が30年のプロ生活を経て、どうしても書き残しておきたかった言葉がここにある。「成功」ではなく「独立」。真の自由を手に入れるための、たったひとつの方法を、胸の奥で熱い炎を燃やす全ての人々に贈る。

感想・レビュー・書評

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  • バンドマンとしての理想に夢。対峙する現実。
    現役のロックンローラーとして、天寿を全うしたいと語る言葉。
    自分を貫き通してきた人の言葉に重みがある。

  • もう清志郎のような音楽家は望のぞめないんだろうな。
    自分のやりたい音楽、主張したいことを発信し続けた人だ。
    もちろんロックが音楽ビジネスに取り込まれていることを理解したうえで、アヴァンギャルドであり続けようとしていたわけだ。
    YouTubeによりレコード会社を抜きにして音楽が発信できる、そしてあらゆる年代の音楽が同時に聴ける今、清志郎ならどう動くのだろう?

  • ぼんやりとした精神論ではなく、音楽でご飯を食べるにはどうすれば良いか、スランプに陥った時どうするかなど具体的な方法が著者のエピソードと共に沢山書かれていて、まず独立を果たすためにはしっかり考えた強い意志が必要なんだと思った。

    ロックという意味を調べたら、音楽的な意味の他にも「強く堅い意思」、「思いを貫く」などの意味があった。
    ファンに寄り添わず、自分の歌いたい歌を歌う、自分の音楽を貫いた忌野清志郎はまさにロックを地で行く人だったんだなと。
    かっこいい。

    ロックで爺さんになる方法もロックで天寿を全うする方法ももう読めないのは切ないけど、忌野清志郎の情熱が全て詰め込まれている曲たちが今もあって良かったなと思う。

  • 随分と前に買ってあった積読本を手に取ってみると清志郎のスピリットがビンビン感じらえてとても面白かった。

  • 『#ロックで独立する方法』

    ほぼ日書評 Day656

    忌野清志郎が、この世に残したかった声を綴った一冊、それを単行本から文庫化する際に、より本人の言葉らしく再構成したもの。

    ライターによる聴き語りゆえに「解釈」の部分は排除できないが、本書から受ける印象としては、非常に肉声に近い内容だ。

    例によって、印象に残ったフレーズを3つほど。特に最後のものは、『カバーズ』の歌詞などからして、一部では「社会派」と思われている清志郎さんが、左翼の重鎮をこき下ろしているのが小気味良い。

    1日8時間ぐらいずっと家でギター弾いていた時期があったんだけど、その頃、外でアベックがいちゃついている場面が、ちょうど部屋から見えるような家に住んでた。でも、アベックのやってることよりもずっと楽しいと思ってた(…)端からみりゃ「努力」かもしれないけど、こういうことを簡単に「努力」て言っちゃうと、かえって矮小なものになってしまう。「好きなことをやり続ける」は、そんな安っぽいもんじゃない。「わかってくれない世間のせいにしちゃえるほどのこと」を、「やっぱりダメかと簡単には反省しちゃえないほどのこと」を、自分がどれだけできているかっていうのが大切なんだ。そこまでの自信を持てないと言うなら、それは最初からそれほど好きなことなんかじゃなかったんだよ。

    (ライブに向かうのも楽器を持って電車移動だった頃のはなしで)何しろ、ベースといっても、ばかでかいウッドベースだったから。そう、コントラバスだ。もっとも、あんなバカでかいものを、リンコさん1人に運ばせるほど我々も人でなしじゃなかった(…)何しろ、電車に乗る時は、ウッドベース専用の別料金の切符を買わなきゃならない。その特殊な切符の売り場が、駅によってはものすごく遠い場所にあるんだ。だからそれを、リンコさんが買いに行ってる間、残りの2人はずっとベースの見張り番。これがいちいち面倒だった。それにしてもリンコさんも、よくもまあ、あんなものを買ったと思うよ。

    (インタビュー嫌いと呼ばれて)自分としては、インタビューに、正直に誠実に答えているつもりなのに、なかなか相手の意図と噛み合わなかったりする。
    『君が代』騒動の時なんか、それが顕著だったね。突然、筑紫哲也さんとか、田原総一朗さんとかの「社会系」の人たちからインタビューを受けるわけだが、ほとんど話にならない。
    (正直な答えを言っても、はぐらかしているとしか思ってもらえず、しかたなく)「若者たちにこの問題について考えて欲しかった」とかなんとか、心にもないことを答えてあげると、やっと納得する。要するに、こちらに言わせたい答えや結論は、最初から決まっているんだ。それを本人に確認しに来るのなら、まだわかるんだが、確認する内容も勝手に決めちゃっているわけだ。だったら、わざわざインタビューなんかに来ないで、最初から自分で勝手に変えちゃえばいいと思うんだが。

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  • 忌野清志郎に興味のない人には必要のない本でしょうが、少しでも興味のある人にはとても重い本ではないでしょうか。
    ブレない言葉が爽快でした。
    清志郎がいないこの世の中、寂しいです。

  • なんか、夢とかそんなんじゃないのがいい。

  • 前から気になっていた忌野清志郎の「ロックで独立する方法」。
    なんでこれまで読んでなかったんだろう?とも思いつつ、4月に独立してから読んだのは正解だったかもしれない。
    そして、文庫本になってから読んだのも正解だったかもしれない。
    たぶん、僕は仕事で悩んだりする時にはこの本を読み返したりするんだろう。もちろん、清志郎の歌を聴きながら。
    読んでよかった、清志郎を好きになれていてよかった。

  • 後書きで津村記久子さんがこれは仕事本だと書いている、その通り。
    矢沢永吉の本を読んだ時も思ったけど、ロックで生きていくことを真剣に考えてたんだなぁ。

    独立するってことは自分で自分のことを決めるっていう、終わりなき闘争なんだ。

  • 良い。天国で清志郎のライブ行くわ。

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著者プロフィール

バンドマン。1951年4月2日-2009年5月2日。1968年、高校在学中にRCサクセション結成。1970年、「宝くじは買わない」でデビュー。「ぼくの好きな先生」「雨あがりの夜空に」「トランジスタ・ラジオ」「スローバラード」「い・け・な・いルージュマジック」など多くのヒット曲を放ち、日本のロックシーンの開拓者として、後続のバンドマンたちへ多大な影響を与える。1991年にバンド活動休止後も、ソロ活動のほか俳優、絵本の執筆、サイクリストなど、活動は多岐にわたる。また日本語の使い手としての才能も高く評価されており、『エリーゼのために』『十年ゴム消し』『瀕死の双六問屋』など著作多数。

「2020年 『使ってはいけない言葉』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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