学校が教えてくれないヤクザ撃退法: 暴力団の最新手口から身を守るためのバイブル (新潮文庫 み 44-2)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101284729

作品紹介・あらすじ

「ヤクザにかかわることなんて一生ないだろう」。たいていの人はそう思っているに違いない。だが、思わぬことをきっかけに、ヤクザと出会い、しつこく付け回され、脅されて、あり金を巻き上げられ、人生をめちゃくちゃにされることもありうるのだ。「ヤクザお断り!」の営業方針を断固貫く飲食店経営者が実例をもって綴る、学校が教えてくれない社会の真実と自分で自分の身を守る方法。

感想・レビュー・書評

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  • ヤクザの恐ろしさがわかる内容です。本書は特に、社会経験のない学生向に書かれていますが、現在ヤクザとの関わりがあり困っている人にも参考になるでしょう。
    米国では、マフィアなどの暴力組織は1970年のRICO法制定により壊滅的となった。しかし日本では、本来国家リーダーであるべき政治家、官僚、教育者が巨悪に対して腰が引けている。
    2012年の本書でも、不良外国人の犯罪の増加が指摘されています。岸田政権では、国民的議論無しで既に移民政策に舵を切っており、川口市のクルド人の様に地域住民への脅威となっている事例が増えています。多発する外国人の犯罪になぜか不起訴処分が乱発されており、被害者は泣き寝入りの状態を放置したまま、政治家は動かない。
    また、成人男性の10%がギャンブル依存症、その8割がパチンコ関連だと言われているが、パチンコ議連の影響力で問題はスルー。(韓国では政治力で禁止に成功)
    後藤英彦氏の解説も良い。日米の対比から、被害者がでなければ警察が動かない「民事不介入」の問題も指摘している。早めに警察が介入すれば防げたストーカー殺人など、一体何人の被害者を出せば、改正出来るのか?
    また、暴力団にも人権やプライバシーがあるという論調もあるが、暴力団自体が公序良俗違反の反社組織である以上、憲法の保護下には入らない。そんなに人権が欲しければ、組織から足を洗えばいいだけ。
    どうも、日本の司法は加害者や犯罪予備軍に大甘で、被害者のみに過重に忍耐を強いる。その背景は、政治家の国民目線の欠如や金儲けの道具として暗躍する人権弁護士の存在など様々だが、不起訴処分が続く外国人犯罪などを見る限り、是正は期待できそうにない。トホホ。

  • 学校が教えてくれないヤクザ撃退法
    ~暴力団の最新手口から身を守るためのバイブル

    宮本照夫著
    新潮社
    平成24年11月1日発行

    他の本を探しにいった時に図書館で目に付いた本、軽い気持ちで読書。

    著者は、以前、「ヤクザが店にやってきた~暴力団と闘う飲食店オーナーの奮闘記~」という本を出し、結構、売れたみたいで、その第二弾のような本。
    4章だてで、第1章が圧倒的に長く、285ページ中、170ページ以上を占めている。著者は関東住まいだが、そこに相談に来た大阪の人の話。ミナミで印刷会社をしていたら、社長が学生時代にアルバイトをしていた時の店長にばったり町で会い、そいつ経由でヤクザ者を紹介され、最初は友好的に付き合うふりをしつつ、ちょっとしたことでつけ込まれ、骨の髄までしゃぶり尽くされそうになる話。被害者はなにも悪いことをしていないのに、理不尽にすぐに10万円持って来い、30万円持ってこい、などとすごみ、元店長と手下に本気で殴り合いさせているような芝居をさせてびびらせ、さらにお金や白紙の小切手、白紙の借用書などを要求していく実話。
    どんどん要求してくる様子に、読んでいていらつき、途中で読むのをやめようかと何度か思ったほど腹立たしい内容だが、本まで書いて紹介する内容なのかな、とも思う。

    この第1章は2005年に発表されたものだという。そして、2章から4章は、一昨年の出版に向けて書き下ろされたもの。

    第2章は「ヤクザと芸能人」。川崎でレストランを経営し、そこに芸能人を呼んでステージに立たせていた著者の経験を元に、ヤクザと芸能人の関係を暴く。紅白にも出た大物演歌歌手、という形で、Mだの、Kだの、Oだの、いろいろ出てくるが、誰のことだか想像できるように書くのが、こういう本のポイント。ゲスな心に訴えているわけですな。

    第4章「暴力団排除条例」で、こんな文章がある。
    「暴力団条例は憲法違反」、「暴力団の人権は認めないのか」という声もある。ある有名なシンガーソングライターは全国ツアーのステージ上から、「憲法には一部の国民と付き合うな、飲食するなといったことは一行も書かれていません。まして、権力が一部国民をいじめていいなどという言葉も入っていません」と訴えた。
    うーん、これは誰が言ったのかな。松山千春あたりではないかと、とゲスの勘ぐりで想像。
    皆さん、いかがでしょうか?

    第3章は「ヤクザ顔負けの政治家」と題し、川崎を地盤にしたある政治家(市義→県議→国会議員)の悪辣さを書いている。川崎太郎(仮名)としている彼がまだ秘書の時代から著者とは知り合いで、著者は彼を励ましていたが、ひとたび当選するとがらりと態度を変えて横柄に。その後、公設第一秘書にヤクザの息子を雇ったり、ヤクザにパー券を買わせたりということも報され、悪名を売っていた。
    その同じ章にこんな文章がある。
    川崎太郎はほんの氷山の一角にすぎない。むしろ川崎太郎なんか悪党の中でも小物で、国民を騙し、国を売るような本当の巨悪は他にいる。
    「国民の生活が第一」って本当か?「自分の生活が第一」ではないのか?皆、票と金にうつつを抜かす。
    おおおお、こんなこと書いていいんだろうか。固有名詞ではないのか、これ。

    (メモ)
    第1章より
    ヤクザ者から自分の彼女にパソコンを教えてやってくれと頼まれて教える。ある日行くと、彼女は風呂の中。風呂上がりの姿で出てきた。誤解されそう。玄関を飛び出すと、案の定、ヤクザ者が外にいた。
    後日、そのことをからまれた時、被害者が「玄関の外で会うたんやないですか」と反論すると、激怒したヤクザ者は「外も内もあるかい、ボケっ。節分の豆まきととんとちゃうで」
    激怒したふり、人に絡むときもギャグを忘れない関西人。

    会社閉めろ!と脅すヤクザ者。閉めますと被害者が言うと、「閉めえて言われて、おまんま食う会社閉めるアホンダラがどこにおる。その若狭でやっと興した会社やないか、えっ?そない簡単に閉めるやなんて、プライドちゅうもんがないんか」

    激怒してあらたな要求をするヤクザ者。「ほんま粗相がありましてすんまへんでした」と言うと、「そうやその一言が欲しかったんや」と穏やかそうな声。ああ、話せば分かってもらえるんだなあと安心させる手口。しかし、要求はきつくなる一方。

  • いやー、謎の世界。
    やっぱ川崎ってそういう土地なのかー、とか思ったり。
    実際に絡まれる可能性が絶対にゼロとは言えないなかでは、確かにこういうのを読んでおいて一般的な手口等の概略知識を持っておくと、逃げようはあるのかも、って思った。筆者や登場人物も述べているが、そんなはずない、自分は大丈夫、なんて思っていても、実際巻き込まれるとそんな風には思えなくなってしまいがちなのだろう、と。そういう意味では、やはり知っておくのは悪くない。
    しかし、興行でどうしてもその筋の人と絡まざるを得ないという芸能人は…断固とした姿勢を取れ、と言っても…現実的なのだろうか?? そこはよく分からない。

    暴力団と一般人が交流するだけで刑罰になるというのはちょっと驚きだった。そういう意味では、私も意識が甘い、、か。

  • 義理も人情もない胸糞悪い実例が載っている。話がわかるのは映画や小説の中だけだということがわかるのではないだろうか。ドキュメンタリーなので気が滅入るがそれ故にいい本だと思う。腹が決まる。気持ちの備えができる。そういう意味でいい本。

  • 最初の、若い経営者がヤクザの追い込まれて入れていくドキュメントは、怖いくらい迫力があった。
    どんどんと変な方向に行って、若者への教育の問題とか、軍隊体験とか、韓国中国に追い抜かれているとか、おかしな方向に行ってしまう。
    別に、すごい頑張ってきたおっさんだからって何言わせてもええんとちゃうと思うけど。

  •  著者の宮本さんは長期にわたり暴力団関係者と闘争を続けた強者経営者。映画化もされた御自身の経験談も出版されているが、本書は宮本さんのところへ相談に来た若者の体験談。経験の浅い若者の話だけに相手の手口もえげつなく、被害者のビビリっぷりも強烈。最終的にはハッピーエンドなんだろうという期待を持ちつつも場面場面での描写は恐怖すら感じる。また理不尽な要求を突きつける相手とその取り巻きには怒りすら覚える。

     とにかく「理不尽」のオンパレード。間髪入れずに脅され身ぐるみ剥がされていき、あげくのはてに精神崩壊。この世はほんとに恐ろしい。暴力というバックボーンをちらつかせて利益を要求する手法は広く知られているが、実際に手は出さないというのが定石と思っていた。しかし本書で思い切りボコられるシーンには閉口。世の中そんなに甘くない。

     本書のキモはところどころの挿入される裁判において証拠として提出された供述調書。加害者の生々しい発言でその手法や考え方を知ることができる。その内容を読むと「なんて勝手な人なんだろう」と思わざるをえない。暴力や脅しもさることながら、やはり怖いのは巧みな話術でズルズルと逃げられなくしていくこと。これは暴力団に限らず他の犯罪あるいはそれに類似する行為でハメられていく過程でもある。これを防ぐにはありきたりな言い方だが「勇気」と「意思決定」しかありえないだろう。これらを身に付けるには地道な現実の認識ではないかと思う。宮本さんや他のノンフィクションライターによるこの分野の本はそれに大きく貢献する。

  • ○自身の経験から暴力団への対策のアドバイスなどを行う宮本照夫氏の著作。
    ○特に、大部分が「ヤクザが恐喝りにやってきた 暴力団撃退マニュアル」(朝日新聞出版)の焼き直しであるため、新鮮みは低かったが、相変わらずの対策法を紹介するなど、著者の意気込みは感じられた。

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