学校が教えてくれないヤクザ撃退法: 暴力団の最新手口から身を守るためのバイブル (新潮文庫 み 44-2)
- 新潮社 (2012年10月29日発売)
- Amazon.co.jp ・本 (296ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101284729
作品紹介・あらすじ
「ヤクザにかかわることなんて一生ないだろう」。たいていの人はそう思っているに違いない。だが、思わぬことをきっかけに、ヤクザと出会い、しつこく付け回され、脅されて、あり金を巻き上げられ、人生をめちゃくちゃにされることもありうるのだ。「ヤクザお断り!」の営業方針を断固貫く飲食店経営者が実例をもって綴る、学校が教えてくれない社会の真実と自分で自分の身を守る方法。
感想・レビュー・書評
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ヤクザの恐ろしさがわかる内容です。本書は特に、社会経験のない学生向に書かれていますが、現在ヤクザとの関わりがあり困っている人にも参考になるでしょう。
米国では、マフィアなどの暴力組織は1970年のRICO法制定により壊滅的となった。しかし日本では、本来国家リーダーであるべき政治家、官僚、教育者が巨悪に対して腰が引けている。
2012年の本書でも、不良外国人の犯罪の増加が指摘されています。岸田政権では、国民的議論無しで既に移民政策に舵を切っており、川口市のクルド人の様に地域住民への脅威となっている事例が増えています。多発する外国人の犯罪になぜか不起訴処分が乱発されており、被害者は泣き寝入りの状態を放置したまま、政治家は動かない。
また、成人男性の10%がギャンブル依存症、その8割がパチンコ関連だと言われているが、パチンコ議連の影響力で問題はスルー。(韓国では政治力で禁止に成功)
後藤英彦氏の解説も良い。日米の対比から、被害者がでなければ警察が動かない「民事不介入」の問題も指摘している。早めに警察が介入すれば防げたストーカー殺人など、一体何人の被害者を出せば、改正出来るのか?
また、暴力団にも人権やプライバシーがあるという論調もあるが、暴力団自体が公序良俗違反の反社組織である以上、憲法の保護下には入らない。そんなに人権が欲しければ、組織から足を洗えばいいだけ。
どうも、日本の司法は加害者や犯罪予備軍に大甘で、被害者のみに過重に忍耐を強いる。その背景は、政治家の国民目線の欠如や金儲けの道具として暗躍する人権弁護士の存在など様々だが、不起訴処分が続く外国人犯罪などを見る限り、是正は期待できそうにない。トホホ。
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義理も人情もない胸糞悪い実例が載っている。話がわかるのは映画や小説の中だけだということがわかるのではないだろうか。ドキュメンタリーなので気が滅入るがそれ故にいい本だと思う。腹が決まる。気持ちの備えができる。そういう意味でいい本。
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最初の、若い経営者がヤクザの追い込まれて入れていくドキュメントは、怖いくらい迫力があった。
どんどんと変な方向に行って、若者への教育の問題とか、軍隊体験とか、韓国中国に追い抜かれているとか、おかしな方向に行ってしまう。
別に、すごい頑張ってきたおっさんだからって何言わせてもええんとちゃうと思うけど。 -
著者の宮本さんは長期にわたり暴力団関係者と闘争を続けた強者経営者。映画化もされた御自身の経験談も出版されているが、本書は宮本さんのところへ相談に来た若者の体験談。経験の浅い若者の話だけに相手の手口もえげつなく、被害者のビビリっぷりも強烈。最終的にはハッピーエンドなんだろうという期待を持ちつつも場面場面での描写は恐怖すら感じる。また理不尽な要求を突きつける相手とその取り巻きには怒りすら覚える。
とにかく「理不尽」のオンパレード。間髪入れずに脅され身ぐるみ剥がされていき、あげくのはてに精神崩壊。この世はほんとに恐ろしい。暴力というバックボーンをちらつかせて利益を要求する手法は広く知られているが、実際に手は出さないというのが定石と思っていた。しかし本書で思い切りボコられるシーンには閉口。世の中そんなに甘くない。
本書のキモはところどころの挿入される裁判において証拠として提出された供述調書。加害者の生々しい発言でその手法や考え方を知ることができる。その内容を読むと「なんて勝手な人なんだろう」と思わざるをえない。暴力や脅しもさることながら、やはり怖いのは巧みな話術でズルズルと逃げられなくしていくこと。これは暴力団に限らず他の犯罪あるいはそれに類似する行為でハメられていく過程でもある。これを防ぐにはありきたりな言い方だが「勇気」と「意思決定」しかありえないだろう。これらを身に付けるには地道な現実の認識ではないかと思う。宮本さんや他のノンフィクションライターによるこの分野の本はそれに大きく貢献する。