- Amazon.co.jp ・本 (192ページ)
- / ISBN・EAN: 9784101317311
作品紹介・あらすじ
正しい答を求めるばかりが「理科」だろうか?鳥肌は顔と足首にはできない。醤油は凍らない。卵は塩水にも砂糖水にも浮く。昇りのエレベーターの中でジャンプすると体が少し浮く。タンポポの綿毛は233本ある。温泉を煮詰めたら塩が残った…。そんな身の周りのできごとへの疑問と感動から「理科」は始まる-。現役女子中学生が見つけた「不思議」をぎっしり詰め込んだ仰天レポート集。
感想・レビュー・書評
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清邦彦先生は1972年より静岡雙葉学園に勤務。毎週発行の「リカちゃん新聞」に、こんなのも「研究レポート」になるよ、と載せていたら、どんどん集まってきた。99年に本にして発表。
どう見るか、世界はそれによって違って見えるのだ。
例えば
・Tさんは「反時計回りの観覧車」は反対から見れば「時計回りの観覧車」になることに気がつきました(by「ロンドン・アイの謎」)。
(面白かったやつ・抄)
・Hさんは「バカはジャンケンに勝つ」のは本当かためしてみましたが、Hさんも負けることもあるので、ウソだということがわかったと、自分で言っています。
・Nさんはお茶わん一杯のご飯粒を数えました。2964粒ありました。
・Kさんが飼っているカタツムリは、ニンジンを食べると赤のうんち、キュウリを食べると緑のうんち、でも卵の殻を食べた時は白ではなく黒のうんちをしました。
・Sさんは人は1分間を正確に数えられるか実験しました。Sさんは53秒、お姉さんは1分5秒、おばあさんは32秒で、あまり正確に数えられないことがわかりました。
・Kさんは、睡眠時間が何時間以下だと目に「くま」ができるかやってみました。9時間では元気な目、7時間ではかすむ。5時間で「くま」ができました。
・Oさんは爪の伸びる速さを計りました。1日に0.3ミリ伸びます。
・Wさんがリングゲージを使って測ったところ、指は朝少し太く、それから細くなって、夜入浴するとかなり太くなることがわかりました。
・Kさんはイヌは何を食べるか、キュウリ、プリン、ミカン、紙、ジャガイモをやってみました。Kさんの家のイヌは何でも食べてしまうことがわかりました。
・Tさんはイヌにやると怒ることベスト5を調べました。1位はエサをとること。2位は口をふさぐ、3位はしっぽをつかむ、4位は両足をつかむ、5位はひげを引っ張ることでした。
・Kさんは、家族の1分間の呼吸数を数えてみました。ヒトの平均は14回でしたが、ネコは24回、イヌはハーハーと速くて計れませんでした。
・Kさんのネコのタルを3日間追跡し、テリトリー、毎日のスケジュール、交友関係を明らかにしました。
←思いつきで参加している新聞投稿者が多い中で「Kさん」が科学的精神で抜きんでいる印象がある。ただし、本書は10数年間の新聞をまとめたものなので、Kさんが同一人物という確証は最後まで持てなかった。
・Mさんは「ネコが顔を洗った時、手が耳を越えると雨が降る」というのは本当か調べてみました。耳を越えた日は10日ありましたが、そのうち実際に雨が降ったのは2日だけでした。
・Oさんの家のメダカは水槽に青とオレンジの紙を貼ると青の方に行きます。紙を回すと青の紙に合わせて回ります。
・Mさんは横浜の海でクラゲを見つけました。泳ぐ速さを測ったら、秒速3.75センチでした。
・Aさんはカサゴを解剖しました。心臓は30分くらい動いていました。
・Kさんは夕方スペースシャトル・コロンビアをみました。飛行機よりもずっと高いところを飛んでいました。
・Mさんの話では、ハワイの半月は横ではなく、下が光ってるそうです。
・Iさんは冬休みに沖縄に行って、沖縄は夕方6時になってもまだ明るいことに気がつきました。このくらい明るければ学校の帰りも楽だなと思いました。
・Hさんが計ったら、学校に着くまでの時間が晴れの日と雨の日で8分も差がありました。雨の日は暗い気持ちになってゆっくりゆっくり歩いてしまうからだそうです。
・Kさんは紅茶の湯気をハンカチに染み込ませ、色や匂いから湯気は紅茶ではなく、そのままの水でできていると考えました。
・Sさんは電車に乗る時メガネがくもって困っています。そこでくもり止め調べをしました。鏡に水、酢、油、砂糖水、塩水、市販のくもり止めを塗って、家庭用加湿器でくもらせたところ、やはり市販のものが1番で、塩水も2番目に効果がありました。酢は臭すぎてだめでした。
・TさんはTVで「ガムをとるにはドライアイスで凍らせるとよくとれる」と聞いたので本当か試してみました。本当でした。氷では取れませんでした。
・Iさんがスキーに行った時、ポテトチップスの袋がパンパンになっていました。家に持ち帰ったら元通りになりました。スキー場で買ったのはどうなるのかと思ったのですが、途中で食べてしまいました。
‥‥‥‥これでまだ1/3。
キリがないので、「あとは読んで!」と言っておきますが、このあと昆虫や植物の方にテーマは移ります。彼女たちはとってもとっても残酷なレポートを提出するのでした(笑)。 -
静岡にある私立雙葉中学の理科の先生をしていらっしゃる著者が、中学一年生の彼女達(中高一貫女子校です)の 小さな自由研究をぎっしりレポート。
1レポートは、3行から5行ぐらい。ふとした興味からちょこっと試行、結論が出ていないものもあるし、間違っているかもというものもある。
子供の夏休みの自由研究となると、親の方がソワソワしてしまい、お手伝いしたくなる。この本を読むと、そんな形式にとらわれず、日常の不思議に対する小さな実験や観察で良いんだよと伝わってきました。こういう行動を口を出さず見守る先生や親が重要なんでしょうね。
一番気に入った実験は、
迷信と不思議
Aさんは、40人の人に「手を出して」といって、左右どちらの手を出すか調べました。右手を出した人は全員右利き、左手を出した人は左きき、両手を出した人は全員血液型がB型でした。
両手出しちゃうねえ。この検証は、もう少し統計を取りたいぐらい。
お子さんが読むというより、大人が読んで、子供の不思議の芽の環境作りに役立ちそうです。 -
R2.1.12 読了。
女子中学生たちの日常生活における疑問や小さな発見やユーモラスな実験がまとめられていた。子供って、面白い着眼点をするものだと改めて感心した。
・「予想通りにならなかったのは、失敗ではなくて成功です。何も変わらなかったのは、『変わらない』ことを発見したのです。」
・「考え方がおかしいと言われても、『自分はそう考えた』というのは正しい事実です。」 -
3分の1に満たないところで読むのをやめてしまった。
その後の生き物への実験あたりをチラ読みしたら私にはムリだったので、ごめんなさい。
妹の飼っているキンギョを凍らせたり熱湯かけたり、蟻を冷蔵庫に入れたり…他にもいろいろ。
もし自分の子供がそれをやったら、「理科の目」を持ってるのね〜などと構えてはいられず、違う部分がかなり心配になる。
あとがきと解説は読んだ。 -
女子中学生による、素朴だけどクスリと笑える、ユルかわいい実験レポート集。「へぇ~そんな発見が!」といった目からウロコ系から、オチも何もない微妙な失敗例(それはそれで何気に面白い)まで。中学生によるヘタウマな味のあるイラストも含め、とても微笑ましい一冊。実験例が数行と細かいため、ヒマなときにチョコチョコ読みしていたので読了まで結構時間がかかったが、そういう読書もたまにはいいかなと思えた。
ド文系の私だが、小学校の中学年くらいまでは理科は好きだったんだよな…学研の「○年の科学」を愛読し、ここに出てくる中学生のように、素朴な疑問をいくつも感じ、時には簡単な実験をしたこともあったっけ。そんな気持ちを持ち続けていられれば、理科嫌いにはならなかったのかなと今更ながら思ったり。
本文だけで十分面白いけど、清水義範氏の解説もなかなか胸に響くものだった。
「すぐさま答を教えることは、案外その人に何も考えさせないことなのである。」
思い当たることがありすぎて言葉が出ない…!
女子中学生の答が違っていても、すぐに正そうとせず、見守る清先生。理科との気楽な付き合い方を教えてもらい、文庫版初版2002年の本書がロングセラーとなっている理由が、よくわかる気がした。 -
女子中学生が調べたテーマがとても面白い!テーマが身近だったものがあったので実際にやったりしてもいいんじゃないかな。あっという間に読めるし、夏休みの自由研究で扱ってもおもしろい(o^^o)
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ここに書かれている発見は、観察や実験としてくだらない、と思う人もいるかもしれない。しかし、純粋な疑問や、当たり前を疑う姿勢は、子どもならではであり、大人には逆にできなくなっているかもしれない。自然科学研究をする際にも、見習うべき発想はあるだろう。
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まさにこの本に収められた時代に、理科を清先生から教わっていた。
偶然に再会した同級生に教えてもらって、本が出ていたことを知った。
内容に懐かしみながらも、
先生ってこんなこと考えてあの課題をやっていたのか!と初めて知った。
そして感謝した。
こんな考えをお持ちの先生の授業を受けられていたことを改めて嬉しく思う。
ありがとうございました!
まえがきやあとがきにあることが、「学び」というものの本質だと思う。理科に限らず。 -
面白かった!肩ひじ張らずに、「観察してみた。調べてみた。比べてみた。やってみた」という研究レポートの数々。クスクス笑ったり、吹き出したり、へぇ!と思ったり。
まさに理科(自然科学)の原点。
今でこそ教育を受けてきた結果、いわゆる理系的な考え方がある程度身についたと思うけど、こういう「不思議に思う気持ち」や「好奇心」そのものを育むようなことはしてこなかったな。この先生に教わっていた生徒さんたちが羨ましい。
もし将来自分に子供ができたらこの本に載ってることを一緒にやってみようかな。
レイチェル・カーソンの『センスオブワンダー』をもう一度読んでみたくなった。 -
現役の中学生が見つけた不思議をぎっしり詰め込んだ仰天レポート集
タイムライン
http://booklog.jp/timeline/users/collabo39698
ごめんなさい。解剖と両手が結びつかない。
解剖されたのは魚だけという読で、アリはいろいろ切られているのですが、序...
ごめんなさい。解剖と両手が結びつかない。
解剖されたのは魚だけという読で、アリはいろいろ切られているのですが、序でに言えばナメクジはいろいろかけられているのですが、昆虫は上手く見つける事ができなかった。
ここに紹介したKさんがホントに同一人物かはわからないんですよね。この後出てくるKさんは、時々かなりSになるし‥‥。
ここに紹介したKさんがホントに同一人物かはわからないんですよね。この後出てくるKさんは、時々かなりSになるし‥‥。
紙はダメですよね。
という様なことをついこういう新聞では付け足しがちなんですが、リカちゃん新聞では、そういうこ...
紙はダメですよね。
という様なことをついこういう新聞では付け足しがちなんですが、リカちゃん新聞では、そういうことは一切付け足さないそうなんです。
理解する心の入り口を大切にするという事がひとつ、おそらく生徒と先生の信頼関係があつくて日常的にそういうことはフォローできているのでしょう。