棲月―隠蔽捜査7― (新潮文庫)

著者 :
  • 新潮社
4.10
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本棚登録 : 1197
感想 : 98
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  • Amazon.co.jp ・本 (432ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101321639

作品紹介・あらすじ

鉄道のシステムがダウン。都市銀行も同様の状況に陥る。社会インフラを揺るがす事態に事件の影を感じた竜崎は、独断で署員を動かした。続いて、非行少年の暴行殺害事件が発生する。二件の解決のために指揮を執る中、同期の伊丹刑事部長から自身の異動の噂があると聞いた彼の心は揺れ動く。見え隠れする謎めいた〝敵〟。組織内部の軋轢。警視庁第二方面大森署署長、竜崎伸也、最後の事件。

感想・レビュー・書評

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  • 2020年(発出2018年) 430ページ
     
    大森署長・竜崎伸也、最後の事件です。

    今回の事件、今までの事件に比べると盛り上がりに欠けます。サイバー犯罪という性質上、はっきりと目に見えるものではないためか、地味な感じでした。非行少年の暴行殺害事件も、目に見えないものに怯えている、その恐怖感がいまいち伝わらなかった。正直、最初の方が珍しく退屈に感じました。

    しかし、今作は、竜崎伸也と大森署員たちのお別れシーンが最大の山場なんです。
    ちょっと涙が出そうになったんだけど、誰よりも感傷的になっていたはずの竜崎があまりにも淡々としていたので、結局涙は出なかった……

    さあ、神奈川県警が竜崎を待っています。

  • シリーズ7弾は大森署での最後の事件。竜崎に異動の噂が持ち上がり彼自身、ソワソワし始める。そんな所にサイバー攻撃と思われる事件と少年の殺害事件が発生し対応に追われていく、という内容。流石に第1部完、と銘打たれているように展開が面白く尚且つ竜崎自身の成長も伺える。原理原則をモットーに生きる彼だが少しずつ変化していっているのが伝わる。その気持ちを代弁してくれるのが奥さんの冴子で彼女のいう「大森署があなたを人間として成長させたのよ。」は胸に迫る。またラストシーンの胸アツ展開にもグッとくる。新シリーズも楽しみだ。

  • 次から戸高はどうなるの

  • 駅施設内交換本。

  • 【321冊目】裏表紙に書いてあるとおり、サイバー犯罪の回で、かつ、竜崎の大森署最後の事件。

     とはいっても、サイバー犯罪に関する知識はまったく必要ないくらい事件そのものはあっさり描写されたており、どちらかというとメインは少年がリンチで殺された事件。

     まず、警察小説、犯罪小説、ミステリ好きとして言わせてもらうと、話の筋と犯人がちょっとご都合主義に走りすぎではないかと思います。竜崎の推論も「こう考えればしっくりくる」ぐらいのもんで、そういう感想にあっさり説得されちゃう周りもどうなの、と。さすがに戸高ぐらいはもっと疑ってくれよと思いました(笑)

     ただ、このシリーズの魅力はそこじゃないのです。はい、このシリーズのファンなのでそれは分かっています!合理主義の竜崎が警察のめんどくさい慣例やしがらみをバサバサ切っていき状況を打破していくところに、我々読者はカタルシスを感じるのです。そして、もう一つの魅力が、鉄面皮の竜崎が署員との交流や事件を通じて柔らかな人間性を得ていく過程。今回も、大森署から離れることに寂しさを覚える竜崎に、我々読者はにやにやしながら、「うんうん、分かってるよ。竜崎は成長したんだよね」とうなずいてしまうのです!その意味で、シリーズの面白さは今回も健在です!

     ただ、ハッカーや不良少年の描き方があまりにも典型的にすぎ、また、竜崎の妻も昭和型刑事の妻すぎることが気になり始めました、、、これまで気になることはなかったのですが、シリーズが進むのに合わせて現実の世界はより多様化しています。そのため、物足りなさを感じてしまいました。シリーズ第1作の「隠蔽捜査」は斬新なインパクトを与える作品でしたが、いまや水戸黄門的カタルシスを提供する読み物となってしまいました。その意味で、もはや「おじさん小説」と化しているのかもしれません。

     あ、面白いんですけどね!

  • 面白かったです

  • 事件はコッテリ異動はアッサリ…
    大森署のメンバーとのお別れです。
    寂しい(꒪⌓︎꒪)
    大森署最後の事件って分かってて読んでるけど。
    ちょっとだけ感傷的になった朴念仁竜崎ですがやはり竜崎らしく神奈川へ旅立ちました。
    お隣りだしライバル心剥き出しの東京×神奈川だから更に面白くなるとは思うけど。

    いざ神奈川編へ(・`◡︎´・)ゝ


    • ひまわりめろんさん
      村人A、B

      どうしても平民どもに嫉妬されてしまうのはカリスマの宿命やな(´Д`)ハァ…
      村人A、B

      どうしても平民どもに嫉妬されてしまうのはカリスマの宿命やな(´Д`)ハァ…
      2023/10/02
    • みんみんさん
      カースト底辺…愚民…( ̄、 ̄)
      カースト底辺…愚民…( ̄、 ̄)
      2023/10/02
    • 1Q84O1さん
      我々の遥か上にいるカリスマが眩しい!










      眩しいからスルーしとこw
      ( ゚д゚)ポカーン
      我々の遥か上にいるカリスマが眩しい!










      眩しいからスルーしとこw
      ( ゚д゚)ポカーン
      2023/10/02
  • とうとう大森署を去る事が決まり、最後の事件と対峙する。誰に対しても平等、時間を無駄にしないをモットーに今回もみんなを籠絡していきます。次回から、また新しい場所で新しいメンバーを次々と籠絡していく様を見るのが楽しみです。

  • 【隠蔽捜査シリーズ7】
    竜崎伸也に異動の噂が持ち上がる。
    合理主義、警察キャリアには異動がつきもの、と割り切っていたはずだか、感傷的になっている自分に驚いている。
    そうよ、認めて! 大森署が好きなのだ。そして人間らしく成長したのだ。

    今回の事件は、私鉄と銀行のシステム障害。
    偶然か⁈ サイバー犯罪か⁈ 一方、少年のリンチ殺人事件も起きる。
    部下を信頼して采配を奮う、そして自ら動く竜崎♡

    大森署員たちからの総意の敬礼に、私も仲間に入れてもらって読了。

  • シリーズ第7弾
    竜崎署長の警視庁大森警察署での最後の活躍でした。
    かっこよかったですね。
    次は神奈川県警の刑事部長での活躍が楽しみです。

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著者プロフィール

1955年北海道生まれ。上智大学在学中の78年に『怪物が街にやってくる』で問題小説新人賞を受賞。2006年、『隠蔽捜査』で吉川英治文学新人賞を、08年『果断 隠蔽捜査2』で山本周五郎賞、日本推理作家協会賞を受賞。

「2023年 『脈動』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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