アラブの怨念 (新潮文庫 ふ 30-1)

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  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (355ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101337319

作品紹介・あらすじ

湾岸戦争後、中東は暫し「和平の時代」へと移行する。だがその陰で、新たな憎しみが蠢いていた。大地に沁み込んでいた「修羅の妄執」-。経済悪化の道を落ちて行くパレスチナ、戦禍の中、耐久生活を強いられるイラク、極寒の山岳に留められたクルド、そして空爆に晒されるアフガニスタン。変貌するアラブの現況とイスラム世界の抱える闇を、元カイロ駐在のワシントン特派員が解き明かす。

感想・レビュー・書評

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  • 学生時代、世界各地で活動してるNGO活動に参加しながら、バックパッカーをしていた時に、よく持ち歩いていた。

    複雑な経緯、歴史、民族、宗教等について文庫一冊レベルの簡潔さで書かれている。

    この本を入口に、アラブにより強い関心を覚え、直接現地に行って、今を見てみなければと思わされた。

  • 毎日新聞の特派員だった著者が、湾岸戦争前後のアラブの国々の政情の混乱とテロの恐怖、庶民の心情等を生々しく綴った書。イラン、イラク、サウジアラビア、レバノン、シリア、アルジェリア等の当時の状況が良く分かった。97年に執筆された書だが、アラブ地域の混乱の度合いは現在の状況と全く変わっていないようだ。
    読後感は、諦観の一言に尽きる。

  •  植民地時代の宗主国がかってに国境線を引いた経緯で、いまだ中東は混乱している。なんといっても、イスラム教国のど真ん中にイスラエルを建国させたことがよかったかどうか、油に火を注いだも同然である(油田地帯だけに) 核を手にしてイスラエルは周辺国の脅威となった。しかしながら、各国の思惑(石油利権)もあり現状が必然であるといえなくもない。昨今はアメリカのシェールガス革命で中東の利用価値が下がっていることから、変化の兆しが見え隠れする。

  • ここではあまりピックアップされていない、シリアが今ISに一部支配され大変なことになっている。ここでは、イラン、イラク、イスラエル、アルジェリおア等が取り上げられているが、アラブが一瞬で不安定な状況に陥ることを物語っている。宗教のせいにはしたくないのだが宗教の性格というものはあるだろう。事情があまりわからない私には興味深く読めた。

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