会社がなぜ消滅したか: 山一証券役員たちの背信 (新潮文庫 よ 23-2)

制作 : 読売新聞社会部 
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (402ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101348322

感想・レビュー・書評

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  • 山一證券が消滅した要因は、端的に言うと、危機感が足りず情報隠蔽とコミュニケーション不足で、社内外から信頼を失ったことだとわかる。バブル時代はコンプラの観念が今と全く違うので要注意。

  • 何度目かの読み終わり.私は紙の新聞は普段読まないし,どちらかと言うと新聞と言う旧メディアには悪い印象を持っているが,この本は凄い.読売新聞社会部の力に圧倒される.最近金融機関を舞台にしたテレビドラマが爆発的に流行ったようだが(私は見ていない),この本で得られる感情の揺さぶりを超えられるとは,考え難い.

    かつて四大証券の一角を担った山一の,余りにも「情けない」破綻劇.その情けなさは,最後の社長野澤正平の涙の記者会見に象徴されるが,その背景にある,本書で明かされる経営陣の無策,隠蔽,背任,そして犯罪行為は,「会社」で働く全ての人間の,様々な感情を揺さぶらずにはおれないだろう.だが,私が最も心を動かされるのは,自主廃業発表の直後,各支店での顧客を迎えての清算業務の現場描写である.そこを読めば,現場叩き上げだった野澤の涙の理由も分かるはずである.

  • もう一度読み直したほうが良さそう!

  • この本を読んでいるとせつなくて、どうしようもない。
    なぜ山一証券が、消滅したのかということが、刻明に描かれている。

    なぜ、野沢社長が、涙を流して、
    「社員は、悪くないのです。私たちが悪いのです。」
    と泣いたのか?

    行平社長から頭取時代におこる。
    損失を隠すことから、はじまる。
    →結局は、2300億円にのぼる損失。
    この場合は、利子が発生していないだけ、損失はふえなかった。

    しかし、どのような損失なのか?
    相手に儲けさすといって勧誘して、結局は、それができなかった。
    証券会社の人も、確かにプロだが、
    その世界で確実に利益を上げるとは、困難な話である。

    なぜ利益を上げることができないか?
    結局は、「手持ち資金」がすべてを決めるのだろう。
    市場を読むセンス。勘。そして度胸。

    行平次男、三木淳夫、野沢正平。
    銀行のエリート中のエリート。
    しかし、「危機管理、リスク負担」ということを考えなかった。
    自分に降りかかることをおそれた。

  • 今さらながら、高額のサラリーを得ていた企業トップの隠蔽体質に腹立たしさを感じます。ただ、破綻が発表された後に、口座解約等の対応に忙殺された現場担当者のエピソードは、同じ金融機関に身を置く者として頭が下がる思いがしました。

  • 文庫版あとがきにある話が非常に興味深い内容でした。
    『人間のBig Rock』という話、知ってますか?

    「砂利」や「水」で満杯になる前に、自分の人生における「大きな岩」をしっかりと知って、それに時間やいろんなものを割く、それが大事だな。
    「大きな岩」を知ることが何よりも大事だな、と思いました(๛д๛)

    あの会見、思えばまだ子供の頃だったのか。。。と思いながら読みました。内容は伏せますが、こういう本も、読んでおかないと。

  • 4101348324  402p 2001・10・15 2刷

  • 想像も付かない額のお金でも、帳簿の上だけでは如何様にもできるんだなあ…と。
    組織って複雑怪奇で難しい。

  • 1997年11月、100年余の歴史に幕を下ろした山一証券。破綻パニックの中で大量に処分されていた極秘文書。最後の経営陣によって封印された二つの報告書の存在を知った取材班は再調査に乗り出す。その結果、浮かび上がった会社消滅の真相とは。

  • 山一證券よ永久に・・・
    (大学院の教科書として使用)

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