ショージ君の料理大好き (新潮文庫 草 364-1)

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  • Amazon.co.jp ・本 (376ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101364018

感想・レビュー・書評

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  • 今でこそ男が料理する事は珍しくないがこの本が出た当時は一般の男が料理をするのが珍しい時代。
    これは東海林さだお(以下ショージ君)
    がモヤシ炒め一筋のモヤシの斉藤、自家製ハム作成の為のカマドを持っているカマドの坂本の3人で料理を作りその実食をまとめたレポート本。

    調理行程、成功例は勿論の事、失敗談もしっかり紹介されているのだがショージ君独特の文章表現で書かれているので読んでいて悲壮感を感じるよりつい笑ってしまう。(「料理教室」の牡蠣の殻剥きのくだりはホント爆笑。)

    作る料理は簡単に出来る物から本格的な物と多種多彩。

    カレー粉はスパイスから調合し、魚(鰹、鰻、アナゴ、鮭、鯖等)は一匹まるごとおろし(裂き)、うどんを打ち、ラーメン・炒飯に使うチャーシュー・メンマ(ちゃんと塩抜きして)etc.も自分達で作るといった具合に全て一からやるのだからこれは凄いとしか言い様がない。
    ショージ君の料理に対する熱意と愛情(ちょっと大袈裟かな)を感じずにはいられない。

    ネットで検索すれば幾つものレシピが出てくる「牛肉のしそ葉いため」と「銀火丼」。
    実はこの料理を初めて紹介したのが本書。

    「牛肉のしそ葉いため」はバターで牛肉を炒め、正油、酒、味の素で味付けし一枚を三つくらいの大きさに切った しその葉を入れこれをゴハンの上に汁ごとかけるだけ。
    「銀火丼」は3ミリほどの厚さにそぎ切りしたカツオを正油、だし汁(正油の1/3程度)、酒、味の素少々を入れた汁に15分ほどつけてゴハンの上にのせ針ショウガと刻み海苔をのせるだけというどちらも手間要らずの簡単料理。

    自分も実際に作ってみたが、これはホント美味い‼
    ショージ君風に言えば 「うまぐで うまぐで」たまらない。
    すっかりハマって一時期は休日の昼飯や夕飯によく作って食べていた。

    最初は本のレシピ通りに作っていたが途中から「牛肉~」は砂糖を入れて甘味を足したり、正油、めんつゆ、酒で味付けしたりした。(個人的にはこれがベストレシピ)
    さらに20代の頃は食べる直前に追い鰹ならぬ追いバターをのせたりもした。
    「銀火丼」はだし汁と味の素を省き正油を昆布正油と酒だけにしたり針ショウガをおろしショウガに変えてみたり、カツオの刺身にはマヨネーズが合うので(「美味しんぼ」からの情報。)途中でマヨネーズをつけて味変したり、2/3くらい食べたところで煎茶をかけてカツオ茶漬にして食べたりとちょっとアレンジもした。

    他にも湯引きしたササミをそぎ切りにし、みじん切りにしたシソの葉とネギ、おろしショウガをのせてショウユを小サジ一ほどかけて食べる「鳥のたたき」も作ったし(これもショウユをポン酢に変えたりしてみた。)、ご飯がベチャベチャしないパラパラ炒飯のコツも本書で学んだ。

    レシピ、コツだけでなく料理を作る事の楽しさ、難しさもこの本で教えてもらった。
    何度読んでも飽きないしどこから読んでも面白い。(料理本なのに笑えるってのもいい。)
    自分にとってこの本は料理本におけるバイブルと言ってもいい。

  • この本を評価するなんて僕には出来ない・・・。これは読書では無くて心の癒しなのでございます。東海林さだおさんがつらつらと書いた文章をぼーっと読んでいる時の至福。これはまだご存命な為に安心して読んでいられる幸せな瞬間なんであります。きっとお亡くなりになられたらさぞ寂しくなってしまう事でしょう。
    さて色々な料理に取り組んでおられますが、時代が30数年前なので味の素が重要な位置を占めているのが何とも面白いです。

  • 初ショージ君。
    ショージ君ファンの年下の友人にいただいたので思いがけずに手にした。
    エッセイは古いとぜんぜん感覚が違ったりするので躊躇してたけど、そこはかとなく心和んでくる。
    読んでヨカッタ。

    時代は80年代。バブルは一種、独特で良い響きがないけど、この時代の日本人は明るくストレスも少なそう。
    ショージ君だからかもだけど、柔和な雰囲気が伝わる。自由に好きなことを選択できる時代の到来だったのかもで、巻末の出版日を見てそうか、そうか。余裕が伝わるんだろうか。

    「うどん粉」とか古い言葉?も出てくるけど、内容は全く古くない。レシピや手間はやっぱりすごく細かくて自分が日頃ちゃんとしてないことばかり。男の料理はやはり本格的と思う。

    最後の巻に椎名編集長登場!やっぱり80年代!と唸る。有名人に遭遇した感炸裂。

  • グルメな著者が様々な料理にチャレンジするエッセイです。著者と共に料理を作るメンツが男ばかりなので失敗することも多いですが、本当に生き生きと料理を作るさまを感じとれます。

    九州大学
    ニックネーム:伊藤悠一郎

  • うなぎ哀れ…。

  • 再読ですがおもしろかったー。
    料理本としても読めるし、エッセーとしても読めるので二度おいしい。
    まごうことなき男の料理なので、作るのはちょっと、ですが、でも美味しそうです。ほんと。

  • 「ショージ君の「料理大好き!」」4

    著者 東海林さだお
    出版 新潮社

    p168より引用
    “「ザーサイの代わりに、高菜漬けなんかもいいんじゃないの」”

    マンガ家でありエッセイストである著者による、
    自身と仲間達とで色々な料理に挑戦した事を書いた、
    雑誌連載をまとめた一冊。
    三分クッキングから手造りソーセージまで、
    取り上げられた料理が身近なものが多いので、
    参考になります。

    上記の引用は、
    炒飯の巻きの中の一言。
    高菜チャーハンがどうやらまだメジャーでない様な所に、
    時代を感じます。
    奥付のあたりを見ると、
    最初に刊行されたのは他社からで、
    昭和56年との事。
    私の手元にある本は22刷もされています。
    オリジナル料理も紹介されているので、
    料理好きの方なら是非。

    ーーーーー

  • 7/20/08図書館

  • 図書館で借りた。

    著者が作ってみた料理の話。
    作る前にお店の人に作り方を聞きに行っている。
    レシピも載っているし、作る時に気をつけることも
    書いてある。失敗した流れも分かって、気が楽になる。

    カツオのたたき
    3分クッキング
    うなぎ
    本格カレー
    餃子
    ローストビーフ
    うどんすき
    塩鮭一本
    ちくわ・かまぼこ・はんぺん・さつま揚げ
    にぎり鮨
    チャーハン
    行楽弁当
    かき揚げ丼
    冷やし中華
    あなご
    豆腐
    スパゲッティ
    サバ鮨
    料理教室
    オムレツ
    贋北京ダック
    手造りソーセージ
    焼鳥
    ラーメン

  • 台所に立ちたくなること間違いなし!

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著者プロフィール

東海林さだお=1937年東京生まれ。漫画家、エッセイスト。早稲田大学文学部露文科中退。早大漫画研究会草創期のメンバー。文藝春秋漫画賞、講談社エッセイ賞、菊池寛賞、日本漫画家協会賞大賞を受賞。漫画に『新漫画文学全集』『ショージ君』など、長期連載のエッセイに「男の分別学」「あれも食いたいこれも食いたい」など。

「2021年 『東海林さだおアンソロジー 人間は哀れである』 で使われていた紹介文から引用しています。」

東海林さだおの作品

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