謎好き乙女と明かされる真実 (新潮文庫nex)

著者 :
  • 新潮社
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感想 : 18
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  • Amazon.co.jp ・本 (298ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101800790

作品紹介・あらすじ

私は真実(フィクション)より青春(ミステリ)が好きです。入学式のあの日から、僕は彼女に振り回されてきた。恋愛よりも部活よりもミステリを愛する彼女に。それは今も同じだ。宛名のないラブレター。消えた誕生日プレゼント。姿の見えない歌姫。藤ヶ崎高校で起こる事件を、僕は彼女と解決していく。でも、このままで良いのか。僕が知りたい“答え”は何か。早伊原樹里。僕は彼女を、解き明かす。切なくほろ苦い青春ミステリ、堂々完結。

感想・レビュー・書評

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  • 矢斗春一は、ひとの心理の謎が見えてしまう。何人もの女の子をその真実を突き付けることで救ってきた。中には、自分に正直に生きることを頑なに拒む子もいた。痛い眼にもあってきた。それでも、早伊原樹里と出会うことによって、またその道を、人の謎を解く、人を救う歩みを始める。しかし、最後に救うべきは、自分であり、樹里であった。この最終巻で全ては明かされる。なんかね、人を救うなんて傲慢な気はするが、この二人は特別な存在なんだよなあ。でも、作者の言いたいことはよく分かるよ。相手の存在そのものを受け止める事かな。なかなかの力作だった。ライトノベルぽいけど、馬鹿にできないよ。作者は若いけど大したものだ。

  • 謎好き乙女シリーズ最終巻。
    前の偽りの恋心から続けて読了。相変わらず読みやすい。ただ登場人物の造詣が薄味であるために、え、これどんな人だったっけ、と考える時間がちょこちょこ必要で、そのたびに話の流れが止まってしまうのが(私がただ物覚えが悪いだけの気もする)残念だった。一冊目から素直に読み直せばよかった。

    早伊原樹里の真実を暴くための奔走。青春を得るための唯一を手に入れるために傷付いても正義を振るう。それが多数を叩き潰し、一人を抱きしめるための労力。今まで春一が救ってきた人たちの共通項の話を前・会長とするところが私の中でのクライマックスだったかもしれない。早伊原樹里のは音質の話は正直それほど大きなショックはなかった。私自身がそれに近いものがあるからかもしれない。感情は勉強できる。本があればそれは細やかに。それでも結局自分を突き動かす出会いもあるのだな。早伊原樹里が、そして春一がそんな唯一のものと青春をこれからもおくっていけることが何よりだ。

  • こんなにも心を奪われる小説はなかなかない。樹里の真実を追い続ける春一。二人の関係は不可思議でだけど時々甘ったるくて。なかなか見えない2人の本音がやっと明かされる。なんて可愛い二人なんだ。こんなにも爽やかで愛おしくて可愛い高校生偽カップルにリアルで出会いたいっっ最後の最後はニヤニヤニヤニヤしながら読むことでしょう。大好きな作品です!

  • これまでの作品で叙述トリックが多用されていたのが気になっていたのですが、まさかこんな理由があったとは、と驚かされました。
    これまでは心の奥に隠された真実の表現が上手いだけだと思っていましたが、大きな構想のもとに書かれていたと分かって更に評価が上がりました。
    他の作品も読んでみたくなる作家です。

  • 面白かった。
    スピード感のある物語であった。樹里に翻弄され続けた春一の明るい青春はここで一つの区切りをつけた。
    このお話に出てくる女の子は、樹里をはじめとして上九一色、会長などと魅力的だが一癖ありすぎて、食えない娘ばかりだった。

  • 結局、二人とも恐ろしく頭が切れて、それゆえに周りに馴染めない異端だと感じ、隠してきたのではないかと……。
    互いに(主に樹里が)あることないことを周囲に喧伝し、謎を解き明かしたりするような関係は二人だからこそできた関係だと思う。
    そんな関係に憧れない訳ではないが、自分の脳みそではとてもじゃないが無理。

    もっと二人の話が読んでみたかったから、完結したのは悲しい。
    青春ミステリーとしてはとても面白かった。

    ところで、矢斗?(春一の友人のバンドのイケメンだと思われる)が何で春一の友人なのかの伏線の回収はどこだったのか…。

  • 私は真実(フィクション)より青春(ミステリ)が好きです。

    入学式のあの日から、僕は彼女に振り回されてきた。恋愛よりも部活よりもミステリを愛する彼女に。それは今も同じだ。宛名のないラブレター。消えた誕生日プレゼント。姿の見えない歌姫。藤ヶ崎高校で起こる事件を、僕は彼女と解決していく。でも、このままで良いのか。僕が知りたい“答え”は何か。早伊原樹里。僕は彼女を、解き明かす。切なくほろ苦い青春ミステリ、堂々完結。

  • 学園ミステリーのシリーズかと思いきや、実に回りくどいラブストーリーだったわけですね。いろいろ思考が深すぎて高校生離れしてるとも思えるし、その考えすぎなところがいかにも高校生とも思える。
    この2人の未来の話も読んでみたいと少し思う。

  • 最終巻ということでさくっと読了。文章力が向上しているのか,これまででいちばん読みやすかった気がしました。これまで3巻の伏線やら人間関係やらの総まとめ,総決算という感じ。本巻のみ,早伊原と矢斗の二人の視点が交互に移動しながら物語が進む。ああなるほどね。矢斗の行動にはなんとはなしに覚えがあって歯がゆさを感じました。オチについては,お幸せにとだけwww

  • いちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃいちゃしやがって。  
    末永くお不幸せにどうぞ。

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著者プロフィール

作家

「2019年 『アオハル・ミステリカ』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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