六畳間ミステリーアパート (新潮文庫nex)

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本棚登録 : 175
感想 : 10
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  • Amazon.co.jp ・本 (352ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101802367

作品紹介・あらすじ

ことだま荘の秘密、あなたには解けますか? 家賃わずか一万二千円の格安アパート、ことだま荘。ここに暮らして奇妙な管理人が提示する謎をとけば、どんな悩みも解決するという――。家族をめぐる問題を抱えてやってきた田中は、ネットで炎上した歌姫、幽霊と同居する男、元・詐欺師の夫婦など、曲者ばかりの住人たちと交流しながら謎の答えを探し、自らに向き合っていく。少し不思議でハートウォーミングな新感覚ミステリー。

感想・レビュー・書評

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  • 言葉による呪いを解くというアパートに入居した主人公はアパートの「相談役」として入居する。呪いを解く方法は、各部屋に割り当てられた役割を当てるということ。
    各部屋に引っ越してきた入居者がそれぞれ言葉の呪いを解いていく様子から、部屋当て推理をしていきます。
    各部屋で繰り広げられる事件は重たいものも多かったですが、短編自体が短めでサラッとしているので読みやすかったです。
    狐面をつけた管理人が異質ですが、この人が一番囚われていそうです。

  • 言葉によるある種の呪いを解きますといううたい文句のアパートを舞台にした連作短編集。短編をヒントに各部屋の名前を当てるという形式のミステリーですが、面白い形式です。みんな悩みを解消して出ていくので、読んだ後はわりとすっきりします。

  • 呪いを負ったひとたちが祓うために入居するアパート。いろんな悩みをかかえているところ、同じように呪いをかかえた主人公が相談役となり一年過ごす。
    それぞれ話は良かったと思います。ただ主人公の呪いが祓えた理由と管理人のシステムを作った理由が弱いような気もしました。

  • 極端な入居者ばかり。ダークな話なのにのほほんとした印象。

  • 第五話、良かったです。

  • 岐阜聖徳学園大学図書館OPACへ→
    http://carin.shotoku.ac.jp/scripts/mgwms32.dll?MGWLPN=CARIN&wlapp=CARIN&WEBOPAC=LINK&ID=BB00633225

    家賃わずか一万二千円の格安アパート、ことだま荘。ここに暮らして奇妙な管理人が提示する謎をとけば、どんな悩みも解決するという――。家族をめぐる問題を抱えてやってきた田中は、ネットで炎上した歌姫、幽霊と同居する男、元・詐欺師の夫婦など、曲者ばかりの住人たちと交流しながら謎の答えを探し、自らに向き合っていく。少し不思議でハートウォーミングな新感覚ミステリー。(出版社HPより)

  • 言葉の呪い、祓います。

    奇妙な売り文句の【ことだま荘】の管理人は、狐の面を纏うこれまた奇妙な人物。
    父親によるトラウマから心の中に棲みつく化け物の幻覚に悩まされ、プロポーズに足踏みする田中はことだま荘の管理人•二宮へ相談する。

    すると、解決策として提示されたのは【相談役】としてアパートに居住することを前提とした、やはり奇妙なゲームだった。

    タイトル、表紙につられて。
    プロローグ以降は、各部屋の住人視点で話が進みます。
    それぞれ悩みを抱えた住人達、そこに寄り添う相談役の田中。

    飽きることなく読み進めたのだけれど、最後の最後、管理人のエピソードがちょっと弱いかなーと私的印象。

    でも仕掛けとしては楽しめたので総合的には◎。

  • ミステリーって感じじゃなくて暖かい感動する話だった。最後は読者に結末を想像させる感じ。読んでる時はラストが気になって楽しかった。ちょっと泣きました笑笑

  • 予想しやすい面はあるけど、面白かった

  • 築百年を超えるアパート「ことだま荘」。このボロアパートの利点は家賃が格安……というだけでなく、キツネ面の管理人曰く、ここで暮らし他の住人と交流することによりどんな悩みも解決するのだと――「言葉の呪い 祓います」
    曲者ばかりの住人達との交流を通して、それぞれが自分と向き合い人生を獲得していく物語。

    一年という期限が設定され、この6部屋しかないアパートの住人が、それぞれ問題を抱えて入居し、それが解決すると退去していく……という入れ替わりを繰り返しながら、各自の物語が(人生が)お互いに共鳴しながら展開していくのが鮮やか。
    入居のルールとして「他の住人と交流すること」がある故に、とにかく登場人物達が互いに会話しさらに自己の内面との対話も繰り返し、自分の抱える問題の根本にある「この感情」とは何なのか、を言語化していく過程を楽しむドラマって感じでした。
    この対話により、隠されていた問題が明らかになったり、頑なな心情が解きほぐされるところなどはちょっとテーブルトークっぽくもありますね。まずは「会話」がないと進まない世界。
    心の機微――愛情、嫉妬、恐怖といった単純に1つに絞れるものではなく、普通、一つの事柄に関して人間が抱く感情は複雑に絡み合って成立しているモノで――ってのを河端さんは上手に腑分けしながら描いているので、各キャラクターの心の変遷がすうっと入ってくるのが良い。
    イヤミス的書き手だと、それを使ってダークな方にも物語を転がせる筈ですが、この作家さんの場合、基本みな幸せになれる方へと舵を切っているので、ハートウォーミングな物語を読みたい人にもオススメできる感じ。

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著者プロフィール

グループSNE所属の小説家/ゲームデザイナー。『皇帝のフロイライン』で小説家デビュー。

「2017年 『終末ノ再生者 II.インスタント・ファミリア』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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