龍ノ国幻想4 炎ゆ花の楔 (新潮文庫 み 60-14)

著者 :
  • 新潮社
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  • Amazon.co.jp ・本 (272ページ)
  • / ISBN・EAN: 9784101802558

作品紹介・あらすじ

添い遂げる夫(つま)は、貴方しかない。だが――日織(ひおり)は、女の身であることを明かし、皇尊(すめらみこと)として龍に認められた。しかし世継ぎを残すために、はやく夫を迎えるよう進言する者が現れる。一方、御位を争った宿敵不津王(ふつおう)が、その座を狙い動き出す。左(さ)の大臣(おとど)・小勢乙名(こせの・おとな)が彼を推すのは何故……。日織は信頼できる臣下もなく疲弊するなか、唯一心の支えである悠花(はるはな)の秘密を公にし、添い遂げたいと思うのだが、最愛ゆえに悠花が下した決断とは。

感想・レビュー・書評

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  • 不津王が附義州の力を借りて皇尊の地位を狙ってくる。日織は夫を貰うことを願われるが、妻の悠花(実は男)を夫として迎えたい。そのことと逆封州との提携のことで左の大臣の小勢乙名の忠義を疑うことになる。一方、反封州の伴有間は父との決戦を迎えていた。自分の弱さや惑いに思い悩む日織がこれでもかこれでもかというぐらい描かれる。読んでいるこちらが心配になるが、なんとか乗り越えていきそうだね。さて、姿を消した悠花はどうするのか。不津王はいよいよ実力行使に出るのか。目は離せない。

  • 今回はヒリヒリするような展開でした(・・;)

    暴君になってはならない。今の時代には辛く悲しい言葉です。

    暴君にならぬよう踏み止まる事ができるのが、真に信頼に与う国主なのだと思います。

    うー、辛いなぁ。

  • 悠花と空露以外の者を信じられなくなっている日織。左大臣筆頭に日織が皇尊でなくても、誰かが皇尊になれば差し支えないという発言をされ、全てに不信感を持つ。しかし、悠花にあなたは怖がっている、怯えは暴君を生む。誰も信じないなら自分勝手に判断する、それは暴君と言われてこのセリフはこの本のキーワード的役割を果たしながら日織の心を変えていく。
    そんな折、隣国(といっても龍ノ原は5洲の中心点にあるから隣国だらけなのだが)の逆封洲から使者が来て、不津の反逆を伝える。
    日織がそのような状況のなか、有間も家族に命を狙われ、命を守るために全てを倒し、王への道を進んでいるのだが、殺し終われば終わりではない道のりがあり…。
    有間の方は一段落区切りまで進むが、日織の方は途中すぎる終わりかた。なので、いつも話の終盤でどんでん返し的な気持ちよさ来るのがなくて(小どんでん返しはあるけど)、早く続きが必要な巻でした。暴君のセリフ(上記のはかなり省略してるので、是非読んで味わって欲しい)も良いけど、狡知と叡智などのくだりも良かったです。

  • 想いあっているからこその悠花の行動に胸が苦しい…
    2人が幸せになれる日が来ることを切実に願います!

  • 信じられる臣を得る件、よき。
    有間のほうはカタがついて、よき。

    悠花のことだけ気になる動き。

    2023.1.7
    4

  • なんともまぁ今回もとんでもなく続きが気になるところで終わったわ.......
    ますば有間の方の国にとりあえず無事片がついてよかった。これでもし有間も死んでしまったらどえうしようとずっと冷や冷やしていただけに、どうかこれからの国づくりを頑張ってほしい。
    その一方で日織の夫問題.......これは難しい。
    悠花の事を公表して夫に出来れば最高だけど、そうもいかないからなぁ.....でも側近で信頼出来る仲間が1人出来たのは頼もしい!
    とにかく早く続きを読ませて〜!

  • なんとも心情がリアル。
    皇尊になったからと言って、安寧な日々を送れるわけじゃなく、
    解決しなければならない問題は山ほどあり、疑心暗鬼になり
    修正のきかない方向に向かうので読んでいて苦しかった。
    いったいどうなるの?と思いきや、なるほど。よくできてるな。
    色々続きが気になる!

  • 悠花はどこに行ってしまったのだろう…( ; ; )

    皇尊となった日織の足場は、その生まれ故に非常に不安定で、立っているのもやっとという状態。
    迷い、疑いながらも自ら動く中で、信じることを選び、足場を固めるために尽力するものの…悠花は日織の元を去ってしまいます。

    悠花もまた日織を想い、日織の地位を安定したものにするために出た行動なのだろうと思いますが…辛い…。

    そんな中、有間は父である国主を討つことに成功し、自らが国主となる基盤を固めます。きっと日織の力にもなってくれることと思います。

    悠花の行方、日織の背後に忍び寄る不津の影、気になることが満載です。次巻にも期待(^^)

  • 今の政治家に読ませたい言葉が沢山。

  • 王になってもまだまだ地盤がグラグラしているので、今後どうなるのかに期待です。

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著者プロフィール

広島県出身。第7回角川ビーンズ小説大賞審査員特別賞受賞。『シュガーアップル・フェアリーテイル 銀砂糖師と黒の妖精』にてデビュー。温かく優しい読後感が持ち味で、登場人物の繊細な心理描写も高く評価されている。他著に「封鬼花伝」シリーズ、「箱入り王女の災難」シリーズ、「一華後宮料理帖」シリーズ、『ここは神楽坂西洋館』『仙文閣の稀書目録』などがある。

「2021年 『転生佳人伝 寵姫は二度皇帝と出会う』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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